映画「関ヶ原」は木村拓哉×二宮和也主演で話題にもなった「検察側の罪人」の原田眞人監督が司馬遼太郎原作の歴史小説「関ヶ原」を映画化した作品です。
あまりにも難解で歴史が頭に入っていない人には何を話しているのかも聞き取りづらい初見殺しな作品ですが、噛み砕いていけば楽しめる作品になっています。
今回は映画の最後のセリフで石田三成に初芽は何を言ったのか?
また大一大万大吉の理由や込められた意味や思いについてご紹介します。
映画「関ヶ原」初芽が最後のセリフで石田三成に言った大一大万大吉の意味は?
映画「関ヶ原」のラストシーンで六条河原の処刑場に向かう石田三成(岡田准一)に向けて、行方不明になっていた初芽(有村架純)が言ったセリフとその意味についてご紹介していきます。
関ヶ原の戦いの後で処刑場に向かう石田三成と出会う初芽
映画「関ヶ原」はその名の通り、関ヶ原の戦いを中心とした作品です。
主人公として西軍の大将・石田三成(岡田准一)を中心に物語が進んでいくあたりが判官贔屓の精神や、関ヶ原の戦いの結末を知ってしまっている私たちにとっては感情移入をすると熱くなってしまいます。
もちろん映画「関ヶ原」は石田三成(岡田准一)の生涯を描いた作品なので、最後の場面は徳川家康の東軍によって石田三成が六条河原で処刑・斬首され、三条大橋のたもとに晒し首にされるところで終わります。
その六条河原へと小西行長、安国寺恵瓊とともに運ばれる際に、それまで行方不明になっていた石田三成の間者(忍)である初芽(有村架純)が姿を現します。
処刑場に向かう石田三成に初芽は何を言ったか
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石田三成(岡田准一)は関ヶ原の戦いで小早川秀秋が東軍に味方したことで敗北が確定し、自刃せずに自らの正義を汚してまで少しだけでも長く生きようとしました。
その理由の一つには「生きていることを確かめたい人がいたこと」があると語っています。
その中の一人には初芽(有村架純)も挙げられます。
そのことを知る由はないでしょうが、初芽(有村架純)も関ヶ原の戦いで石田三成(岡田准一)を手助けすることができなかったまでも、せめて生きていることを伝えようとして現れて、処刑場に向かう石田三成(岡田准一)にこう言います。
「大一 大万 大吉(だいいち だいまん だいきち)」と。
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映画「関ヶ原」で三成が大一大万大吉に込めた意味や思いを解説
映画「関ヶ原」で石田三成(岡田准一)が島左近(平岳大)を家臣に迎え入れるにあたり、新しく考えた旗印の「大一大万大吉」にはどんな思いや意味を込めたのでしょうか?
三成が大一大万大吉を旗印にした理由や意味
映画「関ヶ原」の序盤で三条河原で豊臣秀次の側室や輿入れをしようとした女たちが無残に処刑されます。
その夜、処刑の際に立ち向かってきた勇気に感銘を受けて生かした初芽(有村架純)に対して石田三成(岡田准一)は次のように語ります。
儂に足りない全てを備えた侍大将を召抱えたゆえ、旗印を考えておった。
「一人が万民のために尽くせば、天下は栄える」と、いう意味だ。
石田三成(岡田准一)は、家臣として仕えてきた豊臣秀吉(滝藤賢一)の死が近いこと、いずれは同じく家臣である徳川家康(役所広司)が天下を取るために国を割る大きな戦を仕掛けることを見越して島左近(平岳大)を召し抱えることにしました。
島左近(平岳大)の思い、石田三成(岡田准一)自身の作りたい新しい世への思いを入れ込んだ旗印として「大一 大万 大吉」を考えました。
戦の際には、自分たちはこの思いで戦っているのだという団結心を高めるために選んだ言葉ですが、美しすぎるこの言葉を掲げた石田三成(岡田准一)が敗北してしまうというのがなんとも不条理な世を象徴しています。
ちなみにこの旗印「大一 大万 大吉」が存在したことを表す物的な史料は残されていません。
これに関しては関ヶ原で勝利を収めた徳川家康が敗者の歴史を消し去ろうとしたと言われています。
最後のセリフで石田三成に初芽が大一大万大吉と言った意味や理由
六条河原の処刑へと向かう石田三成(岡田准一)のもとへ現れてその存命を伝えるとともに「大一 大万 大吉」の言葉を伝えた初芽(有村架純)ですが、実在する人物ではありません。
映画「関ヶ原」の原作者である司馬遼太郎が作り上げた架空の人物なので、最後のセリフとして石田三成(岡田准一)に初芽(有村架純)が「大一 大万 大吉」と言った意味や理由は推測せざるを得ません。
一つはこのセリフを聞いた石田三成(岡田准一)は安堵の表情を浮かべているので、初芽(有村架純)の存命さえ分かればセリフは何でもよかったと言えます。
もう一つは「大一 大万 大吉」には「一人が万民のために尽くせば、天下は栄える」という意味だと初芽(有村架純)は教えられています。
これを石田三成(岡田准一)に対して言ったことで、「一人」とは石田三成を指し、「尽くしたこと」とは関ヶ原の戦いで正義を貫き通してこと。
関ヶ原の戦いが起こらなかった未来は存在しないので分かりませんが、敗北しても戦ったことで小早川秀秋のように心に葛藤を抱えることができた人間がいたり、石田三成(岡田准一)は処刑されますがその子孫たちはいずれも命までは取られずに済んでいます。
また、旗印としての「大一 大万 大吉」は受け継がれなかったとしても初芽(有村架純)のように、心の中にはその思いを生かし受け継いでくれる人間がいることを伝えるために最後のセリフで石田三成(岡田准一)に初芽が「大一 大万 大吉」と言ったのではないかと推測できます。
まとめ
・映画「関ヶ原」の最後のセリフで石田三成に初芽は何を言った?
初芽(有村架純)は関ヶ原の戦いで石田三成(岡田准一)を手助けすることができなかったまでも、せめて生きていることを伝えようとして現れて、処刑場に向かう石田三成に「大一 大万 大吉(だいいち だいまん だいきち)」と言います。
・映画「関ヶ原」で三成が大一大万大吉に込めた意味や思い
大一 大万 大吉」には「一人が万民のために尽くせば、天下は栄える」という意味が込められています。
・最後のセリフで石田三成に初芽が大一大万大吉と言った意味や理由
初芽(有村架純)のように、心の中には大一 大万 大吉」の思いを生かし受け継いでくれる人間がいることを伝えるために最後のセリフで石田三成(岡田准一)に初芽が「大一 大万 大吉」と言いました。