高校の国語・現代文の授業で扱われることの多い中島敦の「山月記」は非常に難解で意味不明に感じてしまう作品です。
今回は、山月記のテストに出そうな・出やすい問題や漢字・語句のまとめを紹介します。
山月記のテストに出そうな漢字・語句の勉強法や対策は?
山月記のテストに出そうな・出やすい漢字や語句のまとめを見ていきましょう。
山月記の語句の意味や漢字の読み方は?
山月記には読み慣れない語句や漢字が多く出てきます。
もし定期テストまでに時間があるのであれば、どのような語句や漢字があるのかを理解してそれぞれの意味や読み方を覚えておく方が良いです。
こちらに山月記の語句の意味や漢字の読み方を段落ごとに紹介しています。
山月記のテストに出やすい漢字・語句の対策は?
問1:次のカタカナを漢字に直せ。
- ショギョウ
- ザンギャク
- シュクゼン
- ヒキョウ
- シュウチシン
- ドウコク
- ネンゴろ
解答1
- 所業
- 残虐
- 粛然
- 卑怯
- 羞恥心
- 慟哭
- 懇ろ
問2:次のカタカナを漢字に直せ。
- ガンライ詩人として名を成す。
- 作のコウセツはわからない。
- 自分がシュウチャクしたところのもの。
- 筆をトる。
- 声がロウロウと響く。
- カクチョウコウガ
- イシュタクイツ
- シュクゼンと襟を正す。
解答2
- 元来
- 巧拙
- 執着
- 執
- 朗々
- 格調高雅
- 意趣卓逸
- 粛然
問3:次の傍線部の漢字の読みを書きなさい。
- 記誦せるもの
- 嘲る
- 岩窟
- 嗤う
- 自嘲癖
- 今の懐
- 爪牙
- 蓬茅
- 軺
- 長嘯
- 嘷
- 薄倖
解答3
- きしょう
- あざけ
- がんくつ
- わら
- じちょう
- おも
- そうが
- ほうぼう
- よう
- ちょうしょう
- こう
- はっこう
山月記のテストに出そうな・出やすい問題の勉強法や対策は?
山月記のテストに出そうな・出やすい問題のまとめを紹介していきます。
段落分けは6つの段落に分けています。
段落分けの基準は
第1段落 | 隴西の李徴は博学才穎〜 |
---|---|
第2段落 | 翌年、監察御史、陳郡の袁傪という者、〜 |
第3段落 | 今から一年程前、〜 |
第4段落 | 袁傪はじめ一行は、息をのんで、〜 |
第5段落 | 何故こんな運命になったか判らぬと、〜 |
第6段落 | 漸く四辺の暗さが薄らいで来た。〜 |
です。
第1段落でテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴の性格を簡単に説明せよ。
解答1
プライドが高く自信家。
(本文中の「性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く」から答えられます。)
問2:李徴が役人を辞めた理由を説明せよ。
解答2
役人としてプライドを捨てて生きるよりも、詩人として有名になろうと思ったから。
(本文中の「下吏となって長く膝を俗悪な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺のこそうとしたのである。」から答えられます。)
問3:再び役人として働き始めた理由を答えよ。
解答3
- 貧乏になってしまい妻子を養うため。
- 自分の詩の才能のなさに絶望したため。
(本文中の「数年の後、貧窮に堪えず、妻子の衣食のために遂に節を屈して、再び東へ赴き、一地方官吏の職を奉ずることになった。」から答えられます。)
問4:再び役人になって一年後、李徴はどうなったか説明せよ。
解答4
仕事先の汝水のほとりに泊まったときに発狂した。
(本文中「一年の後、公用で旅に出、汝水のほとりに宿った時、遂に発狂した。」から答えられます。)
第2段落でテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴と袁慘が最も親しい友になれた理由は何か。
解答1
袁傪の性格が温和であり、李徴と対立することがなかったから。
(本文中の「〜友人の少かった李徴にとっては、最も親しい友であった。温和な袁傪の性格が、峻峭な李徴の性情と衝突しなかったためであろう。」から答えられます。)
問2:李徴が袁慘の前に虎になった姿を現さなかった理由は何か。
解答2
プライドの高い李徴にとって、惨めな姿を友人に見せることは許されず、もし虎になった姿を見せたら、袁傪は嫌な思いをすることになると思っているから。
(本文中の「〜自分は今や異類の身となっている。どうして、おめおめと故人の前にあさましい姿をさらせようか。かつ又、自分が姿を現せば、必ず君に畏怖嫌厭の情を起させるに決っているからだ。」から答えられます。)
第3段落でテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴は自分の中の人間の心が消えることをどのように思っているか説明せよ。
解答1
幸せになれるだろうと思いつつ、恐ろしく悲しく、切なくも思っている。
(本文中の「己の中の人間の心がすっかり消えて了えば、恐らく、その方が、己はしあわせになれるだろう。だのに、己の中の人間は、その事を、この上なく恐しく感じているのだ。ああ、全く、どんなに、恐しく、哀かなしく、切なく思っているだろう!」から答えられます。)
問2:「これは恐ろしいことだ。」とあるが、どのような点で「恐ろしい」と言っているのか、30字以内で説明せよ。
解答2
人間の心からの考え方ではなく、虎の側からの発想になっていた点。
(1日の中で人間に還る時間とそうでない時間があるという話に注目します。)
問3:「ちょうど、古い宮殿の礎が次第に土砂に埋没するように。」の「古い宮殿の礎」とは、何を喩えたものか本文中から5字以内で抜き出せ。
解答3
人間の心
(直前にある「今少し経てば、己の中の人間の心は、獣としての習慣の中にすっかり埋もれて消えて了うだろう。」から答えます。)
問4:「己の中の人間の心がすっかり消えて了えば、恐らく、その方が、己はしあわせになれるだろう。」とあるが、なぜ「しあわせ」になれるのかを25字以内で説明せよ。
解答4
完全な虎になれば苦悩する必要が無くなるから
(人間に戻る時間がまだあるために、虎になっている自分のことを恥ずかしく惨めに感じてしまったり、袁傪への気遣いをしてしまっている。)
問5:「だのに、己の中の人間は、その事を、この上なく恐しく感じているのだ。」とあるが、その理由を簡潔に説明せよ。
解答5
完全な虎になってしまうことで人間だった記憶を一切失ってしまうことになるから。
(この直後に、人間だった記憶のなくなることを恐ろしく思っていると書かれている。)
第4段落でテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴が袁慘に自分の作った詩を書き取らせた理由は何か。
解答1
財産を失い発狂するほど執着していたものが一切形に残らないようでは、死んでも死にきれないと思っているから。
(本文中「産を破り心を狂わせてまで自分が生涯それに執着したところのものを、一部なりとも後代に伝えないでは、死んでも死に切れないのだ。」に書かれています。)
問2:袁慘は李徴の詩を聞いてどう思ったか。
解答2
詩の才能は感じられるが、一流の作品には及ばない。
(本文中の「長短凡およそ三十篇、格調高雅、意趣卓逸、・・・第一流の作品となるのには、何処か(非常に微妙な点に於いて)欠けるところがあるのではないか」に書かれています。)
第5段落でテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴が虎になった理由は何か。
解答1
尊大な羞恥心と臆病な自尊心を持っていたため
(詩を朗読し終えた李徴は、自分自身が今まで人との交わりを避けて詩才を磨こうともしなかったことなどを吐露している中で、誰もが心に飼っている性惰の話をしています。)
問2:「己は、向うの山の頂の巖に上り、空谷に向って吼える。」とあるが、李徴が山に登って吼える理由は何か。
解答2
たとえ優れた詩を作ったとしても人の姿に戻れるわけでもなく、発表することもできない悲しみを誰かに分かってもらいたいから。
(前後の部分に李徴の心情が書かれています。)
問3:「共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。」とあるが、「自尊心」という言葉を用いて、それが当時の李徴にどのような行動として現れたかを100字以内で説明せよ。
解答3
自分の詩が不完全であることを自覚し、才能のなさがバレること恐れ、同時に勉強の才能はあり高い自尊心が育まれていったため、非才な人々と同じように扱われることが許せず、交流を持たず、詩人になるための努力を怠ったこと。
(自尊心という言葉を用いてと指定されていますが、臆病な自尊心と尊大な羞恥心の「両方を言い換えた行動」が表現されている箇所に注目します。)
問4:「己の珠に非ざること」とはどういうことか具体的に答えよ。
解答4
自分に詩人としての才能が無いこと。
問5:「人間は誰でも猛獣使であり〜」とはどういうことか説明せよ。
解答5
人間は自分自身の性情をうまくコントロールしながら生きなければならないということ。
問6:「この胸を灼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。」とはどのような悲しみか60字以内で説明せよ。
解答6
詩歌になるための十分な努力をしなかった自分を悔いても、優れた詩を思いついてもどうしようもないという悲しみ。
問7:李徴が袁傪に書き留めさせた詩は「欠けるところがある」ものだったが、今の思いを即席の詩にすると人々は薄幸を嘆じた。李徴が人間であった時の詩と、虎になってからの詩の違いを袁傪が指摘した「欠けているところ」を明らかにしつつ説明せよ。
解答7
人間だった頃の李徴の詩は詩才を見せびらかし、認められたいという願望に溢れ、技術は優れていたが、詩で何かを訴えようという気持ちが欠けていた。
虎になった李徴の詩は悲しみをわかってほしいと言う気持ちが込められた感動させる作品という違い。
第6段落でテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴は袁慘に何を頼んだか説明せよ。
解答1
妻子に自分が死んだと伝え、自分の代わりに残された妻子の面倒を見ること
問2:「又先刻の自嘲的な調子に戻って」とあるが、李徴が再び自嘲的になった理由は何か。
解答2
後悔をしていたものの、本当は第一に考えるべきだった妻子のことよりも、自分の詩のことを先に頼んでしまったから。
問3:最後に李徴が袁慘に虎になった姿を見せた理由は何か。
解答3
袁傪が再び李徴に会いに来ようという気を起こさせないため。
(勇に誇ろうとしてではない。我が醜悪な姿を示して、以って、再び此処を過ぎて自分に会おうとの気持を君に起させない為であると。)
問4:「虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。」という一文は作品にどのような効果を与えているか説明せよ。
解答4
袁傪への別れや人間としての李徴との決別を表しており、完全な虎になってしまう運命を李徴が受け入れたことを表している。
作品全体を通してテストに出そうな・出やすい問題
問1:李徴が虎になった理由を書け。
問2:「山月記」というタイトルや李徴が虎になるという話を通して、作者は何を描こうとしているか。
まとめ
・山月記のテストに出そうな漢字・語句まとめ
山月記のテストに出そうな・出やすい漢字や語句のまとめています。
・山月記のテストに出そうな・出やすい問題まとめ
山月記のテストに出そうな・出やすい問題のまとめを6つの段落に分けて紹介しています。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。
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