ヤフーがLINEと経営統合に向けて協議を進めているというニュースが報じられました。
今回は、ヤフーとLINEの経営統合でPayPayやLINE Payはどうなるのかを解説します。
また、経営状況と買収の目的・理由についても紹介します。
ヤフーとLINEの経営統合でPayPay・LINE Payはどうなるか解説
2019年11月13日にソフトバンクグループがヤフージャパンを運営するグループ会社を通じて、経営統合か買収についてLINEと合意に向けて話し合いを進めている旨が報じられました。
あくまで「協議が行われている」というだけですが、LINEの経営状況を鑑みると前向きに検討されていると言えます、
ヤフーとLINEの経営統合:ソフトバンクのネットシェア拡大
ヤフーを運営するグループ会社「Zホールディングス」がLINEと提携することを目指しており、東京証券取引所におけるLINEの市場価値は約1.1兆円と言われています。
ソフトバンクは携帯キャリアだけでなく、検索エンジンヤフー、QRコード決済サービスPayPayも手掛けており、インターネットやスマホ関連のサービスを強化する考えです。
購入履歴や検索結果・履歴などはソフトバンクやヤフーの広告収入にとって重要なデータであり、LINEが有する8,000万人以上のユーザーが狙いの一つだと言えます。
PayPay・LINE Payはどうなるか?:QRコード決済の一強確実
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ソフトバンク・ヤフーはQRコード決済サービス「PayPay」を扱っており、LINEは「LINE Pay」を扱っています。
日本のQRコード決済サービスのシェアは
- PayPay
- 楽天ペイ
- LINE Pay
が上位を争う構図でしたが、今回の経営統合・買収が実現すれば実質的にPayPay一強が確実になると言えます。
日本国内のインターネットサービスにおいても
ソフトバンク・ヤフーと対立構造を有している楽天は
ソフトバンク(ヤフー) | 楽天 | |
携帯キャリア | ソフトバンク | 楽天モバイル |
検索エンジン | ヤフー | × |
QRコード決済 | PayPay | 楽天ペイ |
クレジットカード | ヤフーカード | 楽天カード |
証券 | SBI証券 | 楽天証券 |
ネットショッピング | ヤフオクなど | 楽天市場 |
このようにほぼ拮抗する構図を持っていました。
LINEもここに加わり三つ巴の構図かと思われていましたが、ソフトバンク・ヤフーとLINEが経営統合・買収されれば劇的に構図が変わってしまう可能性があります。
QRコード決済サービスは日本国内だけでも30種類近く存在し、徐々に提携が行われて整備されつつありました。
ソフトバンク・ヤフー | LINE |
PayPay Origami Pay Alipay KakaoPay |
LINE Pay d払い メルペイ auペイ 楽天ペイ WeChatPay NaverPay |
今回のソフトバンク・ヤフーとLINEの経営統合・買収が成立すればほぼQRコード決済サービスは銀行系が残されていますが、競争に終止符が打たれることが確実です。
その名前当てに関してはツイッター上では
LINEとヤフーが経営統合したらLINE Pay PayPayとか出来そう pic.twitter.com/63w288JI52
— 染宮ねいろ / 葉山りな (@nirsmmy) November 13, 2019
といったネタツイートがなされています。
まだ正式に経営統合・買収が確定した訳ではないため、実際に私たちの利用するサービスやポイント還元率への影響は不明ですが、分かり次第随時更新していきます。
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ヤフーが買収するLINEの経営状況と目的・理由
ヤフーが買収するLINEの経営状況はどのようになっているのでしょうか?
また、ヤフーはなぜLINEを買収することのか?目的・理由は何でしょうか?
ヤフーが買収するLINEの経営状況は?:339億円の赤字
起業LOGによると、LINEは2019年12月期第3四半期(2019年4月〜11月)の業績について、339億円の赤字を報告しています。
広告収入は増加傾向にあり、前年同期の42.1%増になっているものの先行投資やゲームの宣伝費用がかさんだために赤字が膨らんでいます。
LINE Payの還元キャンペーンなどの費用を大幅に抑えた結果、国内の月間利用者数は490万人→286万人へと約40%も減少しました。
ばらまきをやめて、認知してもらう時期から定着期へと移行したと説明していますが、今考えるとすでにソフトバンク・ヤフーとの経営統合・買収を視野に入れて不要な支出を削っていたとも見えます。
LINEの事業内容の主なものとしては
- 広告収入
- LINE、LINEスタンプ、LINE GAMEなど
- LINE Pay
- LINE証券などの金融サービス
- LINEショッピング、LINEトラベル
- AIアシスタント・Clova
が挙げられます。
ヤフーがLINEを買収する目的・理由
ソフトバンク・ヤフーが買収した企業として最近話題となったものがZOZOです。
ヤフーが約4,000億円で買収し、前澤社長が退任したことも大きく取り上げられました。
この時のソフトバンク・ヤフーが買収した目的・理由と、今回のLINEの経営統合・買収は通じるところがあります。
端的に言ってしまえば、インターネット産業を牛耳ることです。
ヤフーは広告収入も大きな収入源としていますが、ネットショッピングの強化を目論んでいます。
ファッション系のネットショッピングは2018年で1兆7千億円以上の市場規模であり、ZOZOを取り込むメリットがありました。
また、ユーザー層の拡充にも効果を発揮しており
- ヤフーのメインユーザーは30〜40代
- ZOZOのメインユーザーは20〜30代の女性
今回、LINEを新たに取り込むことができればさらに若年層のユーザーも取り込むことができます。
また、LINEはAIアシスタント・Clovaという人工知能分野にも投資しているため、ソフトバンク・ヤフーにとっては多くのメリットがあると言えます。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。