2017年に公開された映画「ミックス。」は現役卓球選手が多数出演したことやその卓球シーンのリアルさにも注目が集まりました。
果たして映画「ミックス。」の新垣結衣や瑛太らの練習や試合の卓球シーンは本当に本人たちがプレイした本物なのか、それともCGなのでしょうか?
卓球シーンは必殺技や球から火が出る予定だった?
映画「ミックス。」の卓球シーンはなんと当初は、必殺技を放ったりする予定だったそうです。
そのほかにもピンポン球から火が出たり、荒唐無稽なキメポーズで試合を魅せる案もありました。
しかし、脚本の古沢良太のロマンティックコメディという大人の恋愛を描いた作品とはあまりにアンバランスであること、新垣結衣や瑛太をはじめとしたキャストが熱心に練習をし続けてリアルな卓球シーンを作れるよう努力を重ねました。
その結果、今作の現役卓球選手たちも納得する卓球シーンの演技が生まれることになりました。
新垣結衣は多忙の中でもできる限り卓球に触れる時間を増やそうと、練習用のラケットを持ち帰って手に馴染むよう握り続けていたそうです。
映画「ミックス。」の練習や試合の卓球シーンは本当にやってる?
さて、肝心の練習や試合の卓球シーンは本当にプレイをしているのか、それともCGによるものなのか?という点に関してです。
新垣結衣や瑛太をはじめ、キャストの熱心な練習はありましたが練習や試合で行き来するボールの多くはCGによるものです。
ただしボール自体はCGによるものではあっても、ミックス(男女混合ダブルス)は男女のペアが交互に打たなければなりません。
そうした試合や練習での男女ペアの入れ替わり打ち続ける動きなどはボールがあるときと同じだけの運動量や腕の振りなどをしており、実際に作品に生かされています。
実際に現役卓球選手たちもリアルな動きや打ち方がよく研究されており、自身の試合を思い出すなど高く評価しているところです。
ただし回想シーンの都合とはいえ、ラリーが続きすぎているところは現実味に欠けるという意見もありました。
映画「ミックス。」で本当にプレイした卓球シーンはどこ?
どのシーンもボールはCGであったりしますが、新垣結衣や瑛太らが実際に体を動かして作ったシーンです。
瑛太はストーリーの途中で右打ちから左打ちに変更することもあり、両手にラケットを持ちラリーを続けたり、撮影の合間にも常に練習を手の空いたキャストとしたりして上達していったそうです。
そうしたキャストたちの成長もあり、サーブやスマッシュを打つシーンでは実際にプレイした映像が使用されているところもあります。
臨場感ある卓球シーンのリアルとCG
卓球を扱った映画といえば「ピンポン(2002年)」があります。
当時は今以上に卓球はマイナースポーツであった中で、奇しくも「ミックス。」と同じ興行収入14億円を記録しています。
そして「ピンポン」で撮影監督をつとめ、日本アカデミー賞で優秀撮影賞を受賞した佐光朗が「ミックス。」の撮影監督もつとめています。
卓球を撮るノウハウを持つ佐光朗を撮影監督として迎えたからこそ、当初はピンポンのような超人的な映像を作ろうという案があったのでしょう。
しかし、佐光朗は今作で今まで担当してきたピンポンやスポーツものの映画とは違うカット数にするなど新しい撮影方法に挑戦しました。
その結果、映画「ミックス。」の練習や試合の卓球シーンのリアルさとCGの見事なミックスを生み出すことに成功し、現役卓球選手たちからも試合シーンなどへの高い評価を得ることができました。
「ピンポン」のころは作品の特徴もありますが、CGがもてはやされていたこともあり、いかにあり得なかった映像を作り出すか?ということに注目されていました。
今はリアルに見せるための技術の一つとしてうまく使われるようになってきているのだなと感じました。
あとはピンポン玉の弾む音なども忠実に再現できるようになっていくといいですね。
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