「メン・イン・ブラック3」は2012年に公開されたSFコメディ映画で、世界的に人気のある作品です。
2019年にはスピンオフ作品である「メン・イン・ブラック:インターナショナル」も公開されました。
今回は映画「メン・イン・ブラック3」の中で描かれている黒人差別は1969年にアメリカ行われていた実在したことなのか?
エージェントJの父親がアメリカ軍の大佐として、ロケットの発射台の統括管理をしていたことはあり得るのか?をご紹介します。
映画「メン・イン・ブラック3」で描かれている黒人差別は1969年のアメリカに実在した?
映画「メン・イン・ブラック3」で描かれた黒人差別は1960年代のアメリカで実際に行われていたものなのでしょうか?
1969年のアメリカの黒人差別の実態は?
アメリカで行われていた黒人差別の始まりは、1800年ごろにイギリスがアフリカ大陸で暮らす黒人たちを奴隷としてアメリカに販売したことから始まります。
奴隷は人間ではなく、ただの労働力としか見られていなかったことや、そうした考えが100年以上も行われ続けたことで黒人差別の考え方は深まっていきました。
リンカーン大統領の南北戦争や奴隷解放宣言もあり、少しずつ差別がなくなる方向へと進むかと思われていましたが、直接的な暴力によるものでない陰湿な差別が行われるようになっていきました。
1960年代には黒人男性が入店するもサービスを提供されなかったり、頭にケチャップをぶちまけられたりしていました。
黒人の差別をなくし、公民権を獲得するために行われた公民権運動の活動家は白人暗殺され、殺人罪で裁判を受けるも、陪審員はいずれも白人で有罪を免れました。
教会にも爆弾やダイナマイトが投げ込まれて子供を含めた20名以上が殺害される事件が起こったり、異人種間での結婚を州法で禁止する法律や、銀行口座の開設、保険、就職、医療サービス、スーパーマーケットに至るまで、ありとあらゆるサービスに拒否されていました。
映画「メン・イン・ブラック3」で1963年にタイムスリップをしようとクライスラービルの屋上にいるときに、ジェフリー・プライスから「あまりいい時代じゃない、2012年のほうがよっぽど過ごしやすい」と言われているのはこのためです。
映画「メン・イン・ブラック3」で描かれているアメリカの黒人差別は?
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映画「メン・イン・ブラック3」の中で見られる黒人差別はわずかで、1969年にタイムスリップしたエージェントJがホテルの前で盗んだ車でコニーアイランドという遊園地へむかっているときに、警官に止められて尋問を受けます。
当時の黒人は人権が制度的には保障されていたものの、まだまだ人間としては扱われていないことが多かった時代なので、黒人が車を運転してスーツまで着ていることで目をつけられてしまいます。
エージェントJが尋問を受けることに関しては、実際に盗んだ車だということが話のオチになっていますが、車を運転しているだけで盗難車だと疑われるような時代だったいえます。
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黒人差別の中でエージェントJの父親が大佐はありえる?
映画「メン・イン・ブラック3」にはエージェントJの父親がアメリカ軍の大佐として登場します。
黒人差別の中でエージェントJの父親が大佐はありえる?
1969年のアメリカは、前年にキング牧師が暗殺されるなど、決して黒人にとって明るい時代にはなっていませんでした。
そんな中、エージェントJの父親がアメリカ軍の大佐であり、アポロ11号の発射台の治安を任されていたということは実際にはあり得るのでしょうか?
1969年のアメリカ軍に黒人差別は実在した?
アメリカ軍の中でももちろん黒人差別は行われ続けてきました。
1955年から1975年まで続いたベトナム戦争においても黒人兵は戦闘が激化している地域で危険な任務に当たる役割を任されており、死傷者の中に占める黒人の割合は非常に高いものでした。
戦死者としてですが、1968年12月にはアメリカ陸軍大尉の黒人兵が初の指揮官の地位に就きました。
戦死者として表彰されて陸軍大尉の地位にある人物が初の黒人兵としての指揮官の位を得る時代なので、1969年に大佐の地位を与えられたうえで国家最重要プロジェクトといえるアポロ計画の要職を任されているということは、残念ながらありえません。
まとめ
・1969年のアメリカの黒人差別の実態は?
奴隷は人間ではなく、ただの労働力としか見られていなかったことや、そうした考えが100年以上も行われ続けたことで黒人差別の考え方は深まっていきました。
・映画「メン・イン・ブラック3」で描かれているアメリカの黒人差別は?
1969年にタイムスリップしたエージェントJが車でコニーアイランドという遊園地へむかっているときに、黒人が車を運転してスーツまで着ていることで目をつけられてしまいます。
・黒人差別の中でエージェントJの父親が大佐はありえる?
1969年のアメリカは、前年にキング牧師が暗殺されるなど、決して黒人にとって明るい時代にはなっていないことからも、エージェントJの父親が大佐の地位にいたことはあり得ません。
・1969年のアメリカ軍に黒人差別は実在した?
黒人兵は戦闘が激化している地域で危険な任務に当たる役割を任されており、死傷者の中に占める黒人の割合は非常に高いものでした。
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