平手政秀と織田信長の関係｜いい話や生涯・逸話と性格についても

平手政秀は織田信長の人生に深く関わる重要な人物です。

今回は、平手政秀と織田信長の関係について紹介します。

また、平手政秀のいい話・逸話や生涯・半生とともに性格についても見ていきます。

平手政秀と織田信長の関係や性格は？

平手政秀と織田信長の関係性はどのようだったのでしょうか？

二人の関係性や、平手政秀の性格について見ていきましょう。

平手政秀の織田信長との関係は？

今回は織田家の家臣、平手政秀について紹介します。

政秀は織田信長の傅役もりやくという、役目を果たした人物です。

傅役とは教育係や世話係のような役割なので、時代劇などでの政秀は、問題児の信長に振り回される可哀想な爺やとして描かれることが多いですね。

しかし、跡継ぎの教育を担当する重要な役目ですから、家臣の中でもベテランで優秀な人物でなければ務まりません。

そもそも信長の父信秀は、息子の周りには一流の指導者ばかりを集めていましたから、政秀も信秀が認める実力者だったはずです。

 

政秀は信長の成人の儀式のお供をしたり、初陣の準備も担当しています。

更に道三の娘と信長の結婚を取り持ったのも政秀です。

実の父親である信秀からは戦国武将としての在り方を学んだ一方、政秀は信長にとって一番身近で一番親身になって接してくれていた人物であったことから、性格などに与えた影響が大きかったと思います。

 

政秀の死後、信長は政秀寺という寺を立てて弔っています。

幼い頃からずっと信長の成長を見守り続けていた政秀に対し、深い感謝の気持ちがあったのだと思います。

平手政秀はどんな人物か性格

政秀は戦場で手柄を挙げることよりも、財政担当として織田家を支えていました。

信秀はお金の使い方が上手く、領内で蓄えた資金を使って朝廷とのコネを作ったり、周りの勢力に自分の力を宣伝する事に活用していました。

それらに使う資金を上手にやり繰りしていた政秀も、経済の重要性を分かっていたはずです。

信長も、斎藤道三に会う時に最新の鉄砲を買い揃えて驚かせ、先見の明があると認められたりと、お金の力を有効活用していました。

信秀と政秀の2人を見ていたからこそ、こういった発想が出来るようになったのではないでしょうか。

更に政秀は凄腕の外交官でした。

信秀の代理として朝廷と交渉を行うという、重要な役目を任されていました。

また、ここぞという時の和解交渉はいつも政秀が担当しています。

何度も戦をしていた織田家と斎藤家を和解させるため、道三と会って直接交渉したのも政秀です。

ここで財務の話に戻りますが、政秀は那古野城の食料に関する経理も担当していました。

つまり、商人と会って直接仕入れ交渉を行うこともあったのです。

貴族、武士、町民、農民、どんな相手とでも上手く交流が出来る政秀は、非常に優れた交渉役として、織田家に無くてはならない存在だったと思います。

また、これだけ様々な人と交流があった人物であれば、人を見る目は鋭かったはずです。

ですから他の家臣が信長を見限っていく中、政秀だけは見放さず、時にはその行いを注意して我慢強く従っていたのは、信長の才能を見抜いており、何とか他の家臣にも分かって貰いたいという気持ちがあったのではないかと思います。

 

信長は本能寺の変で裏切りにあって死亡しますが、それ以外に何度も裏切りにあっています。

例えば、妹のお市の方と結婚した浅井長政には、浅井家の同盟相手である朝倉家と織田家が戦になった場合は、絶対自分の味方をしてくれると過信した結果裏切られています。

信頼し続けた政秀が自分のためにずっと尽くしてくれた事から、信用していることを示せば相手は裏切らないだろうという甘さが生まれてしまったのかもしれません。

平手政秀のいい話・逸話や生涯・半生は？

平手政秀のいい話や逸話にはどのようなものがあるのか？

また、平手政秀の生涯・半生を見ていきましょう。

平手政秀のいい話・逸話

政秀は教養の高い文化人だった事も伝わっています。

天文17年（1548年）に、何度も争いを続けていた清州織田氏との和解が成立した事を喜び、平安時代の歌人、紀貫之の和歌を添えて手紙を書いたのですが、その見事な文面に交渉相手も驚いたそうです。

その教養の高さから、大切な客人をもてなす場合は政秀が担当していました。

実際に政秀からもてなしを受けた貴族が、その時の事を日記に書き残しています。

政秀は自分の屋敷で朝食をご馳走しました。

その屋敷は手入れが行き届いた立派なもので、政秀の立ち居振る舞いやもてなし方の素晴らしさに驚いたそうです。

 

特に茶の湯の腕前は見事だった絶賛しています。

お茶を入れておくために使われる茶道具に、肩衝かたつきと呼ばれる小さな壺型のものがあるのですが、武士に好まれており、良い品には特別な名前が付けられています。

その中で、政秀が所有していた事で平手肩衝と名前が付けられた名品がある事からも、茶の湯に関するしっかりした知識と技術を持っていた人だったと分かります。

そんな優雅な性格を伺わせる一方で、実は大酒飲みだったとも言われています。

これは信秀の代理として朝廷に寄付金を献上しに行った時、一緒に宴会に参加したお坊さんから受けた評価だそうです。

武士らしい豪快な一面もあったようですね。

 

そして、信長が政秀をとても慕っていたことが分かる逸話があります。

信長が天下統一に向けて順調に勢力を拡大している時期の話です。

時々政秀の事を思い出してはその忠誠心を懐かしんでいたそうで、信長は「今の自分がいるのは政秀のお陰だ」と言っていたそうです。

家臣たちも信長にここまで想われているなら、政秀も少しは報われるのではないだろうかと思っていたようです。

更に、鷹狩りや魚釣りに出かけた時には、取れた得物を天国の政秀に向かって捧げて「これを食べろよ」と言って涙したという話もあります。

信長がずっと感謝の気持ちを持ち続けていたのですから、それだけ政秀が信長に尽くしていた事が分かりますし、人徳もあったのでしょう。

昔を懐かしむように政秀の事を思い出していたということは、信長にとっては家族のような存在だったのではないでしょうか。

平手政秀の生涯・半生

平手政秀の若い頃の記録はほとんど残っていません。

明応元年（1492年）に生まれ、志賀城（名古屋市北区）の城主を務めていた事だけは分かっています。

天文3年（1534年）に信長が生まれると、政秀に関する記録は多くなります。

信秀は那古野城(現在の名古屋城のあたりです)を幼い信長に与えて、自分は古渡城(現在の名古屋市中区)に移り住みます。

政秀の住んでいた志賀城から那古野城の距離が2km～3km、那古野城から信秀がいる古渡城までの距離は4km～5kmほどです。

つまり父親よりも政秀の方が近くに住んでいました。

何かあればすぐに来てくれるという安心感もあり、幼年期から政秀に頼っていたのだと思います。

以降、政秀は教育係としての役目を果たしながら、成人の儀式や初陣など、信長の人生の節目に立ち会います。

その役目と並行して交渉役も務めていたのですから、忙しい日々を送っていたのでしょう。

そんな政秀が取りまとめた一番大きな交渉の結果が、天文16年(1547年)の信長と道三の娘の結婚です。

これにより織田家と斎藤家は同盟関係を結ぶことになります。

またこの結婚こそ、後に信長が美濃の国（現在の岐阜県）を奪うチャンスへと繋がる、非常に重要な出来事でした。

 

それから5年後の天文21年（1552年）、織田家当主、信秀が急死します。

信長が後を継ぎましたが、家臣の中には信長が新しい当主になることに反対する者もいました。

うつけ(大バカ者)には、当主は務まらないという理由です。

 

そして、信秀が亡くなってからおよそ1年後の天文22年（1553年）、織田家内での揉め事が続いている最中に、政秀は切腹して自ら命を絶ちます。

信長の行いを改めさせるためとも、織田家内の争いを止めるためとも言われています。

享年62歳でした。

政秀は、信秀と信長の2代に渡り縁の下の力持ちとして仕えてきました。

そして人生を掛けて信長を育て上げた、最高の補佐官だったと言えるでしょう。

まとめ

・平手政秀の織田信長との関係は？

政秀は織田信長の傅役もりやくという、役目を果たした人物です。

・平手政秀はどんな人物か性格

政秀は戦場で手柄を挙げることよりも、財政担当として織田家を支えていました。

人を見る目は鋭かったはずです。

・平手政秀のいい話・逸話

政秀は教養の高い文化人だった事も伝わっています。

・平手政秀の生涯・半生

平手政秀の若い頃の記録はほとんど残っていません。

 

※本ページの情報は2020年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。