消費税の増税後に計画されている新たな税として炭素税があります。
今回は、炭素税とは何かを簡単にわかりやすく解説するとともに、
日本で炭素税が導入されるのはいつなのか?
環境税と炭素税の違いは何かについて紹介していきます。
炭素税とは何か簡単にわかりやすく解説!
炭素税とは何か?をできる限り簡単にわかりやすく解説していきます。
炭素税とは何かわかりやすく解説
地球温暖化が問題となり、私たちの生活でも毎年記録的な暑さの夏を迎えるようになってきました。
単純に気温が上がるだけでなく、異常気象の原因にもなると言われています。
地球温暖化の原因の一つと言われているものが「温室効果ガス」です。
温室効果ガスにはメタンなどもありますが、よく話題となるものに二酸化炭素があります。
二酸化炭素の化学式はCO2です。
炭素(C)が加熱されて酸素(O)と結びつくことによってできます。
炭素を含むものとして、次のようなものがあります。
石油・石炭・天然ガス | 発電・ガソリンなど |
プラスチック | 車、消しゴム、洋服など |
鉱物 | ダイヤモンド、 |
炭素繊維 | 布団 |
着色料 | インク、化粧品 |
どれも生活にとっては欠かせないものだったり、あると便利・豊かにしてくれるものです。
しかし地球温暖化の原因となっています。
消費税などの税金をかけられることは私たちにとって嬉しいことではありません。
できるだけ税金がかからないような生活や商品を買おうとするようになります。
炭素を使ってできるものが生活に欠かせないものであったとしても、地球温暖化で地球に住めなくなっては本末転倒です。
そこで炭素税が作られました。
炭素を使ってできる生活に欠かせないものに税金をかけることによって、そうした商品が買われにくくなります。
地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減らすために炭素税という税金があります。
ここからはもう少し詳しく解説していきます。
炭素税を具体的に解説
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炭素税は地球温暖化対策の方策の一つとして作られた税収です。
石油・石炭・天然ガスといった化石燃料は炭素を含んでおり、二酸化炭素を生み出します。
その炭素の含まれている量に合わせて炭素税の額を決めていきます。
石油・石炭・天然ガスといった化石燃料そのものだけでなく、加工して作り出されたプラスチックなどの製造や使用にも影響を与えます。
コストが増えるので必然的に炭素が多く含まれる製品を使わなくなっていくことで、地球温暖化の原因の一つとされる二酸化炭素排出量を抑えようとしています。
単純に炭素税を課すだけでなく、炭素税として徴収した税金の一部は新たな環境に優しいエネルギー源などを開発・促進している企業などに還元される仕組みになっています。
炭素税が導入される理由は?
炭素税は特にヨーロッパを中心に導入されています。
炭素税導入の理由は大きく2つあります。
- 地球温暖化・温室効果ガス対策
- 京都議定書の目標達成
それぞれ見ていきましょう。
地球温暖化・温室効果ガス対策
一つは今も進んでいる地球温暖化です。
私たちも年々、夏が暑くなって行っている感覚があります。
地球温暖化対策をしないままでいると、2100年には平均気温が最大で4.8℃上がると環境省は試算しています。
また、気温の上昇によって洪水や干ばつなどの異常気象も引き起こされやすくなり、私たちの生活そのものが崩壊していく可能性があります。
京都議定書の目標達成
二つ目は京都議定書の目標達成のためです。
京都議定書とは、1997年に京都で行われた地球温暖化防止会議の際に決められた各国の温室効果ガスの削減目標などが示されたものです。
日本では「炭素税」としては日本国内の製鉄などの業界から強い反発が起こり導入されていませんが、「地球温暖化対策税」というものが2012年に導入されました。
今まではこれら2つの理由が主でしたが、2019年10月1日の消費税10%への増税にに先駆けて再び炭素税の導入が検討されています。
その背景には消費税が10%に増税しても軽減税率や社会保障費が膨らんでいることなどから、税収が不足している状況に変わりがないためだと言えます。
また、地球温暖化対策として再生可能エネルギーなどの炭素をあまり含んでいない製品が普及しやすい環境を作り、「パリ協定」という地球温暖化対策の国際的な枠組みの目標達成にも影響を与えます。
地球の将来のことを考えれば、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスである二酸化炭素の排出量は少なくされるべきです。
しかし炭素税が導入されれば製鉄・電力・石油に関連する業界は廃業も考えられるため、地球のことよりも自分のことを第一に考えて反対してきています。
炭素税の税収は何に使われる・使途は?
炭素税は日本ではまだ導入されていません。
参考として地球温暖化対策税の使途として考えられていたものを紹介していきましょう。
ちなみに、財源の扱いが特別会計か一般財源なのかによっても変わってくるため今のところは未知数です。
- 省エネ機器への買い替え補助
- 低燃費車の買い替え補助
- 温暖化対策技術の導入補助
- 自然エネルギーの促進
- 社会保障費の財源
- 公共サービスの財源
- 低所得層への補助
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炭素税の日本導入はいつからで環境税との違いは?
炭素税の日本での導入はいつからなのか?
また、炭素税と環境税との違いはなんでしょうか?
炭素税の日本導入はいつから?
今のところ明確に炭素税がいつから導入されるかという話はなされていません。
環境省は炭素税の導入を行いたいという意向ですが、経済産業省などが歯止めをかけている状況にあります。
また、炭素税は一部の業界や人だけが支払うことになるものではなありません。
炭素を使った製品は私たちの製品に身近なため、ほぼ全ての人が値上がりを体感することになります。
そのため、2019年10月1日から消費税が10%へと増税されることもあり、すぐに新しく炭素税が導入されるとは考えられません。
しかし、環境省は来年度(2020年)の税制改正として炭素税を検討するように働きかけています。
また、消費税増税と異なりいまいち私たちの生活への影響を感じられない「炭素税」という言葉も相まり、財務省が新たな財源として好意的に捉えているきらいもあります。
経済産業省などは炭素税に反対をしていますが、税収を二酸化炭素削減に向けた技術開発の補助金などにしていくことで、反対意見を説き伏せることも考えられます。
そして、政府は2019年6月に「21世紀の後半の早い段階で温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」ことを目標と掲げました。
2050年には実現されると考えれば、炭素税の導入も遠くない未来の出来事と予想されます。
炭素税と環境税の違いは?
「炭素税」は地球温暖化の原因とされている温室効果ガス・二酸化炭素の排出量を削減するために課される税金です。
「環境税」は環境保全のために課された税金のことを指します。
位置付けとしては、「環境税の中の一つとして炭素税がある」といったイメージです。
また、環境税には具体的な基準は存在せず、環境に関する税金であれば環境税にあたります。
環境税とされるものには次の2つのポイントがあります。
- 環境負荷を少なくし、環境保全を促進する仕組み
- 税収を環境保全や政策に活かす
具体的に見ていきましょう。
環境負荷を少なくし、環境保全を促進する仕組み
その環境税を導入することで環境破壊を抑制する働きがあるか?が一つのポイントになります。
炭素税であれば、炭素税の値上がりを恐れて環境に優しい製品などを使うようになり、地球温暖化対策になります。
そして、環境に配慮していない製品や活動には重い税負担を求め、環境への配慮ができている側には税負担を軽くします。
そうすることで自然と環境保全を促進する仕組みが出来上がっていきます。
税収を環境保全や政策に活かす
環境税として徴収した税金の使い道は非常に重要です。
環境税として得た税収は環境保全に使われます。
その他に社会保障費や福祉事業の財源、所得税や法人税の減税など環境保全だけでなく、さまざまな政策にも活かすことができるということも重要なポイントです。
まとめ
・炭素税とは何かわかりやすく解説
地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減らすために炭素税という税金があります。
・炭素税を具体的に解説
コストが増えるので必然的に炭素が多く含まれる製品を使わなくなっていくことで、地球温暖化の原因の一つとされる二酸化炭素排出量を抑えようとしています。
・炭素税が導入される理由は?
炭素税導入の理由は大きく2つあります。
- 地球温暖化・温室効果ガス対策
- 京都議定書の目標達成
・炭素税の税収は何に使われる・使途は?
炭素税は日本ではまだ導入されておらず、財源の扱いが特別会計か一般財源なのかによっても変わってくるため今のところは未知数です。
・炭素税の日本導入はいつから?
今のところ明確に炭素税がいつから導入されるかという話はなされていません。
・炭素税と環境税の違いは?
位置付けとしては、「環境税の中の一つとして炭素税がある」といったイメージです。
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