2019年8月22日に韓国政府が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄することを正式決定しました。
今回は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)とは何かをできる限り簡単にわかりやすく解説していきます。
また、韓国が破棄した原因・理由、どのような影響やメリットがあるのかについても紹介していきましょう。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)とは何か簡単にわかりやすく解説!
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)とは何かを、できる限り簡単にわかりやすく解説していきましょう。
まずは破棄決定のニュースから見ていきましょう。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMNIA)を韓国が破棄決定
2019年8月22日に韓国政府が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長に関して議論をし、協定を終了させることを決定しました。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は2016年に締結されてから、毎年自動延長されてきました。
しかし、ホワイト国除外や徴用工訴訟問題などの日韓関係の冷え込みが影響し、韓国国内で協定破棄を求める声が高まっていました。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、日本と韓国の軍事・防衛に関する秘密情報を共有するというルールです。
協定を終了させる意思を通告しないかぎり自動延長されるシステムで、日本はすでに延長を決めていましたが、更新期限となる8月24日を目前にして韓国が破棄を決定したため協定終了が確実となりました。
GSOMIAの読み方や何の略か?
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日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)という表記をされることがありますが、厳密には誤りがあります。
GSOMIAは「軍事情報包括保護協定」を指す言葉で「ジーソミア」と読ませます。
GSOMIA=「General Security of Military Information Agreement」の略です。
それぞれの言葉の意味は
頭文字 | 単語 | 意味 |
G | General | 包括的・全体的な |
S | Security | 保全・保障 |
O | of | 〜の |
M | Military | 軍事 |
I | Information | 情報 |
A | Agreement | 協定 |
となります。
GSOMIAとは何か簡単にわかりやすく解説
GSOMIAは軍事情報包括保護協定のことです。
NATO(北大西洋条約機構)も同じような軍事同盟にあたります。
例えば、サッカーの試合直前に、チームのフォーメーションや作戦、体調などを相手チームにバラすようなものです。
しかし、お互いの情報を暴露し合うことで両チーム混合のベストメンバーを揃えようとするときには必要なことでもあります。
自分の国がどれくらいの戦力を持っているのかを他の国に公表することはとても危険なことです。
しかし、どこか別の国が戦争を仕掛けてきたときに同盟を結んでいる国同士が、お互いの戦力や作戦などを理解していると、うまく対処することができる確率が上がります。
GSOMIA (軍事情報包括保護協定)は、第3国が戦争を仕掛けてきたときに、同盟関係にあり信頼し合えている国同士が「いざというときに協力できるように」戦力などのすごく重要な秘密をお互いに情報共有しておこう、そして知り得た情報を他の国には漏らしたらダメだよという約束です。
ここからはもう少し詳しく軍事情報包括保護協定や、日韓軍事情報包括保護協定についてみていきましょう。
日本の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はどこの国としている?
軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を日本は7カ国との間で結んでいます。
2007年8月10日 | 日本とアメリカがGSOMIAに署名 |
2010年6月25日 | 日とNATOが日・NATO情報保護協定に署名 |
2011年10月24日 | 日本とフランスが日仏情報保護協定に署名 |
2012年5月17日 | 日本とオーストラリアが日豪情報保護協定に署名 |
2015年12月12日 | 日本とインドが日印秘密軍事情報保護協定に署名 |
2016年11月23日 | 日本と韓国が日韓秘密軍事情報保護協定に署名 |
GSOMIAは1年ごとに自動更新される仕組みで、協定破棄をする際には更新の3ヶ月前の通告が必要という決まりになっています。
韓国は2019年8月24日の期限を目前にした8月22日に延長しないことを決定しました。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)とは何か簡単にわかりやすく解説
日韓秘密軍事情報保護協定は2016年11月23日に締結され、約3年に渡り更新されてきました。
かつては2012年6月29日に締結される予定でしたが、韓国側の都合で1時間前になって急に延期された経緯を持ちます。
日韓軍事情報包括保護協定は韓国側が日本が持っている北朝鮮の情報などを入手できることから、韓国にとってメリットの大きいものでした。
しかし韓国がこの交渉を秘密裏に進めており、情報が韓国国民に漏れた際に反対運動が起こったために2012年の締結が延期となりました。
延期の際に起きた韓国国内の反対運動はアメリカ国内に設置されていた慰安婦像の撤去を求める運動が影響したと韓国政府は主張していました。
2019年8月22日の協定破棄を決めた韓国政府の対応も、同じように軍事に関する協定をホワイト国除外や徴用工訴訟問題などに対する韓国国民の反発と関連づけた結果と言えます。
韓国が日韓軍事上包括保護協定(GSOMIA)破棄の理由は?
韓国が日韓軍事情報包括保護協定を破棄した理由としては、韓国国民の反発です。
韓国が北朝鮮へ軍事転用できる物資を横流ししていたことから端をはっしたホワイト国除外ですが、韓国ではこれを「規制強化」と捉えていました。
この他にも従軍慰安婦や徴用工訴訟など、韓国国内では日本に対する強い反発が高まり、日本製品の不買運動も自主的に行われていました。
韓国政府は今回の日韓軍事情報包括保護協定の破棄決定にあたり、「ホワイト国除外が安全保障上の協力関係において重大な変化を招いた」と主張し、理由としています。
また、北朝鮮の「わが民族同士」というサイトでは日韓軍事情報包括保護協定を批判し、韓国に対して協定を破棄するように求めていました。
これがどこまで影響しているのかは定かではありませんが、韓国国内に北朝鮮と一つの国に戻りたいと思っている人たちが多くいることも事実です。
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日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の影響やメリットは?
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を韓国が破棄したことで、どのような影響が考えられるでしょうか?
また、日本と韓国にどのようなメリットがあるのでしょうか?
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の影響は?
日韓軍事情報包括保護協定破棄によって、すでに悪化している日韓関係がより一層悪化していくことが予想されます。
韓国の国防省は北朝鮮のミサイル発射に関して日本側と情報交換を行ったと述べています。
今後、日韓軍事情報包括保護協定が破棄された影響として、韓国の国防省から北朝鮮のミサイル発射などの情報共有が行われなくなる可能性があると言われています。
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄のメリット・デメリットは?
日韓軍事情報包括保護協定が破棄されることのメリットとデメリットを見ていきましょう。
韓国にとってのメリット・デメリット
もともと、日韓軍事情報包括保護協定でメリット・恩恵を受けていたのは韓国です。
韓国は隣国でありながら、北朝鮮から発射されるミサイルを監視する衛星を持っていません。
それに対して日本は情報収集衛星、地上レーダー、イージス艦、早期警報機など北朝鮮に関する情報を韓国よりも持っている状態にありました。
つまり日本が今後、「北朝鮮のミサイル発射の情報を韓国から得られなくなる」というのは実のところ正確ではないと言えます。
むしろ韓国にとっては、北朝鮮のミサイル発射などの情報を正確に掴むための情報源をみすみす逃してしまうだけになります。
韓国政府にとってのいちばんのメリットはそのような理性的なものではなく、韓国国内の日本に対して報復したいという怒りを同調することにあると言えます。
韓国国民だけでなく、「韓国政府も国として日本に対して報復措置をしてくれている」という構図を作ることで韓国政府への信頼を向上させる意味合いがあります。
日本にとってのメリット・デメリット
日韓軍事情報包括保護協定の範囲内なのか定かではありませんが、定期的に北朝鮮からのいわゆる脱北者などが韓国に来ます。
そうした人たちから北朝鮮国内の情報や、今なお帰らない拉致被害者の情報が得られる可能性があります。
もう一つ、大きな日本側にとってのメリットとしては共産主義国家との対立構図です。
北朝鮮や中国は日本に対しても積極的に尖閣諸島の侵略行為などを繰り返し行っています。
大々的な戦争が起こるかは分かりませんが、構図として日本・韓国・アメリカのパイプがつながっていることを北朝鮮や中国に伝える抑止力的な働きが日韓軍事情報包括保護協定にはあると言えます。
まとめ
・日韓軍事情報包括保護協定(GSOMNIA)を韓国が破棄決定
2019年8月22日に韓国政府が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長に関して議論をし、協定を終了させることを決定しました。
・GSOMIAの読み方や何の略か?
GSOMIAは「軍事情報包括保護協定」を指す言葉で「ジーソミア」と読ませます。
GSOMIA=「General Security of Military Information Agreement」の略です。
・GSOMIAとは何か簡単にわかりやすく解説
GSOMIA (軍事情報包括保護協定)は、第3国が戦争を仕掛けてきたときに、同盟関係にあり信頼し合えている国同士が「いざというときに協力できるように」戦力などのすごく重要な秘密をお互いに情報共有しておこう、そして知り得た情報を他の国には漏らしたらダメだよという約束です。
・日本の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はどこの国としている?
軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を日本は7カ国との間で結んでいます。
・日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)とは何か簡単にわかりやすく解説
日韓軍事情報包括保護協定は韓国側が日本が持っている北朝鮮の情報などを入手できることから、韓国にとってメリットの大きいものでした。
・韓国が日韓軍事上包括保護協定(GSOMIA)破棄の理由は?
韓国が日韓軍事情報包括保護協定を破棄した理由としては、韓国国民の反発です。
また、北朝鮮の「わが民族同士」というサイトでは日韓軍事情報包括保護協定を批判し、韓国に対して協定を破棄するように求めていました。
・日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の影響は?
日韓軍事情報包括保護協定破棄によって、すでに悪化している日韓関係がより一層悪化していくことが予想されます。
・日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄のメリット・デメリットは?
韓国にとっては、北朝鮮のミサイル発射などの情報を正確に掴むための情報源をみすみす逃してしまうだけになります。
大きな日本側にとってのメリットとしては共産主義国家との対立構図です。
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