犬や猫の足にある肉球はデザインにもよく利用される可愛らしさ象徴ともいえます。
触感が好きだったり、独特の匂いが好きだったりといったフェチもあるほど人気がある肉球。
今回は犬や猫の肉球は何のためにあるのか?
何で出来てるのか、犬と猫で肉球にはどのような違いがあるのかについてもわかりやすく解説します。
犬猫の肉球は何のためあるかわかりやすく解説!
犬や猫の肉球は何のためにあるのか、また何で出来てるのでしょうか?
犬猫の肉球は何のためにある?
肉球を持つ動物は犬や猫だけではなく、クマやイタチの仲間、兎やカンガルー、コアラなども肉球を持っています。
一般的には肉食の動物が肉球を持つ傾向にあります。
狩りをするときの足音を吸収・消音するため
肉球は動物の種類や生息地によって硬さにある程度の違いがありますが、柔らかい部位になっています。
肉食の動物は動いている動物を狩らないといけないため、脚力があれば逃げられても追いつけるとはいえ、無駄な体力を消耗せずに狩るために「いかに気づかれないで獲物に近づけるか?」も大きな要素になります。
そのため、足音を肉球で吸収して消音することができます。
衝撃吸収のクッションとしての役割
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肉球は脂肪組織が固まってできている分厚い層になっています。
そのため、高所からのジャンプなどをしたときの衝撃を吸収するためのクッションとしての役割も果たしており、関節や骨へのダメージを軽減することができます。
ブレーキや滑り止めのため
肉球は着地の衝撃を吸収して消音することだけでなく、走った後のブレーキやフローリングや岩の上などでの滑り止めとしての役割があります。
そのために肉球の周りには汗を出すための「汗腺」と呼ばれるものが多く集まっており、サラサラではなくドロッとした粘り気のある独特の匂いのする汗が出て肉球をほどよい湿度に保ってくれるようになっています。
「肉球の匂いが好き」という人はこの「汗の匂いが好き」ということです。
発汗して体温調節するため
犬や猫は見た目からも分かる通り、基本的に全身を体毛で覆われているため熱がこもりやすい作りになっています。
汗を流すということもほとんどできないため、よく夏場に犬が舌をだらーんと出していることがあるのは貴重な体毛に覆われていない舌を使って体温調節をしています。
肉球も体毛に覆われていない数少ない部位であり、肉球の周囲には汗腺がたくさんあります。
熱い・冷たい場所を歩けるようにするため
犬の肉球は犬の皮膚の中でも最も厚い頑丈な部分です。
頑丈な厚みのある肉球のおかげで夏の熱せられた地面や岩の上であったり、雪降る冬の凍てついた地面の上も歩くことができます。
肉球は脂肪組織の厚い層になっており、足の内側の組織を低温や高温から守ってくれます。
クジラやトドなどの脂肪のような役割です。
また、足が地面に触れたときに足が冷えると、動脈は冷えた血液を心臓に送り返して温めます。
この特徴から、科学者たちは犬はさまざまな気候の環境に分布する前に最初は寒い地域で進化したのではないか?と推測しています。
犬の肉球の役割・何のためにあるか?
先に紹介した肉球の役割の他に犬の肉球の特徴を紹介します。
粗い地面で生活する犬の肉球は粗くゴツゴツした傾向にあり、滑らかでつるんとした地面で生活する犬は柔らかい肉球を持っています。
人間の手足と同じです。
肉球の数は一定ではなく、犬の中でもピレネー山脈のような起伏の激しい地形に住んでいる犬は安定性のために後ろ足に二重の肉球を持っています。
猫の肉球の役割・何のためにあるか?
猫の肉球は犬よりも柔らかく、肉球を触られることを嫌う傾向にあります。
猫の肉球は非常に敏感にできており、神経受容体が集中しており狩りやバランスの維持を助けるための感覚器官の微調整が行われます。
神経受容体のおかげで肉球を通して触感、圧力、振動を感じることができます。
衝撃からは強くなっていますが、温度、圧力、痛みに非常に敏感で、高温で舗装された地面や凍った歩道、デコボコした表面を歩くだけで重傷を負う可能性があります。
また、猫の肉球の色は毛の色と一致していたり同系色であることが多く、グレーの毛をもつ猫の肉球はグレーであり、オレンジ色の毛をもつ猫の肉球はピンク色になっています。
手首にある肉球・手根球の役割は?
犬や猫には前足だけに特殊な肉球があります。
後ろ足には手のひらのところに4つの肉球と真ん中にハート型の大きな肉球があるだけです。
前足にはさらに手首のあたりにも1か所あります。
これを手根球と呼び、「ストッパーパッド」とも呼ばれており、ストッパーとしての役割を担っています。
獣医師のChris Zinkによると犬が転ぶときに前足の手根球が地面に触れる瞬間があると言います。
犬や猫が急停止したりした場合に手根球とその他の肉球によって摩擦力が得られ、急停止するためのブレーキの役割を担います。
犬や猫がジャンプした後の着地にも手根球は活用されています。
手のひらの肉球に加え、手首にある手根球も衝撃を吸収するバンパーやクッションとして機能します。
また、犬や猫のバランスを保つためにも使われており、滑りやすい斜面などを歩くときの滑り止めとしての働きもあります。
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犬猫の肉球は何で出来てるかや違いをわかりやすく解説!
犬猫の肉球は何で出来ているのでしょうか?
また、犬と猫で肉球にはどのような違いがあるか解説していきます。
犬猫の肉球は何で出来てる?
犬や猫の肉球は表面を角質化して固くなった厚みのある皮膚で覆われており、その下には脂肪とエラスチンという弾性線維(衝撃吸収のため)、コラーゲンという膠原繊維(衝撃吸収のため)が混ざった弾力のある組織でできています。
犬は表面が角質化して固くなることがありますが、あまり歩いていなかったり、常に滑らかで柔らかい絨毯の上などで生活している場合は猫の肉球のように柔らかく敏感なままになります。
犬猫の肉球の違いをわかりやすく解説!
犬や猫の肉球の違いは何でしょうか?
また、肉球の健康管理の必要性やチェックポイントを見ていきましょう。
肉球の配置・足跡の違い
柔らかさなども違いますが、犬と猫では肉球の配置や足跡の見た目に違いが現れます。
犬の肉球は4つの肉球(指球)の幅が狭くくっついた見た目になっています。
猫の肉球は4つの肉球(指球)の間隔が少し広く、真ん中のハート型の大きな肉球(掌球)との間も離れています。
また、犬の爪は出し入れすることができませんが、猫の爪は出し入れすることができるので、足跡についた爪のあとがあるかで判断することも可能です。
下の画像は犬の足跡です。
爪や肉球が近くくっついていることから分かります。
下の画像は猫の足跡です。
爪の跡がなく、肉球どうしが離れています。
犬の肉球の違いは?
犬の祖先はオオカミと言われており、オオカミは寒い場所で誕生し、徐々に分布範囲を拡大していったとされています。
寒さ対策は血管の作りにも現れており、動脈と静脈が並走する特殊な血管の配置になっています。
そのため、冷たい地面に触れて冷やされた足から静脈を通って血液が心臓に戻る際に、勢いのある動脈とすれ違うため温めることができます。
犬の肉球は寒さに強くなるように表面が分厚く脂肪も多くなっています。
しかしすでに述べた通り、質感は必ずしもざらざらした感じになるとは限らず、どこでどのような生活をしているかによって厚くざらざらした質感であったり、猫のようにやわらかく敏感であったりします。
猫の肉球の違いは?
私たちが飼っているイエネコの祖先とされているのが「リビアヤマネコ」別名アフリカヤマネコです。
赤道周辺や中近東に生息し、砂漠地帯から草木の生茂ったところまで、熱帯雨林以外のさまざまな気候帯で生息していました。
ネズミはもちろんのことモグラ、うさぎ、カエルなども食べ、獲物を狙い定めて待ち伏せして急襲する狩りのスタイルをします。
犬のように分厚い皮膚をもった肉球ではなく、神経受容体が集中した敏感な器官にしておき、触感や圧力、振動を感じ取りやすくすることで狩りを有利に進められます。
木に登ったりもするため、ざらざらした肉球よりもやわらかく吸い付くような肉球を持っています。
犬猫の肉球で健康管理や体調が分かる?
犬猫の肉球で健康管理や体調が分かるのでしょうか?
犬猫の肉球と健康管理や体調の関係は?
肉球はしっかりとした角質化した上皮でできていますが、頑丈だから傷つかないという保証はありません。
切り傷や擦り傷を持つことが多く、注意していなければ感染症を引き起こすこともあります。
イースト菌感染症を発症する可能性があるため、人間のスポーツ選手の足と似ています。
頑丈で分厚いですが怪我をすると犬や猫や痛みを感じることができるように痛点が備わっているため、飼い主はペットの肉球の色や質感の変化に気をつける必要があります。
犬猫の肉球の健康管理や体調のチェックポイント
犬猫の肉球の健康状態として次の4点に注目するとよいと言われています。
- 肉球や肉球の周辺に亀裂がないか?
- 切れ目や擦り傷、出血や腫れはないか?
- ペットは怪我をした肉球を頻繁に舐めていたりしませんか?
- バランスを崩したり、歩きにくそうなことはありませんか?
これらの兆候のいずれかが見られれば、ペットを獣医の元に連れて行ってください。
まとめ
・犬猫の肉球は何のためにある?
- 狩りをするときの足音を吸収・消音するため
- 衝撃吸収のクッションとしての役割
- ブレーキや滑り止めのため
- 発汗して体温調節するため
- 熱い・冷たい場所を歩けるようにするため
・犬の肉球の役割・何のためにあるか?
粗い地面で生活する犬の肉球は粗くゴツゴツした傾向にあり、滑らかでつるんとした地面で生活する犬は柔らかい肉球を持っています。
・猫の肉球の役割・何のためにあるか?
神経受容体のおかげで肉球を通して触感、圧力、振動を感じることができます。
・手首にある肉球・手根球の役割は?
犬や猫が急停止したりした場合に手根球とその他の肉球によって摩擦力が得られ、急停止するためのブレーキの役割を担います。
・犬猫の肉球は何で出来てる?
犬や猫の肉球は表面を角質化して固くなった厚みのある皮膚で覆われており、その下には脂肪とエラスチンという弾性線維(衝撃吸収のため)、コラーゲンという膠原繊維(衝撃吸収のため)が混ざった弾力のある組織でできています。
・肉球の配置・足跡の違い
柔らかさなども違いますが、犬と猫では肉球の配置や足跡の見た目に違いが現れます。
・犬の肉球の違いは?
犬の肉球は寒さに強くなるように表面が分厚く脂肪も多くなっています。
・猫の肉球の違いは?
木に登ったりもするため、ざらざらした肉球よりもやわらかく吸い付くような肉球を持っています。
・犬猫の肉球の健康管理の必要性
肉球に切り傷や擦り傷を持つことが多く、注意していなければ感染症を引き起こすこともあります。
・犬猫の肉球の健康状態チェックポイント
- 肉球や肉球の周辺に亀裂がないか?
- 切れ目や擦り傷、出血や腫れはないか?
- ペットは怪我をした肉球を頻繁に舐めていたりしませんか?
- バランスを崩したり、歩きにくそうなことはありませんか?
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