日本には夏と秋に台風が上陸することがあります。
今回は、台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの違いは何か?
それぞれの強さや最強なのはどれか、回転方向について紹介します。
台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの違いは?
台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの違いは何でしょうか?
トルネードだけ別物:地上から雲へ吹く風のこと
まず、台風・ハリケーン・サイクロンの3つと、トルネードではでき方に違いがあります。
トルネード(竜巻)は積乱雲の下にできて、地上から雲へと細長く伸びる上昇気流のことです。
ざっくり言ってしまえば、
台風・ハリケーン・サイクロン | 雲 |
トルネード | 地上から雲へ吹く強い風 |
という違いになります。
台風・ハリケーン・サイクロンの3つと、トルネードの違いをあえていうならば、発生場所にも違いがあると言えるでしょう。
台風・ハリケーン・サイクロン | 海上で発生 |
トルネード | 陸上で発生 |
また、台風・ハリケーン・サイクロンの3つに比べ、トルネードの発生時間は非常に短く、数分〜数時間であることがほとんどです。
台風・ハリケーン・サイクロンの違いは:発生場所と風速
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台風・ハリケーン・サイクロンの違いのポイントは
- 発生場所
- 風速
の2つです。
基本的には台風・ハリケーン・サイクロンの3つは同じもので、いずれも熱帯低気圧が決められた基準よりも威力が強くなったものを指します。
熱帯低気圧が台風・ハリケーンに名前が変わるポイントは最大風速です。
サイクロンだけは、インド洋や太平洋南部に発生する熱帯低気圧全般を指した名称なので、最大風速によって名称が変わるということはありません。
名称 | 発生場所 | 最大風速 |
台風 | ・北西太平洋 ・南シナ海 |
約17m/s以上 |
ハリケーン | ・大西洋北部 ・大西洋南部 ・太平洋北東部 ・太平洋北中部 |
約33m/s以上 |
サイクロン | ・インド洋北部 ・インド洋南部 ・太平洋南部 |
分布を世界地図に置くとおおよそ次のようになります。
熱帯低気圧という名称からも分かる通り、基本的には赤道周辺の熱帯・亜熱帯の気候帯で発生したものが発達することで、台風・ハリケーン・サイクロンへと進化します。
台風・ハリケーン・サイクロンの発生時期は、ある程度のピークはあるものの一概に違いとしては言い切れません。
傾向としては次のようにまとめられますが、一年中発生することがあります。
台風(北西太平洋) | 5月〜10月 |
ハリケーン(大西洋) | 6月〜11月 |
サイクロン(南太平洋) | 11月〜4月 |
サイクロンだけ、日本では冬の時期に発生しているように感じるかもしれませんが、南太平洋は赤道よりも南側にあります。
日本では冬ということは、南太平洋の国にとっては夏なので熱帯低気圧が発生しやすい時期として不自然ではありません。
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台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの強さや最強・回転方向は?
台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの強さや最強なものはどれでしょうか?
また、それぞれの回転方向はどうなっているのでしょうか?
規模や風速などの強さで最強は?:風速最大はトルネード
台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの強さや最強のものを決めることは非常に難しいです。
被害の規模や存在し続けた期間の長さ、最大風速の強さや気圧など基準はさまざま設定することができます。
単純に風速が最大のものとしては、トルネード(竜巻)が最強になります。
ただし、台風・ハリケーン・サイクロンと異なり、トルネード(竜巻)は突発的に発生するものなので事前に予測しづらいためどれくらいの規模なのかが曖昧です。
かつて2003年にアメリカ・サウスダコタ州に発生したトルネード(竜巻)が通過した際に、一時的に気圧が850hPaに達しています。
台風やハリケーン・サイクロンでは観測史上最大のものでも1979年の870hPaです。
台風・ハリケーン・サイクロンの気圧の大きさごとに観測史上のトップ5を紹介しましょう。
台風の強さ・最強ランキング
名称 | 年 | 気圧 | 場所 |
Tip | 1979 | 870hPa | 日本 |
June | 1975 | 875hPa | 日本 |
Forrest | 1983 | 876hPa | フィリピン |
Ida | 1958 | 877hPa | 日本 |
Nora | 1973 | 877hPa | フィリピン |
ハリケーンの強さ・最強ランキング
名称 | 年 | 気圧 | 場所 |
Patricia | 2015 | 872hPa | メキシコ |
Wilma | 2005 | 882hPa | バハマ |
Gilbert | 1988 | 888hPa | メキシコ |
Labor Day | 1935 | 892hPa | バハマ |
Rita | 2005 | 895hPa | バハマ |
サイクロンの強さ・最強ランキング
名称 | 年 | 気圧 | 場所 |
Mahina | 1899 | 880hPa | オーストラリア |
Winston | 2015 | 884hPa | フィジー |
Zoe | 2002 | 890hPa | フィジー |
Gafilo | 2003 | 895hPa | マダガスカル島 |
Pam | 2014 | 896hPa | ニュージーランド |
気圧だけでは強さや最強であったり、被害の大きさを測ることはできませんが、気圧が低いとそれだけ上陸した際にも甚大な被害を出す傾向にあります。
その意味では、台風が最も多く880hPaを下回る気圧のものがあることが分かります。
台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの回転方向:北半球は反時計回り
中学の理科で学んだ高気圧や低気圧が、北半球と南半球で反時計回り・時計回りの違いがあったかと思います。
台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの回転方向も北半球で発生したか、南半球で発生したものかによって変わってきます。
台風やハリケーンは基本的に赤道よりも北側、北半球でしか発生しないことがほとんどなので反時計回りです。(下の画像)
サイクロンは基本的にインド洋の南部や太平洋の南部で発生するため、南半球なので時計回りです。(下の画像)
しかしインド洋の北部で発生したものは、赤道よりも北側であるため反時計回りです。
ただし、トルネード(竜巻)の場合はこの通りでないことがあります。
基本的に赤道を挟んで北半球・南半球で回転の向きが変わることは、地球の時点と関係する慣性によるものです。
その影響を受けるためには、ある程度の大きさが必要になります。
台風・ハリケーン・サイクロンは直径が100km以上のものも多く、ものによっては1,000kmもあるものがあります。
それに比べてトルネード(竜巻)は直径が100m〜1km程度と、かなり小ぶりです。
そのため、地球の時点の影響を受けないで北半球でありながら、反時計回りのはずが時計回りに回っているものも発生します。
まとめ
・トルネードだけ別物:地上から雲へ吹く風のこと
台風・ハリケーン・サイクロンの3つと、トルネードではでき方に違いがあります。
トルネード(竜巻)は積乱雲の下にできて、地上から雲へと細長く伸びる上昇気流のことです。
・台風・ハリケーン・サイクロンの違い:発生場所と風速
台風・ハリケーン・サイクロンの違いのポイントは
- 発生場所
- 風速
・規模や風速などの強さで最強は?
単純に風速が最大のものとしては、トルネード(竜巻)が最強になります。
かつて2003年にアメリカ・サウスダコタ州に発生したトルネード(竜巻)が通過した際に、一時的に気圧が850hPaに達しています。
・台風・ハリケーン・サイクロン・トルネードの回転方向:北半球は反時計回り
台風やハリケーンは基本的に赤道よりも北側、北半球でしか発生しないことがほとんどなので反時計回りです。
サイクロンは基本的にインド洋の南部や太平洋の南部で発生するため、南半球なので時計回りです。
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