2014年12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」は目標だった「小惑星リュウグウ」を捉え、2度の着陸に成功しました。
今回ははやぶさ2の帰還場所・落下地点はどこで理由は何か?
着地予想地点の決定方法について紹介します。
はやぶさ2の帰還場所・落下地点はどこ?
はやぶさ2の帰還場所・落下地点はどこにいつごろ着陸するのでしょうか?
またその地点はどのように決定されるのでしょうか?
はやぶさ2の帰還はいつ?
はやぶさ2は現在、目的とされていた「小惑星リュウグウ」に到着し、着陸や生命の元となる有機物が含まれているかもしれない小惑星内部の砂の採取を行っています。
今後は2019年11〜12月に帰路につく予定で、1年ほどかけて地球へと帰還することになっています。
早ければ2020年の11〜12月ごろには帰還できる予定です。
ただし、厳密には「はやぶさ2」は地球に帰還しません。
大気圏突入の直前に小惑星リュウグウから採取した砂の入った「帰還カプセル」 を分離したあと、再び地球を離れて新たな旅に出る予定になっています。
はやぶさ2の帰還場所・落下地点はどこで理由は?
|
|
現在のところは、はやぶさ2の帰還場所・落下地点は決まっていません。
帰還時期が明確でない理由と同じで、地球の周期と小惑星リュウグウの周期の噛み合わせによって帰還時期が早まるか遅くなるかが変わります。
同じく地球に近づいた時に着陸に当たって安全確保などの要件を満たしている地点を選定して、許可が出れば大気圏への再突入という流れになるためです。
2010年に帰還した「はやぶさ」のカプセルはオーストラリアの砂漠地帯にある「ウーメラ立入制限区域」と呼ばれるオーストラリアの南部に落下しました。
「ウーメラ立入制限区域」はオーストラリア空軍のミサイル実験場であると同時に、原住民であるアボリジニーの聖地に空軍が借用している土地でもあります。
そのため、落下物の回収にあたってはアボリジニーの代表に同行してもらって確認の後に発見・回収しました。
帰還にあたり危険を回避するためにもできるだけ人口の密集していない地域を選ぶ事になること、また前回の「はやぶさ」帰還の際に噂されていた韓国から落下物を窃取しようとしているという話があったように、できるだけ妨害の入らない地点が選定されることになるでしょう。
|
|
はやぶさ2・衛星の着地予想区域の決定方法は?
はやぶさ2や衛星の着地予想区域の決定方法について見ていきましょう。
衛星の帰還・着地点を決定するときのルールは?
衛星の帰還・着地点の決定にはいくつものルールが存在します。
帰還・着地点には大きく2つの種類があり、「領土・領海内」か「領土・領海外」によってルールが大きく異なります。
着地予定区域が領土・領海内のとき
- 領土・領海を含む領域に着地予定区域を設定する場合には、当該国の規制、安全基準及び当局の指示に従うこと。
着地予定区域が領土・領海外のとき
- 原則として、陸地から100km以上離れた海域に設定する。
- 可能な限り排他的経済水域(EEZ)を含まないこと。
- 混雑空域・混雑海域と着地予定区域が干渉しあわないように、空・海域の管轄局の指示を受けること。(飛行機や船への影響を最小限にする)
- 石油採掘施設のような重要な海上施設がないか確認をすること。
2010年の「はやぶさ」をオーストラリアに着地させるときにも、オーストラリアの産業・技術・観光省が定めた「FLIGHT SAFETY CODE」というガイドラインに従ってあらかじめ決められた区域を着地予定区域に設定するとともに、万が一の事故が起きたときの被害などについての予測・評価も実施されました。
また、着地に当たってのコントロールができない場合には大気圏への再突入が許可されず、地球の周囲を回り続ける事になります。
どれだけ偉大な発見をしていたとしても、安全確保がなされない限りは地球に帰還することができないため、「はやぶさ」の時にも帰還に当たってはさまざまな工夫や葛藤がなされました。
はやぶさ2の着陸方法は?
「はやぶさ2」の着陸は厳密には誤りで、地球へと着陸するのは「はやぶさ2」から分離されたカプセルのみです。
こちらもどのような装置を駆使するのかは今のところ分かりませんが、おそらくは「はやぶさ」の時と同じカプセルの作りと考えられます。
ひとまず、「はやぶさ」のカプセルの大気圏再突入のときのデータを紹介します。
「はやぶさ」のカプセルは直径約40cm、厚さ3cmの鍋型でした。
- カプセル本体
- カプセルを熱から守るヒートシールド
- 地球に着地するときの衝撃緩和のパラシュート
の3つで構成されています。
大気圏に突入するときの速度は秒速約12kmで、大気との摩擦によってカプセルの表面は1万℃以上の高温に包まれるため、ヒートシールドが効果を発揮します。
高度5kmでヒートシールドが分離されてパラシュートを開き、まもなく着陸するという電波信号(ビーコン)が発されます。
その後、着陸予定区域の周囲を電波信号(ビーコン)と発熱による赤外線を頼りに発見します。
まとめ
・はやぶさ2の帰還はいつ?
今後は2019年11〜12月に帰路につく予定で、1年ほどかけて地球へと帰還することになっており、早ければ2020年の11〜12月ごろには帰還できる予定です。
・はやぶさ2の帰還場所・落下地点はどこで理由は?
現在のところは、はやぶさ2の帰還場所・落下地点は決まっていません。
・衛星の帰還・着地点を決定するときのルールは?
衛星の帰還・着地点の決定にはいくつものルールが存在します。
帰還・着地点には大きく2つの種類があり、「領土・領海内」か「領土・領海外」によってルールが大きく異なります。
・はやぶさ2の着陸方法は?
どのような装置を駆使するのかは今のところ分かりませんが、おそらくは「はやぶさ」の時と同じカプセルの作りと考えられます。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。