忙しかったり夜にスマホを触っていると睡眠不足になってしまいます。
今回は、睡眠不足の末路や死亡例について紹介します。
また、悪影響や平気で大丈夫ではない理由を解説します。
睡眠不足の末路・死亡例
睡眠不足は1日や2日なら何ということはないと思っているかもしれませんが、記憶力や健康・見た目・体重などさまざまな影響を与えていきます。
睡眠不足が事故・交通事故の原因
睡眠不足は歴史上のさまざまな災害の要因の一つで、人災の原因でもあります。
1986年のチェルノブイリの原子力発電所のメルトダウンもその一つです。
その他にも私たちの身近な例では交通事故があります。
睡眠不足による眠気は飲酒運転と同じくらい反応速度を遅らせます。
アメリカの高速道路交通安全局によると、年間で10万件の自動車事故のうち1550件の交通死亡事故の原因が睡眠不足による眠気によって引き起こされたものだと推定しています。
特に25歳未満の若い世代に多いと言われています。
睡眠不足や質の低い睡眠は仕事中の事故や怪我の原因にもなり、当たり前ですが日中に眠気を訴える人の労災率は高いです。
睡眠不足は思考力を低下させる
睡眠は思考や学習と深く関係しています。
睡眠不足は注意力・集中力・推理力や問題解決能力を著しく低下させてしまいます。
効率的な学習の天敵です。
夜、私たちが寝ている間に睡眠を利用して脳はさまざまな記憶の結びつきの実験を行って、記憶の定着を図ります。
睡眠不足の場合、日中にどれだけ学んでいたり経験したりしても記憶の定着が行われないため、思い出せなくなってしまいます。
睡眠不足の健康被害
睡眠不足はさまざまな健康被害を引き起こします。
例えば
- 心臓病
- 心臓発作
- 心不全
- 不整脈
- 高血圧
- 糖尿病
などです。
自律神経にも影響を与えやすく、軽視することは非常に危険です。
睡眠不足は性欲を低下させる
睡眠不足は男女ともに性欲の低下を引き起こし、性行為に対する関心を低くすると野ことです。
これは、睡眠不足によってエネルギーが枯渇してしまい、眠気や緊張状態が高まったままになることが主な原因です。
睡眠時無呼吸症候群の男性も性的不調を訴えるケースがありますが、2002年のJournal of Clinical Endocrinology&Metabolismに発表された研究によると、睡眠時無呼吸症候群の男性は異常に低いテストステロン値を記録しており、特に夜間にその傾向が顕著であることが原因です。
睡眠不足がうつ病の原因
睡眠不足が単純に思考力や判断力や健康被害をもたらすだけでなく、時間が経つにつれてうつ病とも深く関わってきます。
2005年のSleep in Americaの調査によると、うつ病や不安症と診断された人の睡眠時間は6時間未満でした。
特に不眠症はうつ病と強く関連しており、1万人を対象とした2007年の研究では、不眠症の人のうつ病発症率は通常の5倍にものぼりました。
実際に、うつ病の症状の一つとして不眠症が挙げられるように睡眠不足はうつ病の症状を悪化させることが多く、うつ病によって眠れなくなることがあります。
逆に、睡眠不足とうつ病が関連していることを逆手にとって、睡眠障害の治療を行うことでうつ病の症状が改善されていった例もあります。
睡眠不足は肌を老化させる
ほとんどの人は数日間の睡眠不足や徹夜の日が続くと、肌の色が薄くなっていき目が膨らんでいきます。
睡眠不足が常態化してしまうと、肌のつやがなくなり、小じわが増えたり目の下のくまができてきます。
睡眠不足はストレスホルモン・コルチゾールの放出を促してしまい、コルチゾールが多くなりすぎると皮膚のなめらかさや弾力を保つ皮膚のコラーゲンを分解させてしまいます。
睡眠不足は記憶喪失・忘れやすくさせる
2009年にアメリカとフランスの研究者たちによって行われた研究で、脳内で観測された波紋が過去の出来事の記憶の統合を行っていると突き止めました。
波紋は学習した情報を一時的に記憶している海馬から脳の新皮質に転送し、短期記憶から長期記憶へと変わります。
この波紋は良い深い眠りの時に発生していることから、ぐっすりと十分な睡眠が取れていなければ短期記憶が長期記憶へと変わりにくくなります。
睡眠不足は体重増加させる
睡眠不足は空腹感や食欲を増加させ、肥満に影響しています。
2004年の研究では睡眠時間が1日6時間未満の人は、7時間〜9時間睡眠の人よりも肥満になる可能性が約30%高いことが分かりました。
その原因として睡眠と食欲を調節するペプチドの関係性が注目されています。
グレリンという物質が空腹感を私たちに認識させ、レプチンは脳に満腹状態を知らせて食欲を抑制させる仕組みになっています。
睡眠不足の場合、空腹感を伝えるグレリンの量が上昇し、食欲を抑制させるレプチンが減少してしまうため、歯止めが効きにくくなってしまいます。
睡眠不足は単純に食欲を増進させるだけにとどまりません。
高脂肪・高炭水化物の食べ物を食べたいという欲求を刺激してしまうため、肥満を引き起こす原因になります。
睡眠不足は死亡率を高める
イギリスの研究では、20年間にわたって1万人以上のイギリス人公務員の死亡率と睡眠の影響を調査してきました。
2007年の発表によると、1日に5時間〜7時間やそれ以下の睡眠時間の場合、死亡率が通常の2倍に増加することを報告しました。
特に睡眠不足は心臓の血管疾患による死亡率を倍増させています。
睡眠不足は睡眠に関する判断力を低下させる
睡眠不足になっても大丈夫、平気だと思ってしまうことがあります。
これは正確に自分の健康状態を把握することができなくなっているため、睡眠不足がどれだけ自分の体に悪いか・能力を低下させているかが分からなくなってしまっています。
現代人の場合は、ショートスリーパーという言葉もあるため、寝ないで仕事量や有効に時間を使うことが美学のように思われがちです。
しかし、研究者たちは睡眠不足でも平気・大丈夫と思っている人は、自分の状況を間違って評価していると主張します。
過度なショートスリーパーではなく、7時間〜8時間の睡眠をとっていた人が6時間の睡眠をとるようにした場合に、うまく順応することができたと感じ始めます。
しかし研究者たちは、あくまで「慣れた」だけでありパフォーマンステストを行った結果、間違いなく悪影響を与えていると主張します。
睡眠不足の死亡例
睡眠不足そのものが原因となって死亡したという例はほとんどありません。
大抵の場合は健康被害や交通事故死などによって死亡してしまうためです。
科学実験としても人道的に睡眠不足による純粋な死亡例を研究することはできませんが、科学実験ではないもので、睡眠不足が続いたことで死亡した例があります。
マイケル・コークという人物は6ヶ月間の睡眠不足ののちに死亡しています。
しかし、これも睡眠不足が死因だったと結論づけることはできていません。
1960年代にランディ・ガードナーという高校生が徹夜の世界記録の更新にチャレンジしました。
その結果、徐々に視力に影響が出てきた後、言語や記憶の問題などの障害を抱えることになり、11日以内に幻覚を見始めました。
睡眠不足の悪影響や平気で大丈夫ではない理由
睡眠不足の悪影響について見ていきましょう、なぜ平気・大丈夫ではないのか理由を紹介します。
睡眠不足の悪影響:細胞の損傷
2014年にウィスコンシン医科大学が行った研究によると、睡眠不足は細胞の損傷を引き起こすことが分かりました。
特に肝臓、肺、小腸を損傷し、睡眠によってそれらの損傷は治癒されていったといいます。
心臓血管疾患や癌などの原因が睡眠異常にあることが分かりました。
2019年のヘルシンキ大学の研究では、睡眠不足が続くことで血液中の白血球の数にも変化が現れることを特定しました。
睡眠不足が平気・大丈夫ではない理由
これまでも睡眠不足は健康被害や脳・記憶への影響があると危険視されていました。
2019年にミシガン州立大学が行った研究によると、今までに認識されていた以上に睡眠不足は私たちに多くの悪影響を及ぼすことが明らかになりました。
健康被害や脳の記憶への影響は明らかにおかしいと分かるものです。
しかし、研究では私たちが起きているときの行動にも間違いなく睡眠不足が悪影響を与えており、注意力を欠落させていることを証明しました。
研究は138人を対象に行われ、77人は一晩中徹夜で起きていて、61人は家に帰り睡眠をとりました。
すべての参加者は睡眠の前後に2つの別々の認知課題に取り組みました。
一つは刺激に対する反応速度を測定する課題。
もう一つはさまざまな動作を行った後に自分の位置を維持できるかを測定する課題。
結果は、睡眠不足のグループのエラー率は約30%増加していることが分かりました。
まとめ
・睡眠不足の末路・死亡例
- 睡眠不足が事故・交通事故の原因
- 睡眠不足は思考力を低下させる
- 睡眠不足の健康被害
- 睡眠不足は性欲を低下させる
- 睡眠不足がうつ病の原因
- 睡眠不足は肌を老化させる
- 睡眠不足は記憶喪失・忘れやすくさせる
- 睡眠不足は体重増加させる
- 睡眠不足は死亡率を高める
- 睡眠不足は睡眠に関する判断力を低下させる
・睡眠不足の死亡例
睡眠不足そのものが原因となって死亡したという例はほとんどありません。
大抵の場合は健康被害や交通事故死などによって死亡してしまうためです。
・睡眠不足の悪影響:細胞の損傷
2014年にウィスコンシン医科大学が行った研究によると、睡眠不足は細胞の損傷を引き起こすことが分かりました。
2019年のヘルシンキ大学の研究では、睡眠不足が続くことで血液中の白血球の数にも変化が現れることを特定しました。
・睡眠不足が平気・大丈夫ではない理由
健康被害や脳の記憶への影響は明らかにおかしいと分かるものです。
しかし、研究では私たちが起きているときの行動にも間違いなく睡眠不足が悪影響を与えており、注意力を欠落させていることを証明しました。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。
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