台風が上陸し、停電や浸水など被害を出すことが多くなってきました。
今回は、台風時の窓ガラステープの貼り方や備えとしてどのようなことができるのか?
飛散防止フィルムやダンボールは外側か内側のどちらから貼るべきか、割れた窓ガラスの応急処置について紹介します。
台風時の窓ガラス・養生テープやガムテープの貼り方は?
台風時の窓ガラスへの養生テープやガムテープの貼り方はどのようなものがあるでしょうか?
窓ガラスに養生テープやガムテープを貼るときの注意点:強化にはならない
窓ガラスに鉄線が入っているものがあります。
縦だけのものであったり、格子状に鉄線が入ったものなどがあります。
格子状の鉄線は窓ガラスが割れてしまってもガラスが残りやすいですが、縦線だけのものはほとんど意味がありません。
台風時の窓ガラスが割れてしまったときに少しでも飛散が少なくするために、養生テープやガムテープを貼ることで対策ができます。
あくまでも窓ガラスが割れてしまった時に、小さいガラス片が散乱する事態を防ぐために養生テープやガムテープを貼ります。
決して養生テープやガムテープを貼ったからといって窓ガラスが割れにくくなる訳ではありません。
貼り付けるのは養生テープやガムテープでも良いですが、あとで剥がしやすいものを選ぶのであれば養生テープがオススメです。
ガムテープの場合は紙製ではなく、布製のもののほうが強度があります。
養生テープやガムテープを窓ガラスに貼り付けるときのポイントは大きく2つです。
- 養生テープやガムテープを格子状に貼る
- 漢字の「米」の字になるように窓ガラス全体に貼る
それぞれ見ていきましょう。
養生テープやガムテープを格子状に貼る
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イメージとしては、窓ガラスに格子状に鉄線が入っているものの簡易版にする感じです。
ただしあまり枚数が多くなりすぎると作業が煩雑になるため、30cm間隔くらいで横方向、縦方向に養生テープやガムテープを貼っていき、格子状になるようにします。
漢字の「米」の字になるように窓ガラス全体に貼る
もう一つは窓ガラス全体に漢字の「米」の字になるように養生テープやガムテープを上下、左右、斜めに貼り付ける方法です。
格子状と「米」の字のどちらかだけでも効果がありますし、余裕があれば両方ともを1枚の窓ガラスごとに貼っていくことで、より効果を発揮します。
上の画像のような感じに貼ればOKです。
GO TAPELESSキャンペーン:アメリカでの間違った理解
アメリカにはハリケーンが発生し、海岸地帯に住む人々の家を襲います。
1980年代にハリケーン対策マニュアルとして、専門家たちが窓ガラスに「X」字にテープを貼ることを推奨しました。
「How stuff works」によると2011年にはハリケーン・アイリーン対策として窓ガラスにテープを貼ったと回答した人が70%もいたと報告しています。
窓ガラスにテープを貼ることで効果があるのは
小さなガラス片が飛び散る可能性が減る
という点であり、窓ガラスの強度を上げる効果はありません。
また、小さなガラス片で飛び散らないということは、大きな1枚のガラスの板として飛んでくる危険性があるとも言えます。
アメリカでは「窓ガラスにテープを貼れば割れにくくなる」という間違った理解をしている人が多いため、アメリカの住宅保護連邦同盟は「GO TAPELESS」というキャンペーンを行い、テープではなく強化ガラスやシャッターであったり合板を使って対策をするよう推進しています。
アメリカと日本では状況も異なるため、そのまま情報を受け入れるべきではないところもあります。
しかし、窓ガラスに養生テープやガムテープを貼って終わりではなく、大きなガラスの板として割れた時に被害が少なくなるように、カーテンやダンボールなどの他の対策と合わせて行うと良いです。
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台風時の窓ガラスの備え・対策まとめ!
台風時の窓ガラスにテープを貼る以外の備え・対策にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
雨戸を閉める:最も簡単な窓ガラス対策
台風時の窓ガラスを割れないようにする対策として最も重要なことは雨戸を閉めておくことです。
台風は雨だけでなく強風も伴っており、風に飛ばされてさまざまなものが窓ガラスにぶつかることがあります。
雨戸を閉めていればそうした台風時の飛散物を窓ガラスから守ってくれるので、窓ガラスが割れる危険性が低くなります。
ただし全ての窓に雨戸があるとは限りませんし、マンションやお家に雨戸が付いていないということもあります。
そうした場合には次のような対策をしていきましょう。
自転車や物干し竿・植木鉢を室内に入れたり固定する:固定方法についても
窓ガラスが割れる原因は風自体というよりも、激しい風によって飛ばされた石やトタンなどがぶつかることによるものがほとんどです。
屋外にある風で倒れたり飛ばされたりする可能性があるものは室内に入れたり、風で動かないように紐などでくくりつけて固定しましょう。
基本的には室内に入れておくに越したことはありません。
屋外にあるものとしては、例えば
- 自転車
- 植木鉢
- 物干し竿
- 洗濯バサミなどの小物
- エアコンの室外機
- バイク
- すだれ
などでしょうか。
室内に入れたり、エアコンの室外機やバイクのように屋外に置いておくしかないものは紐やワイヤーなどで柱やフェンスに固定しておきましょう。
紐でも良いですが、結束バンドやワイヤーなどちぎれる可能性が低いものの方が良いです。
また、網戸が異常に動きやすかったりガタついている場合は念のために外しておいたほうが良いです。
台風時の窓ガラスは開けとく・開けない?:開ける危険性
台風が暴風域を伴っている場合は特に激しい雨だけでなく、風に気をつける必要があります。
そこで窓を閉めているから割れる可能性があり、窓を開けとくことで風が通り抜けてしまうので、窓ガラスが割れる心配をしなくてよいのではないか?と思うことがあるかもしれません。
窓ガラスを開けとくのは大変危険です、必ず窓は閉めておいてください。
かつては窓ガラスを開けておくことで、室内と屋外の気圧差がなくなることで割れにくくなると言われていました。
しかし、これは誤りだということが証明されました。
そして窓ガラスを開けておくことで
- 飛散物も室内に入ってくる
- 屋根が飛ぶ危険性がある
といったデメリットがあります。
飛散物も室内に入ってくる
窓を開けておくことで入ってくるのは風だけではありません。
激しい風が吹いているのなら、雨も室内に吹き込む可能性があります。
また、風が強いと石やガラス片、トタンなどさまざまなものが宙を舞います。
そうした飛散物も室内に入ってくることになるため大変危険です。
屋根が飛ぶ可能性がある
窓ガラスが空いていることで室内に侵入した風は、そのまま通り抜ける訳ではありません。
さまざまな方向に風は吹き抜けていき、天井に向けても風が進んでいきます。
室内から屋根に向けて上向きの力が働き、屋根に揚力が発生して飛行機の翼のように浮き上がろうとします。
アメリカのハリケーンの場合は窓ガラスを開けていたことで屋根が持ち上がり、外壁が倒れて建物が崩壊してしまう例が数多く報告されています。
台風時の窓ガラスの鍵を閉める:風で窓が開くのを防ぐ
窓を閉めておくだけでなく、鍵までしっかりと閉めておきましょう。
万が一にも風によって窓が開いてしまう可能性があります。
窓を閉めて終わらずに、鍵までちゃんと閉めているかを確認してください。
鍵がガタついて動きやすい場合はロックもかけておきましょう。
台風時は窓のカーテンを閉める:簡単な飛散防止
雨戸の代わりにできる対策として、最も簡単な方法は窓のカーテンを閉めておくことです。
どれだけ対策をしていても、飛散物が窓にぶつかって割れてしまうときがあります。
そのときに少しでもガラスが飛び散ってあなたが怪我をしてしまうことを防止するために、窓のカーテンを閉めておきましょう。
飛散物やガラス片からあなたを守ってくれます。
台風時の窓ガラスフィルムのオススメは?:防犯対策にも
台風時の窓ガラスが割れた時の飛散を防止するためには養生テープやガムテープも使えますが、時間的に余裕があるのであれば「飛散防止フィルム」を購入して、窓ガラスに貼り付けておくほうが良いです。
養生テープやガムテープでも飛散防止になりますが、全面的なカバーは難しく見栄えも悪くなるので貼りっぱなしにはできません。
飛散防止フィルムであれば、窓ガラス全体をカバーすることができ、透明なので常時貼ったままにしておくこともできます。
また本来の用途が防犯用でもあるため、空き巣などの被害に遭いにくくすることもできます。
ただし、すべての窓ガラスに飛散防止フィルムを貼り付けるのは難しいと思います。
大きな窓には飛散防止フィルムを貼り、トイレなどの小さい窓にはその都度、養生テープやガムテープを貼るという形など、ご家庭に合わせて対策をしてください。
窓ガラスに合板を外側から貼り付ける:窓ガラスが割れるのを防ぐ
養生テープやガムテープであったり、飛散防止フィルムはあくまで窓ガラスが割れてしまった時に、家の中にガラスが飛び散らないようにするためのものです。
そもそも窓ガラスが割れないようにする方法として、雨戸がない場合には合板などの板を窓ガラスに外側から打ち付けておくことで対策をすることができます。
合板は完全に光を遮断してしまうことになることには注意が必要です。
また、窓ガラスを正しく守るためには採寸・切断を適切に行う必要があります。
合板の厚さは1.5cm程度あるものを選択してください。
合板は雨戸がない場合に窓ガラスが割れないための対策として最も有効ですが、ネジなどで固定する必要があるため賃貸であったり窓枠などが木製でない場合は現実的ではないかもしれません。
台風時の窓ガラスをダンボールを外側・内側から貼る:貼り方についても
合板よりも手軽に窓ガラスが割れることを防止する方法として、ダンボールが使えます。
窓ガラスにダンボールを貼る際に、外側と内側に貼り付けることでそれぞれ異なる効果があります。
外側 | 窓ガラスが割れるのを防ぐ |
内側 | 割れた窓ガラスの飛散を防ぐ |
ダンボールの外側からの貼り方
家の外側からダンボールを貼り付けることで、飛散物が窓ガラスに当たって割れてしまう可能性を下げることができます。
ダンボールを外側から貼り付ける場合、窓枠などに養生テープやガムテープを折り曲げておく必要があります。
雨風に直接触れることになるため、外壁に養生テープやガムテープの端を貼り付けただけでは剥がれやすいので、窓枠よりもダンボールを小さめに切ってテープの端を窓ガラスに巻きつけて室内側に折り返しておくのも一つの方法です。
ただし、ダンボールは紙製であるため雨には非常に弱いです。
ダンボールの内側からの貼り方
ダンボールを窓ガラスに内側から貼り付ける場合は、養生テープやガムテープで窓ガラスを補強したときと基本的には同じようにします。
あくまで目的は窓ガラスが割れた時の飛散を防止するためなので、ダンボールを窓ガラスの大きさに切り、窓枠に養生テープやガムテープで固定するようにします。
できるだけ剥がれにくいように窓枠部分をしっかり貼り付けたほうがよいですが、ガムテープのように跡が残りやすいものは剥がす時のことを考えて下の画像のように簡素に貼り付けるのもありです。
補強の際には養生テープや布製テープがオススメです。
また、外側から窓ガラスにダンボールを貼り付ける場合はテープも雨にできるだけ強いものを使用したほうが良いので、雨を弾くものを選んでおくと良いです。
台風で窓ガラスが割れた時の応急処置・対処法は?
台風の強風は窓ガラスを割ることがあり、飛散物が窓に向けて飛んでくることもあります。
台風が通過している時には窓ガラスが割れた状態だと、室内に飛散物が直接飛び込んでくる危険性もあるため、できるだけ早く修理・交換をしたいところです。
台風通過中は窓に近づかない:ガラス片で死ぬ危険も
窓ガラスが割れてしまうと、激しい雨風が室内に吹き込み続けて家の中がめちゃくちゃになります。
できる限り早く掃除をして塞ぎたいと思うかもしれませんが、台風がまだ通過している間であったり風が強い間に窓に近づくと大変危険です。
掃除をする時に手や足を怪我するだけでなく、窓枠に残っているガラスが突風で飛んでくる可能性があります。
場合によっては大きなガラス片が刺さって死んでしまう危険性もあります。
ガラス屋さんに電話をしたとしても、台風が通過している最中などは遅れが出やすいです。
割れたガラス片の掃除は後回し:先に穴を塞いだ上で
台風が通過している最中で、業者もしばらくは窓ガラスの交換に来てくれない時について。
室内も屋外も割れて飛び散っているガラス片を先に掃除してしまいたいでしょうが、ガラス片の掃除は後回しです。
掃除をしている最中に割れた窓から突風が吹き込む可能性があり、慌てて掃除をしていると手や足を汚しやすいため危険です。
先に穴が塞がった上で掃除をしましょう。
しかしこれも状況によります。
明らかに激しい風が吹き込み続けている場合は、割れた窓を塞ぐことも諦めてしまうことも大切です。
短時間で割れた窓の穴を塞げない場合は、あなた自身の身が危険にさらされ続けます。
部屋がめちゃくちゃになったとしても、別の部屋に避難してあなた自身の命を優先する方が良いことがあります。
作業は手袋・靴やサンダルを履いて行う:2次被害に注意
割れた窓を塞ぐ作業を行うことに決めた時に注意すべきことは服装です。
窓ガラスが割れないように、飛び散らないように対策をしていたとしても必ず細かなガラス片があたりに飛び散っています。
- 長袖
- 長ズボン
- 靴・サンダル
- 手袋・軍手
こういった服装で作業を行います。
いずれも生地は厚いほうが、もしガラス片を踏んだり触ってしまった時にも怪我をする可能性が低くなります。
薄手の場合は二重で履いたりしましょう。
合板・ダンボールで窓枠を覆う:なければ家具やソファ
もし合板やダンボールが家にある場合は、割れた箇所を覆うことを考えず、窓枠に貼り付けるように意識すると良いです。
台風が通過している最中の場合は特に「短時間で作業すること」が重要です。
近くにタンスなどの大きな家具やソファ、テーブルなどがある場合はそれらで割れた窓を塞ぎましょう。
新聞紙を重ねたりブルーシートでも塞ぐこと自体はできますが、厚みがないものは風で飛ばされるだけです。
新聞紙やブルーシート、ビニールなどで窓を塞いだ上で、大きな家具などで固定しましょう。
近くに家具などがなかったり、背の高いガラス窓が割れた時はブルーシートを貼り、風が通り抜けられる穴を薄く何箇所か開けておくことで多少なりの対策にはなります。
ガラスのひび割れも合板・ダンボールで塞ぐ:ガラス片に注意
ガラスが割れてしまわず、ひび割れで済んだ場合も基本的には同じ対応をしましょう。
再び強い風が吹き付けたり飛散物があたれば割れてしまう危険があります。
ひび割れだけであっても、見えない・気づかないだけでガラス片が落ちていたりすることがあります。
「養生テープやガムテープで補強」はできないので、割れてしまったときと同じで合板やダンボールで窓枠ごと固定しましょう。
台風で窓ガラスが割れた時の修理や掃除は?:怪我や故障に注意
台風が通過している最中では業者がすぐに駆けつけてくれることは難しいです。
しかし、応急処置を自分でしたとしてもそのまま放っておくことは防犯面でも危険なので、速やかにお住まいの地域のガラス屋さんに連絡をしましょう。
賃貸マンションなどの場合は大家さんや管理会社に連絡をしましょう。
窓枠に残ったガラス片などは触らないようにした方が怪我をする危険性が減ります。
掃除の際には足元だけでなく壁や天井にも注意しましょう。
ガラス片は家具の隙間であったり、思わぬところまで侵入していることがあります。
新聞紙にくるんで捨てる
ゴミ袋に入れる際には回収業者の人が怪我をしないように、またゴミ袋が裂けないように新聞紙などの裂けにくいもので包んで入れましょう。
大きなガラス片はある程度細かく砕いておくと良いです。
掃除機は使わない:ちりとりやぼろ布・粘着ローラー
大きなガラス片を集め終えたら、細かい見えないガラス片をちりとりなどで集めましょう。
ぼろ布であったり、粘着ローラーを使うと取り残しが減ります。
掃除機は便利ですが、ガラス片がホースなど掃除機内部を傷つける可能性があり、故障の原因になります。
掃除機のノズルにストッキングなどをフィルター代わりにつける方法もありますが、あまりオススメできません。
まとめ
・台風時の窓ガラス・養生テープやガムテープの貼り方は?
- 窓ガラスに養生テープやガムテープを貼るときの注意点:強化にはならない
- 養生テープやガムテープを格子状に貼る
- 漢字の「米」の字になるように窓ガラス全体に貼る
- GO TAPELESSキャンペーン:アメリカでの間違った理解
・台風時の窓ガラスの備え・対策まとめ!
- 雨戸を閉める:最も簡単な窓ガラス対策
- 自転車や物干し竿・植木鉢を室内に入れたり固定する:固定方法についても
- 台風時の窓ガラスは開けとく・開けない?:開ける危険性
- 台風時の窓ガラスの鍵を閉める:風で窓が開くのを防ぐ
- 台風時は窓のカーテンを閉める:簡単な飛散防止
- 台風時の窓ガラスフィルムのオススメは?:防犯対策にも
- 窓ガラスに合板を外側から貼り付ける:窓ガラスが割れるのを防ぐ
- 台風時の窓ガラスをダンボールを外側・内側から貼る:貼り方についても
・台風で窓ガラスが割れた時の応急処置・対処法は?
- 台風通過中は窓に近づかない:ガラス片で死ぬ危険も
- 割れたガラス片の掃除は後回し:先に穴を塞いだ上で
- 作業は手袋・靴やサンダルを履いて行う:2次被害に注意
- 合板・ダンボールで窓枠を覆う:なければ家具やソファ
- ガラスのひび割れも合板・ダンボールで塞ぐ:ガラス片に注意
・台風で窓ガラスが割れた時の修理や掃除は?
- 新聞紙にくるんで捨てる
- 掃除機は使わない:ちりとりやぼろ布・粘着ローラー
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