映画「凪待ち」が2019年6月28日より全国で公開されます。
すでに公開されている予告編映像には今までにみたことのないダークな闇を前面に押し出した香取慎吾の演技に注目が集まっています。
今回は、白石和彌監督が香取慎吾を主演に映画を作ろうと決めた理由や、恒松祐里らのキャスティングや配役の意図についてご紹介します。
映画「凪待ち」を白石和彌監督が香取慎吾主演に起用した理由
SMAPの香取慎吾のドラマや映画といえば、真面目な作品というよりはキャラクターを演じてきたイメージがあります。
忍者ハットリくん(NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE(2004))や、孫悟空(西遊記(2007))であったり、両さんこと両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所(2009))などのコミカルな役。
色々なければこち亀終了にコメント出してたんじゃないかなぁとずっと引っかかっていたので、バラエティの流れに乗じてちゃんと発信されたのが良かった。ドラマ版「こち亀」で両さんを演じたSMAP香取慎吾のコメントです→「両さん、ありがとう!」 #おじゃMAP pic.twitter.com/XSn2656hR5
— 乗田綾子 / 小娘 (@drifter_2181) 2016年9月21日
演技が上手いというよりはコメディアンで、どちらかといえば演技は下手という印象があります。
白石和彌監督は2017年度、2018年度と2年連続でブルーリボン賞を受賞する、話題作・問題作を放ち続ける名監督です。
白石和彌監督は香取慎吾に対して世間のイメージと違う印象を抱いていたことが起用の理由です。
それは、「香取慎吾の笑顔の裏にあるどす黒いもの」を見てみたいとおもったことと、作品で映えるような「身体が大きい厚みのある人(香取慎吾の身長は182cm)を撮りたい」という2点から、自身の作品に起用したいと考えていたそうです。
また、本作のテーマは「喪失と再生」であり、エンターテイメント性を作品に盛り込むことが難しくありました。
作品の重厚感を残しつつ、興行が見込める人物としてSMAPの香取慎吾に白羽の矢が立ったという面もあります。
さらには、作品の「喪失と再生」というテーマと「SMAPの崩壊と再生」を成そうとしている香取慎吾の境遇に重なる部分があるのではないかとも考えたそうです。
香取慎吾の芝居や演技力への世間の評価は?
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香取慎吾の演技は酷評されることが多いです。
ケーブルTVで『忍者ハットリくん THE MOVIE』始まったので観てる。CG映画黎明期の「ジュラシックパーク」並のCG。そして、スマスマのコントのような構成。香取君の下手演技。どうすりゃいいんだコレは。
— Ken39 (@sakusaku39) 2011年7月17日
香取しんごさん、演技下手すぎる、、#家族のカタチ
— 使ってません。 (@risa0430chan) 2016年1月24日
演技相変わらず下手だな香取 #tbs
— haru (@HaruKouhei1202) 2012年10月21日
こち亀の両さんのように実写化に向かない役であったり、西遊記では堺正章が絶対的なキャラクター像を構築している孫悟空への挑戦であったりと、何かと敵の多い役をすることが多いことが挙げられます。
また、声のトーンが特徴的であったり、変わらずにこやかな口角の上がった笑顔が役に合わないことも演技が下手と言われる要因でしょう。
この他にも、香取慎吾自身が稽古の際には本気を出さずに台本を片手に持ったままであったり、セリフは直前まで一切覚えないことを公言しています。
このことから、「演技や芝居にやる気がない」というマイナスイメージも先行しているようです。
しかし、白石和彌監督の香取慎吾に対する評価はこれらの世間の評価とは全く異なります。
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白石和彌監督の香取慎吾の演技の評価と理由
稽古で本気を出さなかったり、直前までセリフを覚えない態度を「演技や芝居にやる気がない」という評価を多くの人はします。
しかしこれは言い換えれば、現場の雰囲気やそのときの監督の判断に柔軟に対応できるように「無駄な作り込みをしない」と言えます。
白石和彌監督は現場でセリフを変えたり、シーンを入れ替えたり作ったり臨機応変に作り変えるので、それに対応できる香取慎吾を高く評価しています。
このあたりは数々の生放送や修羅場をくぐり抜けてきたSMAPだからこそ、その場での柔軟な対応力や技術力が育まれてきたといえます。
また、SMAPのライブの演出のほとんどを香取慎吾が手がけてきたことなどから、映画の技術的な部分にも精通しており、カメラ位置から考えたベストなポジションを瞬時に理解することができたり、アクションシーンでの怪我を防ぐためのセッティングなどの計算までできてしまっていたそうです。
白石和彌監督は、香取慎吾の存在感を「役所広司のような衝撃」と評しています。
なんというか、香取慎吾はどうしてもキャラものイメージがあり、もっと若い頃の、とてつもない演技力を知る人がいなさすぎると、ずっと思っていた。そこに、三谷監督や阪本監督が、とても評価してくださり、嬉しかった。そこに、まさかの白石監督!しみじみと泣きそうになった。#白石和彌 #香取慎吾
— mochimochi (@mochi6sma) 2019年5月10日
みんなの慎吾ちゃんなんだけど
もっともっと演技で評価されて欲しい…
香取慎吾楽しみすぎる#凪待ち— 💫tomo💫 (@ai_to_ichigo_c5) 2019年4月23日
ファンの間ではすでに承知の事実だったようですが、映画「凪待ち」を期に香取慎吾の演技が評価されるのかも注目です。
恒松祐里のキャスティングの理由や配役の意図は?
映画「凪待ち」のメインヒロインといえるキャラクターを演じるのが恒松祐里(つねまつゆり)です。
亜弓(西田尚美)の連れ子である娘・美波(恒松祐里)を演じています。
かつては2013年の27時間テレビの深夜コーナーである明石家さんまがその1年で好きになった女性をランキング形式で紹介する「ラブメイト10」にて、当時14歳ながらも6位にランクインしたことで話題になりました。
白石和彌監督との出会いは、恒松祐里が17歳の頃に雑誌の企画で知り合ったことで、恒松祐里のもつ雰囲気に惹かれたようです。
映画「凪待ち」のキャスティングにあたり、主演の香取慎吾はすでに決まっており、その娘役という重要な役を演じきることができれば恒松祐里の女優人生にとって大きな糧となることを期待してオファーしました。
恒松祐里が今作の美波のキャラクター像に近いものがあったのはもちろんでしょうが、それだけではなく白石和彌監督が恒松祐里に惚れ込んでいたことがキャスティングの第一歩になりました。
それだけの女優としての才能をもっているだけあって、すでに2019年に映画「凪待ち」を含めて5作の公開が決定しており、その人気ぶりも頷けます。
Netflixで放送される予定だった香取慎吾主演作とは?
白石和彌監督がお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹の作品である「火花(2016)」をNetflixで監督した際に、「Netflixで地上波ではできないような連続ドラマ」の企画を作っていました。
その当時からすでに香取慎吾を主役にした作品を作りたいと思っていた白石和彌監督でしたが、奇しくも2016年ごろはSMAPの解散にまつわる騒動があったことなどを理由に企画は頓挫し、オファーには至らなかったそうです。
白石和彌監督曰く「会心の企画だった」とのことなので、今回の映画「凪待ち」の成果次第では再びNetflixで放送される予定だった幻の香取慎吾主演作品の話が動き出すことを期待せずに入られません。
まとめ
今回は映画「凪待ち」で白石和彌監督がSMAPの香取慎吾を主演に起用した理由。
また、世間の香取慎吾の演技に対する評価と、白石和彌監督の香取慎吾の演技に対する評価の違いについてご紹介しました。
また、共演している恒松祐里のキャスティングの理由や配役の意図についてもご紹介しました。
そして、SMAPの解散騒動で頓挫してしまいましたが、Netflixで白石和彌監督×香取慎吾主演の作品の存在についてもお伝えしました。
白石和彌監督もオファーできなかったNetflixの作品を諦めていないようなので、ぜひとも現実となることを期待しています。
ご拝読いただきありがとうございました。