映画「キングコング:髑髏島の巨神」はモンスターバースというさまざまな世界的に有名な怪獣・モンスターが同じ世界の中に存在したらどうなるか?という考えのもとに作られた作品の一つです。
今回は本作の怪物・モンスターのヴィジュアルデザインや日本刀、小道具などに散りばめられたエヴァンゲリオンやカオナシのようなジブリ作品へのオマージュを思わせる点について、ディレクターは意識して作ったのかをご紹介したいと思います。
映画「キングコング:髑髏島の巨神」のあらすじは?
映画「キングコング:髑髏島の巨神」は1973年、ベトナム戦争終結後のアメリカにあるモナークという巨大生物を研究調査する組織が髑髏島という南太平洋に浮かぶ未開の島への調査をしに行くことから物語は始まります。
古くからバミューダトライアングルのように髑髏島では行方不明者や艦船が大破して帰還してくるなどのおかしな出来事が続いていました。
髑髏島へと上陸した調査団員たちはコングという島の守り神である巨大化した猿と出会います。
髑髏島には獰猛な未知の生命体が独自の進化を遂げて生息しており、調査団員たちを次々に襲ってきます。
彼らは髑髏島から脱出してアメリカへと無事に帰還することができるのか?・・・というあらすじです。
映画「キングコング:髑髏島の巨神」はジブリや日本アニメ作品へのオマージュ?
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映画「キングコング:髑髏島の巨神」のディレクターであるヴォート・ロバーツは日本漫画やゲーム、アニメを見て育ったと語る日本のアニメ作品が大好きな人物です。
本作にも多分に反映されており、全体的な髑髏島の世界観のベースとして宮崎駿のジブリ作品「もののけ姫」の要素が多く含まれています。
また、この他にもゲームクリエイターの「横井軍平」や「エヴァンゲリオン」、「AKIRA」などの日本のアニメ作品などのオマージュが含まれています。
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映画「キングコング:髑髏島の巨神」でジブリを意識してる点
映画「キングコング:髑髏島の巨神」でジブリを意識していると思われるポイントを見ていきましょう。
世界観はもののけ姫を意識
映画「キングコング:髑髏島の巨神」における主人公的な存在でもあるコングは、島に巣食うさまざまな獰猛な生命体から大人しい生き物たちを守ってきた島の守り神のような存在です。
ディレクターのヴォート・ロバーツは、本作でキングコングをただの大きな猿やゴリラではなく、オスと獣と神の3つの要素を組み合わせた存在にしたかったと言います。
本作のコングが持つ気品や誇りと堂々とした態度を作ると同時に、どこかで島を孤独に守らなければならない悲しみも持たせています。
自然にあふれた髑髏島という孤立した島を統べる者・コングとそこに住む生き物たちの神聖な世界はもののけ姫の世界観をモデルにしています。
もののけ姫を思わせる怪獣・モンスター
もののけ姫を思わせる怪獣・モンスターとして、髑髏島への上陸後から時々登場するスケル・バッファローという水牛のような生き物がいます。
おだやかな優しい瞳をしており、どこかもののけ姫のヤックルのような神秘性を併せ持っています。
コングが髑髏島を守護する神であるならば、髑髏島に住む生き物たちも神秘性を併せ持つべきだという考えから、アイディアの元となったもののけ姫の世界に住む動物たちが意識的に取り入れられている。
千と千尋の神隠しに関連する怪獣・モンスター
おしろいをはたいたかのような白い顔と口を開くと大きく一飲みにできる恐ろしい口を持つ姿。
スカルクローラーの原案は1933年の映画「キングコング」に登場する「後ろ足のないトカゲ」が着想になっていますが、獰猛さのモデルとしてジブリ作品の「千と千尋の神隠し」のカオナシが生かされています。
刀のデザインがもののけ姫と同じ
MIYAVI (グンペイ・イカリ)の持つ日本刀には独特のデザイン・模様が施されています。
映画の後半で日本刀をマーロウが持ち、向かい来るスカルクローラーに対して構えを整える時に柄に施されたデザイン・模様が見えます。
白い三角が2つ並んでいます。
日本刀をイメージしている割には和ではありません、記号的な別の意味がありそうです。
どうやらこの三角も日本の有名なアニメ映画「もののけ姫」のサンが持つナイフのデザインから来ているようです。
「人間が投げてよこした赤子がサンだ」ってモロが言ってるけど、『実は、まだ海賊だった頃のエボシ御前が、女の子を産み落として里子に出し、里親が生け贄として差し出したのがサンだった』って説があるらしい。敵として再会し、お互いが母娘と知らぬまま戦うとか…なにそれエモすぎない?#もののけ姫 pic.twitter.com/nDx1g3ZptT
— 茉莉花べにこ (@beniko71) 2018年10月26日
映画「キングコング:髑髏島の巨神」で日本アニメ作品をオマージュしている部分
ディレクターのヴォート・ロバーツは怪獣・モンスターのデザインやアイディアにジブリの宮崎駿作品である「もののけ姫」が影響したと話しています。
ヴォート・ロバーツは現実世界に存在する生き物のデザインと、架空の美しさと恐ろしさを併せ持つデザインを融合して怪獣・モンスターを作り上げていきました。
新世紀エヴァンゲリオンの使徒を意識した怪獣・モンスター
スカルクローラーの頭部はジブリ作品「千と千尋の神隠し」のカオナシだけでなく、「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒・サキエルもモチーフにしています。
スカルクローラーは前足のみのトカゲであり、上半身が発達した使徒サキエルの容姿に似ています。
グンペイ・イカリの名前はエヴァンゲリオンの主人公
MIYAVIが演じる日本兵の「グンペイ・イカリ」の名前も「グンペイ」は任天堂でゲームボーイなどの開発をした横井軍平から。
そして苗字の「イカリ」はエヴァンゲリオンの主人公・碇シンジからきています。
マーロウの容姿や衣装は「AKIRA」
映画の冒頭には第2次世界大戦中のアメリカ軍パイロットのハンク・マーロウ(ジョン・C・ライリー)と日本軍パイロットのグンペイ・イカリの死闘が描かれています。
ジョン・C・ライリーが演じたマーロウの若き頃の容姿と着用しているジャケットは有名な日本アニメである「AKIRA」の主人公・AKIRAをイメージしてデザインされています。
ちなみにジャケットに書かれている「For Your Health」がアメリカでは有名なテレビ番組のキャラクターSteve Brule (このキャラクターを演じているのもハンク・マーロウを演じたジョン・C・ライリーということから噂された)のセリフから引用されているという点は偶然だそうです。
ハンク・マーロウの着用しているジャケットのエンブレムは髑髏島のモンスターを抽象化したデザインに見える点は意図しています。
有名な映画「タクシードライバー」でロバート・デニーロが演じたトラヴィス・ビックルというキャラクターが来ているジャケットのバッチには「King Kong Company」と書かれています。
これら2つのバッチと紋章を並べると似ていることがよくわかります。
Note to self, when you wear your military jacket you look like Travis Bickle! Thanks @nsbulk lol 😂😂😂 pic.twitter.com/wuu1HDwdWU
— linda (@riokitty) 2015年11月11日
イーウィ族のフェイスペイントは人種差別問題を意識
映画「キングコング:髑髏島の巨神」の怪物・モンスターや容姿や名前など、多くのものにはジブリや日本のアニメ作品をオマージュしたものになっています。
その中でも、髑髏島の原住民であるイーウィ族の顔にされているフェイスペイントは人種差別問題にならないように、参考とした部族はいないそうです。
その代わりに、髑髏島は独自の進化をした島でありある意味では高次の世界ということを表すために、フェイスペイントのデザインは8-bitや機械の基板のような回路から着想を得ています。
まとめ
・映画「キングコング:髑髏島の巨神」はジブリや日本アニメ作品へのオマージュ?
映画「キングコング:髑髏島の巨神」のディレクターであるヴォート・ロバーツは日本のアニメ作品が大好きな人物で、それらの要素を散りばめたことを認めています。
・映画「キングコング:髑髏島の巨神」でジブリを意識してる点
世界観はもののけ姫を意識しています。
もののけ姫を思わせる怪獣・モンスターが登場します。
強敵スカルクローラーは千と千尋の神隠しの「カオナシ」をモデルにしています。
刀のデザインがもののけ姫の「サン」が持つナイフと同じ三角が2つ並ぶ模様をしています。
・映画「キングコング:髑髏島の巨神」で日本アニメ作品をオマージュしている部分
新世紀エヴァンゲリオンの使徒「サキエル」もスカルクローラーの容姿のモデルです。
グンペイ・イカリの名前はエヴァンゲリオンの主人公「碇シンジ」から命名されています。
マーロウの容姿や衣装は「AKIRA」の主人公・AKIRAをイメージしています。
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