太陽系の小惑星リュウグウを調査中の「はやぶさ2」が2019年7月11日に2度目のタッチダウン・着地に成功したとして話題になりました。
今回は「はやぶさ2」が行った2度のタッチダウン・着地の何がすごいのか?
2回着地した理由や海外の反応も紹介します。
「はやぶさ2」タッチダウンは何がすごい?2回着地の理由も
「はやぶさ2」の2度のタッチダウン・着地は何がすごいのでしょうか?
また、1度目との違いや難しさと何か見ていきましょう。
「はやぶさ2」の目的は?
「はやぶさ2」は2014年に地球を出発し、約6年間・52億kmもの長い旅路へと出発向かいました。
2010年に帰還した「はやぶさ」と同じく、小惑星に向かい石や砂を採取して地球に戻ってきて、採取した物を入れたカプセルを地球に落下させて再び宇宙に戻る予定になっています。
「はやぶさ」は小惑星イトカワという直径500mほどの惑星に向かい、微粒子を採取して地球に持ち帰りました。
「はやぶさ2」が調べるのは約2倍の大きさがある小惑星リュウグウ、この星は炭素系の物質を多く含んでいるとされています。
炭素があるということは有機物があり、地中には「水」そのものではありませんが「含水鉱物」が多く存在するのではないか?と考えられています。
小惑星リュウグウは私たちが住む地球と同じく、太陽系の誕生した時に生まれた星とされており、通常は他の小惑星と衝突して無くなってしまうのですが、小惑星リュウグウは奇跡的に太陽系が誕生した当時の状態を維持していると考えられています。
つまり、小惑星リュウグウには生命誕生の起源やそのヒントとなる情報が秘められているかもしれないため、「はやぶさ2」で探査する事になりました。
小惑星リュウグウに「はやぶさ2」が探査に行く理由は?
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小惑星リュウグウが「はやぶさ2」の探査の対象となった理由はいくつかあり、
- 生命誕生の期限やヒントが秘められているかもしれないため
- 地球に衝突する可能性が高い小惑星だから
- 地球から比較的近い軌道ため到達しやすいから
などが挙げられています。
タッチダウンの意味や目的は?
小惑星リュウグウに「はやぶさ2」がタッチダウンを成功したということなのですが、この場合のタッチダウンとは「着地、接地」を指します。
なので小惑星リュウグウに「はやぶさ2」が着陸成功という事になるのですが、厳密には着陸そのものを指しておらず、
「タッチダウン=小惑星の砂や石などのサンプルを採取した」
という捉え方が正しいです。
「はやぶさ」と「はやぶさ2」のタッチダウンの違いは?
2010年に帰還した「はやぶさ」も小惑星イトカワの地表の砂や石を採取する事に成功しています。
「はやぶさ2」のタッチダウン(サンプル採取)は「はやぶさ」とは少し違います。
「はやぶさ」でも行おうとしていた事なのですが、小惑星の地表の物質は太陽光にさらされていて風化しており、サンプルとして適切ではない可能性が高いです。
そのため、「はやぶさ2」では、小惑星に穴を開けて地中の砂や石をサンプルとして採取することにしました。
「はやぶさ2」タッチダウン着地の何がすごい?
2019年7月11日の2度目のタッチダウン・着地がすごい快挙だと取り沙汰されていますが、2019年2月22日の1度目のタッチダウン・着地も十分すごいことでした。
小惑星リュウグウも太陽の周りを公転しながら秒速約10cmで自転しています。
小惑星リュウグウには人間が感じられるほどの重力もないため、「はやぶさ2」も基本的には小惑星リュウグウの上に浮かんだ状態にあります。
小惑星リュウグウの表面は岩で覆われ入り組んでおり、いつでもサンプルを採取できる状態ではありません。
そのタイミングを見計らいつつ操作するのですが、地球からのコントロールの電波は到達するまでに19分もかかってしまう状況です。
当初は2018年10月に1度目のタッチダウン・着地を行う予定でしたがタイミングが合わずに延期せざるを得ませんでした。
そうした厳しい状況の中、2019年2月22日に小惑星の地表にタンタル製の弾丸を音速射撃(秒速300m)し、舞い上がった砂や石を採取する事に成功しました。
小惑星リュウグウ爆破の必要性は?
1度目のタッチダウン・着地の成功の後、さらに地下深くの砂や石を採取するために4月には「インパクター」と呼ばれる銅製の弾丸を地表に射撃して、小惑星リュウグウに人口のクレーターを生成しています。
これで、より地下深い層の宇宙線や太陽光などの風化の影響を受けていないサンプルを採取することが可能になります。
科学者たちにとってはとても重要な違いでもあります。
2度タッチダウン着地の理由は?
2度目のタッチダウン・着地のすごさは、一つは失敗のリスクの大きさです。
もし失敗すれば、「はやぶさ2」の機体にダメージが加わりせっかく1度目に採取したサンプルを地球に持って帰れなくなり全てが無駄になってしまう危険性がありました。
そしてなによりも、4月に小惑星リュウグウに作成したクレーターによって、今まで人類がなし得たことのない地下物質の採取に成功しました。
こればかりは実際に「はやぶさ2」が地球に帰還してカプセルを無事に届けられない限りはわかりませんが、もしかすると太陽系の起源や宇宙の進化の様子などが明らかになるかもしれません。
【PPTD】こちらは、小型モニタカメラ(CAM-H)がタッチダウンの前後に撮影した画像です。1枚目がタッチダウン4秒前、2枚目がタッチダウンの瞬間、3枚目がタッチダウン4秒後です。3枚目の写真には多数の岩石が舞い上がっている様子がわかります。 pic.twitter.com/CSljRmKpnp
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2019年7月11日
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「はやぶさ2」2回タッチダウン成功の海外の反応は?
「はやぶさ2」の2度にわたるタッチダウン・着地の成功のニュースは、2010年の「はやぶさ」帰還で一気に知名度が増していたこともあり、日本中に広まりました。
そして「はやぶさ2」が起こした地中からのサンプル採取という快挙は世界的にも初の出来事で注目が集まりました。
いくつかツイッター上の海外の反応を紹介します。
Yippee and Congratulations. This is just so amazing and cool. It’s going to be difficult waiting for the samples results. You guys rock.
— Maria Swanson (@ZezeSwanson) 2019年7月12日
(うぉおお!おめでとう。ただただすごいしマジやべぇ。サンプルの調査結果が待ち遠しくてたまらないね!!あんたら最高だよ。)
Thank you for pushing humanity to do great things!!!!
— JawnDudeF (@f_jawn) 2019年7月12日
(偉大なる人類の進歩に万歳!!!)
Good work, everyone. I am looking forward to seeing what new information the samples have.
— Marilyn Mix (@MarilynMix42) 2019年7月12日
(おつかれさま。採取したサンプルが新しい情報をもたらしてくれることを楽しみにしているよ。)
Japan’s gonna save the world? Japan’s gonna save the world.
— Billy Garrity (@WilburWilbur45) 2019年7月11日
(JAPANが地球を救うのか?そう、JAPANが地球を救うんだ。)
Fantastic job, everybody!! You’ve made history! The world is in awe of your accomplishment!
🇯🇵 👍😁👍🇯🇵 You are inspiring many young minds today!— Pooetryman (@POOetryman) 2019年7月11日
(本当に素晴らしいよ!あなたたちはまさに歴史を作ったんだ!!世界があなたたちの功績に賛辞を贈るよ!今日、あなたたちは間違いなく若者たちの心に火をつけたよ!)
[クレーターや爆薬を使用した事に対して] (私たちの小さな惑星の友達を大切にしてね。)Please be careful with our little space rock friend.
— Dave Snodgrass (@shaggysnod) 2019年7月11日
Great job! Calling this mission extraordinary is a clear understatement. Thank you Hayabusa2 team!
— Joel Loeschman (@JoelLoeschman) 2019年7月11日
(素晴らしい!あなたたちのした働きを「偉大なる任務」と呼んだとしても言葉が足りないよ。ありがとうチーム「はやぶさ2」!)
まとめ
・「はやぶさ2」の目的は?
2010年に帰還した「はやぶさ」と同じく、小惑星に向かい石や砂を採取して地球に戻ってきて、採取した物を入れたカプセルを地球に落下させて再び宇宙に戻る予定になっています。
・小惑星リュウグウに「はやぶさ2」が探査に行く理由は?
- 生命誕生の期限やヒントが秘められているかもしれないため
- 地球に衝突する可能性が高い小惑星だから
- 地球から比較的近い軌道ため到達しやすいから
・タッチダウンの意味や目的は?
小惑星リュウグウに「はやぶさ2」がタッチダウンを成功したということなのですが、この場合のタッチダウンとは「着地、接地」を指します。
・「はやぶさ」と「はやぶさ2」のタッチダウンの違いは?
「はやぶさ2」では、小惑星に穴を開けて地中の砂や石をサンプルとして採取することにしました。
・タッチダウン着地の何がすごい?
厳しい状況の中、2019年2月22日に小惑星の地表にタンタル製の弾丸を音速射撃(秒速300m)し、舞い上がった砂や石を採取する事に成功しました。
・小惑星リュウグウ爆破の必要性は?
より地下深い層の宇宙線や太陽光などの風化の影響を受けていないサンプルを採取することが可能になります。
・2回タッチダウン着地の理由は?
4月に小惑星リュウグウに作成したクレーターによって、今まで人類がなし得たことのない地下物質の採取に成功しました。
・「はやぶさ2」2回のタッチダウン成功の海外の反応は?
「はやぶさ2」が起こした地中からのサンプル採取という快挙は世界的にも初の出来事で海外からも注目が集まりました。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。