不登校の小学校・中学校児童生徒数は年々増加傾向にあります。
理由はいじめだけでなく、色々な原因が組み合わさったり場合によって変わったり様々です。
今回は不登校は日本とアメリカでどのような違いがあるのか?
日本とアメリカでの不登校に対する意識や制度の違い、ホームスクーリングについて紹介します。
不登校の日本とアメリカの違いは?
不登校の日本とアメリカでの違いはなんでしょうか?
まずは不登校の定義の部分から見ていきましょう。
日本における不登校とは何か?
日本における不登校とは、字の通り「学校に登校していない状態」状態を指し、原因や理由には言及していません。
1968年に初めて精神医学者・清水将之が使った言葉とされており、当初は病気や貧困、非行などを原因とするものは不登校ではないとされていました。
現在では広く、学校に登校していない状態を指します。
いじめや同級生にハブられているものもあれば、生活習慣が身についていないために登校すべき時間に起きられない、ゲームなどに熱中して登校する気が起きないなど、すべて含まれます。
アメリカにおける不登校とは?
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アメリカにおける不登校は意図的に許可されていない違法な欠席を指します。
子供達だけの意思で勝手に行われた欠席を指し、病気や事故などに関連した合法的なものは含まれません。
アメリカでは不登校の定義が学校の方針として示されており、学校ごとに異なります。
制度としてホームスクーリングが学校教育の代わりとして認められているため、両親がホームスクーリングだと主張する場合には不登校には当てはまりません。
学校によっては不登校をした児童生徒に対して留年や罰金、単位を与えないなどの罰則が行われているところがあります。
アメリカでは、不登校の無断欠席が発覚した時には自動的に両親に出席していない旨の通知がいき、多くの州で不登校記録をオンラインで調べることができます。
ロサンゼルスでは2008年に約12000人の児童生徒に対して不登校を理由に罰則チケットが発券されました。
州によっては、不登校の子供を監視して街中にいれば逮捕して両親や学校に連れて行く権利を持つ役員制度があります。
こうした制度は19世紀ごろからあるようです。
また、不登校の子供に対して、運転免許証の取り消しを行う権限が与えられていたりします。
私立学校やホームスクーリングの子供たちは公立学校に登校する義務はもちろんありません。
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不登校の日本とアメリカの意識や制度・ホームスクーリングとは?
不登校に対する日本とアメリカの意識や精度の違いはなんでしょうか?
また、ホームスクーリングについても紹介します。
不登校の日本とアメリカの意識の違いは?
アメリカにおいては、不登校は犯罪に近い意識を持たれています。
それに比べて日本の場合は不登校になっている子供が強制的に逮捕・連行されるようなことはないため、その意味では日本は寛容であると言えます。
おそらくはアメリカの不登校のイメージは日本と同じような状況のものだと思われます。
そこで、日本の不登校と釣り合うのはアメリカのホームスクーリングがそれに該当すると言えます。
教育は3つに分けられます。
社会教育、家庭教育、学校教育です。
日本の場合は「学校教育>家庭教育>社会教育」のように優先度や重視されている度合いに違いがあります。
年々学校教育に求められることが増えていっており、家庭で今までやられていたしつけや倫理観の教育すらも学校が請け負って当たり前と言われています。
アメリカの場合は「学校教育=家庭教育>社会教育」といったイメージです。
キリスト教が根強く存在することも影響しているのですが、公立の学校では日本と同じようにダーウィンの進化論を教えられます。
人間はサルから進化した生き物だという価値観を教え込まれます。
キリスト教の中でも原理主義・福音派と言われる人たちはこの考えを受け入れていないため、ダーウィンの進化論は誤りだと主張します。
こうした意見を持つ家庭は決して少なくないため、「宗教的な理由から学校に通わせない、ホームスクーリングをする」という選択肢が法律でも認められています。
つまり、日本では不登校の理由や親の許可を得ているか、いないかなどは一切無視して、不登校に対する罰則などもなく親や家庭でなんとかする問題という意識があります。
アメリカでは不登校は子供が勝手に学校に行かないという選択をしたもので、違法行為として認識されます。
ただし、病気や事故などを理由とする不登校は違法行為ではありませんし、親が許可をしておりホームスクーリングを行うことになっていれば不登校には該当せず、学校に通っているのと同じように単位が保証されて卒業が認められます。
ホームスクーリングの自由度は高く、子供の興味があることを親がサポートするようなものも認められており、書いたり、描いたり、パズルやスポーツ、読むこと、人を助けること、ものを売ること、ものを作ることもすべてホームスクーリングの教育の範疇です。
また、大学に進学する子供も多く、強制的に教育を受けさせられてきていないことが多いため、興味関心に敏感であり大学でも積極的に勉強する傾向にあるため成績優秀者が多いです。
不登校の日本とアメリカの制度の違いは?
日本とアメリカでは不登校の定義が違うため、一概に精度の違いを比べることは難しいのですが、アメリカにおいては「不登校=学校に通わない」と捉えた場合に、学校に通わない理由によって扱いが全く異なります。
子供が勝手に学校に通わない判断をすることは禁止されています。
親が認めている場合にはホームスクーリングという制度が確立しており、州によって異なりますがカリキュラムを組んで勉強をして学校に通っているのと同じように学歴として認められます。
また、学校の学習内容と全く同じものを勉強する必要がない州も多く、子供が興味関心を持ったことを親がサポートして、それこそプロのポーカープレイヤーになることもホームスクーリングの一つの形として可能です。
また、飛び級制度も認められているため、実際にホームスクーリングで勉強した子供の方が学校に通った子どもよりも早く大学に進学できたり、成績も優れていることが多いようです。
子供が勝手に判断した不登校は、頻発するようなら治療施設や矯正施設に収容されてしまうことがあります。
これに比べて日本の不登校に対する制度は、ホームスクーリングが認められていない点は違いますが、義務教育機関の小学校・中学校の間に不登校であっても施設に収容されることはなく、自動的に進級も卒業もできてしまいます。
また、少しずつフリースクールや民間の施設への出席を学校の出席としてカウントするように促されているため、アメリカよりも自由度が高いと言えなくもありません。
ホームスクーリングとは?
ホームスクーリングとは家庭や学校以外の場所で子供の教育を行うことです。
親や家庭教師、オンラインでの講師による授業なども含まれ、海外では比較的一般的な学習方法です。
まとめ
・日本における不登校とは何か?
日本における不登校とは、字の通り「学校に登校していない状態」状態を指し、原因や理由には言及していません。
・アメリカにおける不登校とは?
アメリカにおける不登校は意図的に許可されていない違法な欠席を指します。
・不登校の日本とアメリカの意識の違いは?
アメリカにおいては、不登校は犯罪に近い意識を持たれています。
それに比べて日本の場合は不登校になっている子供が強制的に逮捕・連行されるようなことはないため、その意味では日本は寛容であると言えます。
・不登校の日本とアメリカの制度の違いは?
日本とアメリカでは不登校の定義が違うため、一概に精度の違いを比べることは難しいのですが、アメリカにおいては「不登校=学校に通わない」と捉えた場合に、学校に通わない理由によって扱いが全く異なります。
・ホームスクーリングとは?
ホームスクーリングとは家庭や学校以外の場所で子供の教育を行うことです。
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