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映画「鉄コン筋クリート」タイトルの意味や理由を考察|伝えたいことやメッセージについても

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映画「鉄コン筋クリート」は2006年に公開されたアニメ映画です。

「ピンポン」などで知られる松本大洋が原作を務めており、「ムタフカズ」や2019年6月に公開される「海獣の子供」の制作をしたSTUDIO 4℃が手がけた作品です。

独特な作画と世界観で多くのファンがいる中、かなり人を選ぶ作品でもあります。

今回は映画「鉄コン筋クリート」のタイトルの意味や理由について考察するとともに、伝えたいことや作品に込められたメッセージについてご紹介します。

映画「鉄コン筋クリート」タイトルの意味や理由を考察

映画「鉄コン筋クリート」は作画やアニメーションが精巧で、独特な世界観にファンが多い作品でもあります。

そんな鉄コン筋クリートのタイトルの意味や理由について考察していきましょう。

鉄筋コンクリートが言えなくて出た言葉

原作者である松本大洋によると、小さい頃に「鉄筋コンクリート」と言おうとしてうまく発音することができずに「鉄コン筋クリート」となってしまったことから、この言葉が生まれたそうです。

映画「鉄コン筋クリート」の主人公も小さい男の子2人であり、シロは特に幼児のような雰囲気をもっていることから、主人公たちや作品の世界観を表す言葉として「鉄コン筋クリート」をタイトルにしました。

小さい子供がうまく言えない言葉と言えば、「とうもろこし」を「とうもころし」と言ったり、「スプーン」を「プスーン」などもあるように、語感だけで幼い可愛らしい世界観を演出できる言葉があります。

1960年代にあったギャグ

奇しくも松本大洋が生まれた1960年代にはギャートルズなどで有名なマンガ家の園山俊二が、自身のマンガの中で「鉄コン筋クリート」という言葉を使っているといいます。

映画「鉄コン筋クリート」の原作者・松本大洋が園山俊二の作品を読んでいた可能性もありえますが、幼児に起こりやすい言い間違いの言葉なので、松本大洋が参考にしたと言っていない以上は無関係でしょう。

シロとクロの互いに欠けたネジを表している

通常は「鉄筋コンクリート」であり、「鉄筋」と「コンクリート」が合わさって出来上がる建築構造物を指します。

ちょうどシロとクロが2人で1つとして活動している様子が表された言葉と言えます。

しかしそれを「鉄コン」と「筋クリート」という風に、それぞれの言葉を入れ替えてアンバランスにしている言葉が「鉄コン筋クリート」です。

シロとクロはお互いに神様がネジをつけ損ねて欠けている部分があり、そのお互いに欠けているところを補い合っているということをうまく表しています。

宝町の街並みを表している

「鉄コン筋クリート」はその言葉だけで、「鉄筋コンクリート」を想像することができます。

映画「鉄コン筋クリート」の舞台となる宝町の建物や背景の多くはむき出しの構造物、鉄筋が見えていたりしており、昭和と異文化が融合した街をうまく表現しています。

映画「鉄コン筋クリート」で松本大洋が伝えたいことやメッセージとは?

映画「鉄コン筋クリート」には印象的なフレーズや心理描写が多く出てきますが、結局何を伝えたいのか?が難解でわかりにくい作品です。

原作者の松本大洋は映画「鉄コン筋クリート」で伝えたいことはなんだったのか?

作品に込められたメッセージを考察していきます。

少年のアイデンティティの確立と大人への成長

映画「鉄コン筋クリート」は主人公の一人・クロの成長を描いた作品だと見ることができます。

自分自身の存在を宝町という街そのものだと思っていたクロが、得体の知れない止められない街の変化に遭遇し、反発するものの飲み込まれていきます。

そうした先に、本当の自分というものを求めて成長していくサマを描いた作品だと言えます。

シロが中盤から言っていくように、宝町の変化を止められないのなら自分たちが住むことができる新しい環境を求めていく、そうした柔軟さをクロも映画のラストでは手に入れています。

社会の変化にどう向き合っていくべきか

映画「鉄コン筋クリート」の舞台である宝町は、古き良き昭和のイメージを捨てて生まれ変わっていきます。

古いものを捨てて新しいものに生まれ変わる社会の変化を受け入れられる人もいれば、クロや鈴木(ネズミ)のように受け入れられずにいる人たちもいます。

それぞれの姿を群像劇としても描いており、変化を受け入れたとしても飲み込まれて潰されていく人間や全く何も変わらない人間、愚痴を言いながらも生活を続ける人間・・・と多様な姿を描いています。

絶望の中にも希望がある

映画の終盤に「子供の城」にやってきて、蛇の手下の殺し屋に命を狙われたクロを助けるためにイタチが現れ、闇の世界に取り込まれて一つの存在になろうと誘惑してきます。

映画ではこの誘惑との葛藤を抽象化した映像でまとめていますが、原作コミックではクロが誘惑に打ち勝った要員として、地獄のような宝町であってもリンゴがタネから芽を出して生まれたことを知り、闇に飲まれ欠けていたクロの心に希望の芽が生まれます。

宝町という荒廃して法規もあってない地獄のような世界であっても、命は生まれてくることやその強さを伝えています。

まとめ

・映画「鉄コン筋クリート」タイトルの意味や理由を考察

鉄筋コンクリートが言えなくて出た言葉

1960年代にあったギャグ

シロとクロの互いに欠けたネジを表している

宝町の街並みを表している

・映画「鉄コン筋クリート」で松本大洋が伝えたいことやメッセージとは?

少年のアイデンティティの確立と大人への成長

社会の変化にどう向き合っていくべきか

絶望の中にも希望がある

 

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シゲゾウ
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