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恩赦のメリットや再犯率は?平成の内容・事例や復権対象についても

2019年10月22日に新天皇の即位のイベントに合わせて、55万人規模の恩赦が行われることになりました。

今回は、恩赦のメリットや今までに恩赦を受けた人たちの釈放後の再犯率について。

また、平成の間に恩赦を受けた人たちの内容や事例について紹介するとともに、復権の対象となる事柄についても紹介します。

恩赦のメリットや再犯率は?

恩赦のメリットはなんでしょうか?

恩赦で釈放された人たちの再犯率はどれくらいなのでしょうか?

恩赦のメリットは?:国民へのメリットはほぼ0

恩赦には刑務所に収監されている受刑者が恩赦を願い出る場合と、2019年10月22日に行われるもののように、政府が包括的に恩赦を与えるものの大きく2種類があります。

受刑者にとっては恩赦が存在することは、服役期間が短くなったり刑の執行が免除されるという大きなメリットがあります。

私たち国民にとっては特にメリットはないと言えます。

 

強いて言えば、犯罪者が恩赦を受けるに当たって模範的な態度や反省と更生の可能性があると見受けられていることがひとつの要素です。

また、天皇の慶弔に伴うイベントに合わせて恩赦が行われることで、国家に対する感謝を感じて、「今度こそは罪を犯さずに真っ当に生きよう」と思う意識が作られると考えられています。

 

ただし、昨今では私たちがイメージするような殺人犯などの釈放が恩赦によって行われた例はなく、大抵は軽微な犯罪や公民権の回復といったものばかりです。

もともと故意に犯罪を犯そうとした人間などが恩赦によって刑の執行を免除されたり釈放されるわけではなく、再犯の可能性の低い犯罪者が対象です。

恩赦のメリットとして「再犯率が低くなる」とは言えないでしょう。

 

犯罪者・受刑者にとっては恩赦が大きなメリットを持ちます。

時代の変化や違憲判決に対応する

尊属殺人のように判決が言い渡された当時は有効であった罪状も、違憲だと確定したことで恩赦によって救済された例もあります。

冤罪や重病者への温情

冤罪が疑われる者や重病の者などが、天皇の慶弔を機会に釈放・減刑される可能性があります。

 

特に尊属殺人のように法律として決められた罪状が憲法に違反していたり、時代にそぐわないことが起こったときにも恩赦があることで対応することができるという点から、恩赦そのものの廃止はすべきではないと言えます。

恩赦で釈放された犯罪者の再犯率は?:今は極めて低い約0%

恩赦によって釈放された犯罪者を具体的に追っていくことは非常に難しいところがあります。

また、近年では恩赦を理由に釈放された例、特に死刑囚が恩赦によって減刑・釈放された例はありません。

過去に恩赦によって死刑囚が減刑された例は次の通りです。

事件名 恩赦日 内容
樺太・西柵丹強盗殺人事件 1949年12月24日 公判記録がなくなり死刑執行が不可能となり恩赦で無期懲役に減刑
名古屋愚連隊殺人事件 1949年3月23日 少年法改正により死刑執行が不能となり、恩赦減刑で無期懲役に
志和堀村両親殺害事件 1952年4月28日 尊属殺人でサンフランシスコ講和条約批准恩赦で他の死刑囚とともに無期懲役に減刑
菅野村強盗殺人・放火事件 1969年9月10日 重度の精神障害などにより恩赦減刑
小田原一家5人殺害事件 1952年4月28日 サンフランシスコ講和条約批准恩赦で他の死刑囚とともに無期懲役に減刑
福岡事件 1975年6月17日 改悛の情が明らかとして、個別恩赦で無期懲役に減刑

いずれも恩赦で無期懲役となりその後、釈放されたり医療刑務所に入った者などいますが、病死であったり特に再犯することはなく障害を終えています。

ただし、小田原一家5人殺害事件の犯人は、1970年に仮釈放された後に1984年に被害者2名に対する殺人未遂事件を起こしています。

これをきっかけとして1952年以降は死刑囚に対する政令恩赦は行われなくなりました。

 

政令恩赦では前例や国民感情が影響を与える傾向にあり、その後の大きな天皇の慶弔として昭和天皇御大喪の際には死刑囚だけでなく懲役刑の受刑者たちも対象外でした。

以降はますます恩赦の対象は制限されていき、軽犯罪法違反や道路交通法違反などの被害者のいない軽微な犯罪や公民権の復権が主になって行っています。

そのため、恩赦によって釈放された犯罪者による再犯というものが最近ではありえないことになっているため、再犯率としては強いて言うならば0%です。

恩赦の平成の内容・事例や復権対象は?

平成の間に行われた恩赦の内容や事例はどんなものがあるのでしょうか。

また、復権とは具体的にどのような事柄を対象としているのか見ていきましょう。

平成の恩赦の内容や対象は誰?:徐々に厳しく少なく

平成の間に行われた恩赦の内容や対象となったのはどのような人たちなのでしょうか?

国立国会図書館の「恩赦制度の概要」を参考に見ていきましょう。

昭和天皇御大喪恩赦

平成元年2月の昭和天皇御大喪に合わせて実施されました。

種別 人数 内容
大赦令 約28,600人 ・第2次世界大戦中又はその終了直後に制定されたいわゆる経済統制関係法令に違反する罪
・外国人登録法に違反する罪の一部
・拘留又は科料のみを法定刑とする罪
復権令 約1,014万人 ・罰金刑に処せられた者、禁錮以上の刑に処せられた者の復権
・公職選挙法違反の罪
特別基準恩赦 特赦566人
減刑142人
執行免除56人
復権25人
基準不明

およそ1,020万人が恩赦を受けました。

公職選挙法違反をした者も恩赦の対象となっており、直後の参議院議員選挙に出馬することが可能となったことから恩赦が政治利用されていることが指摘されました。

今上天皇御即位恩赦

平成2年11月の即位の礼に当たって実施されました。

種別 人数 内容
復権令 約250万人 ・罰金刑に処せられた者の復権
・公職選挙法違反の罪
特別基準恩赦 特赦267人
減刑77人
執行免除10人
復権44人
犯情、本人の性格、行状、 犯罪後の状況、社会の感情等を基準に選定

およそ250万人が恩赦を受けました。

この時も、直前に行われた衆議院議員選挙での違反者に対する救済が行われたことで、恩赦が政治利用されている点が批判されています。

皇太子殿下(徳仁親王)御結婚恩赦

平成5年6月に皇太子徳仁親王の結婚の儀に合わせて行われました。

種別 人数 内容
特別基準恩赦 特赦90人
減刑246人
執行免除10人
復権931人
基準不明

およそ1,300人が恩赦を受けました。

今までの公職選挙法違反者が大量に救済されてきたことを踏まえて、政令恩赦への批判を恐れた政府が政令恩赦を見送りました。

ただし、公職選挙法違反で公民権が停止されていた者を特別基準恩赦の審査対象としています。

この他にも天皇の慶弔とは異なり、常時受刑者・犯罪者が願い出ることができる恩赦が常時あります。

過去5年間の事例としては以下の通りです。

特赦 減刑 刑の執行免除 復権
平成25年 0人 0人 5人 29人
平成26年 0人 0人 2人 34人
平成27年 0人 0人 6人 34人
平成28年 0人 0人 5人 24人
平成29年 0人 0人 1人 22人

天皇の慶弔に合わせて大規模な恩赦が行われてきたことが分かります。

合計で1,270万人ほどが恩赦の対象となっていますが、かつてのサンフランシスコ講和条約批准恩赦を受けて、殺人や傷害などの被害者がいる事件の受刑者が釈放されたことはありません。

基本的には被害者がいない道路交通法違反などの軽微な犯罪や、公職選挙法違反者の復権が大半を占めています。

 

また、平成5年の皇太子ご結婚の恩赦から公職選挙法違反者に対する復権が、恩赦の政治利用が批判されたこともあり大々的に行われなくなっています。

恩赦は国民感情も大きく影響し、昨今では厳罰化が重視されたり被害者を保護する考えが盛んです。

今後も被害者が存在する殺人・傷害については恩赦の対象とならないことが予想されます。

恩赦の復権対象は?:行政処分は対象外

恩赦には復権というものがあります。

交通違反などの軽微な罪についても恩赦の恩恵を受けることがあるということで、交通違反をして付いた点数が帳消しになるのではないか?と期待する人がいますが、なりません。

あくまでも刑事処分に対して行われるもので、点数のようなものは行政処分なので扱いが異なります。

恩赦における復権では、前科者が資格を喪失・停止したことで社会復帰の障害となっている場合に、資格の回復をさせるというものです。

恩赦・復権の対象となるもの

  • 選挙権・被選挙権といった公民権が回復されることがあります。
  • 犯罪経歴証明書に記載される前科ではなくなることがあります。
  • 市区町村の犯罪人名簿から抹消されることがあります。

恩赦・復権の対象とならないもの

  • 自動車運転免許の停止は行政処分なので、資格回復の対象になりません。
  • 反則行為の点数も消滅しません。

まとめ

・恩赦のメリットは?:国民へのメリットはほぼ0

受刑者にとっては恩赦が存在することは、服役期間が短くなったり刑の執行が免除されるという大きなメリットがあります。

私たち国民にとっては特にメリットはないと言えます。

・恩赦で釈放された犯罪者の再犯率は?:今は極めて低い約0%

近年では恩赦を理由に釈放された例、特に死刑囚が恩赦によって減刑・釈放された例はありません。

・平成の恩赦の内容や対象は誰?:徐々に厳しく少なく

基本的には被害者がいない道路交通法違反などの軽微な犯罪や、公職選挙法違反者の復権が大半を占めています。

・恩赦の復権対象は?:行政処分は対象外

  • 選挙権・被選挙権といった公民権が回復されることがあります。
  • 犯罪経歴証明書に記載される前科ではなくなることがあります。
  • 市区町村の犯罪人名簿から抹消されることがあります。

 

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アラサーのエンタメ好き兄ちゃんデス。 教育関連の仕事に就いています。 エンターテイメントを肌で体感してあなたに新鮮な感動と興奮する情報をお届けします!!! やってみなきゃ分からない!をモットーに何にでも前のめりで挑戦していきます!!