ヘアドネーションの知名度が年々増してきています。
しかし実情としてはどうなのでしょうか?
日本よりもヘアドネーションが広く認知されているアメリカの例も踏まえて気持ち悪いし意味ないといった意見、無駄と感じたりヘアドネーションの生み出すデメリットについて紹介していきます。
ヘアドネーション気持ち悪いし意味ない?
ヘアドネーションは気持ち悪いし意味がないという意見があります。
まずはヘアドネーションとは何か?というところから見ていきましょう。
ヘアドネーションとは?
ヘアドネーションはその名の通り、髪を寄付することを指します。
アメリカのLocks of Loveという団体などから始まった活動とされており、多くはなんらかの病気や事故で髪を失った子供のために、寄付された髪から人毛のウィッグを作り有償・あるいは無償で提供する活動です。
日本でも特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charityが2009年から同様の活動を開始し、他に特定非営利活動法人HERO、株式会社グローウィングの「つな髪プロジェクト」が認知されています。
当初は月に1通程度の寄付だったものが、芸能人が宣伝したことによって1日150〜200通近くの髪の寄付が届くようになったそうです。
団体によって女児のため、成人女性のためなど対象が異なっています。
また、それに伴って寄付する事のできる髪の長さにも違いがあります。
ヘアドネーションは意味ないし気持ち悪い?
|
|
ヘアドネーションが意味ないことなのかは、何に焦点を当てて論じるかによって変わってきます。
病気や治療・投薬、事故などによって髪を失った人たちが使うものとして医療用ウィッグというものがあります。
材質は2種類でヘアドネーションなどで集められた人毛を用いたものと、化学繊維を用いた人工毛のものです。
人工毛は技術的にも化学繊維の質は向上して行っているため、不自然さは改善されていっています。
ウィッグを求める人も人毛に気持ち悪いと感じる人もいれば、人工毛が肌に合わないため人毛のほうがいいという人もいます。
人毛のウィッグに意味がないかという点に関しては、少なくとも需要はあるため意味があると言えます。
しかしヘアドネーションをすること自体に意味があるかと言えば、
「ヘアドネーションをした=人毛ウィッグとして活用される」
とはいきません。
「捨てるよりはマシ」といった程度の感覚でやっていてはヘアドネーションをしている団体にとって無駄でしかありません。
人毛ウィッグとして再利用するためには薬剤を使った加工や熱処理などを行う必要があるため、一番理想的なのはブリーチもパーマもかけていない髪でヘアアイロンやドライヤーの使用時にも乾燥させすぎやトリートメントにも十分に気をつけられた髪であることです。
ヘアドネーションの寄付された髪が余っている?
できる限り寄付された髪が無駄にならないような使い道を団体の多くは模索していますが、今では1日に150〜200通も集まっているのにそれらが十分に活かされて人毛ウィッグを欲している人の手に届いていない背景には選別が追いついていないことが要因として挙げられます。
「寄付された髪の長さがどれくらいか?」
「寄付された髪の強度はどれくらいか?傷んでないか?」
その取捨選択をしなければなりません。
ヘアドネーションが流行しているからといって、今まで人毛ウィッグとして活用されることを想定したケアをしてきていない髪を送りつけることで社会貢献できたと思い込むことは、多くの危険性をはらんでいます。
日本に関わらず多くのヘアドネーションを行っている団体は寄付金を募っており、慢性的な資金不足にあります。
あなたの髪がヘアドネーションを想定したケアをし続けてこれていないのであれば、そしてヘアドネーションの理念に賛同しているのならば、直接的に資金援助をすることもヘアドネーションを支える一つの手段として考えられたほうが良いかもしれません。
|
|
ヘアドネーションは無駄やデメリットと言われる理由は?
ヘアドネーションが無駄と言われる理由はなんでしょうか?
またヘアドネーションが生み出すデメリットについてアメリカの事例を踏まえて紹介していきます。
ヘアドネーションの寄付された髪はその後どうなった?
十分にケアされた髪をヘアドネーションをしようと思った時に、どこまで責任をもって取り組んだのかは重要です。
- ヘアドネーションの考えに賛同しているサロンとして信頼が置けるのか?
- あなたの寄付した髪は人毛ウィッグになるために条件を満たしていたのかそれとも無駄になったのか、売り払われたのか?
ヘアドネーションの詐欺団体ではないか?
そして、日本でも少しずつ話題になっていることです。
ヘアドネーションという取り組みの認知度が日本でも徐々に増してきており、寄付金額は不足していますが「カットした捨てるだけの髪が誰かの役に立つ可能性」という手軽さから寄付件数は増加しています。
そうすると登場してくるのが詐欺団体です。
ヘアドネーションを本当には取り組んでいないにも関わらず髪を寄付するように求めてくる団体が現れます。
アメリカやヨーロッパ、アジアの国でもヘアドネーションに取り組んでいる団体と見せかけて集めた髪を売り捌いているマフィアが摘発された例があります。
https://www.thenewsminute.com/article/does-donated-hair-reach-cancer-patients-kerala-group-complains-profit-racket-71187
ヘアドネーションの知名度が増してきた日本でもすでに実在する団体を騙った詐欺が横行しています。
ヘアドネーションをした気になって終わるのではなく、責任を持って「本当に正しく活用してもらえているのか?」まで見届ける必要があります。
そうでなければヘアドネーションをしたつもりでも、その行為はただの無駄か怪しい団体、詐欺グループの資金となるだけかもしれません。
ヘアドネーション団体の寄付金額や使途は?
アメリカのヘアドネーション団体Locks of Loveは事業報告を適切に行っていないと批判されています。
毎年、最大で6億円程度の利益が計上されていないとForbesやThe Huffington Postは報告しています。
アメリカの財務省IRSの元職員はその中で「秘匿された情報が多く、いずれのデータも正確性に欠ける」と指摘しています。
ヘアドネーションをしているという自己満足のためではなく、髪を失った子供たちなどのためにヘアドネーションをしているのであれば、本当に信頼できる団体なのかを事業報告書などから確認しておくことも必要です。
特定非営利活動法人に関しては内閣府の「NPO法人ポータルサイト」に団体名を入力すれば事業報告書を閲覧することができます。
ヘアドネーションが貧困国に与えるデメリットは?
ヘアドネーションを行っている団体によりますが、多くは31cm以上の髪を求めており、需要としては長髪を手に入れたいと思っている人たちが多いため、できれば50cm以上であることを望んでいます。
また、ブリーチや染色、パーマについても団体によってはヘアドネーションOKとしているところもありますが、往々にして人毛ウィッグとしては活用できません。
日本では具体的に数値が公表されるに至っていませんが、より広く認知されているアメリカでは寄付された髪全体の80%は人毛ウィッグとして機能しません。
その理由としては短すぎること、湿っていたりするため送られている間や保管されている間にカビが生えてしまっているためです。
2002年にアメリカの団体Locks of Loveは人毛ウィッグ1万セットを作れるだけ十分な寄付を受けました。
しかしこの年に提供されたのはわずか174セットに過ぎませんでした。
こうして人毛ウィッグとして活用されない寄付された髪は1束あたり300円程度で売買されます。
市場価格は500〜1,000円程度とされている中で安値で取り扱われています。
この問題点は何か?
市場価格よりも低い値段で売り買いされる髪が、過剰に寄付された髪によって多く供給されることになります。
量が少なければ市場価格にはあまり影響しませんが、多量であれば市場価格を下げることになります。
発展途上国の最貧困地域では、自分達の髪の売り上げに頼っている人たちがいます。
商業的に使用されている人間の髪の多くは南アジアから提供されています。
そうした地域では髪の販売から得られた収益で村の経済が回っていることがあります。
南アジアだけでなく東ヨーロッパの貧しい地域でもこの状況は見られます。
いままでは1束500円の価値があった髪が市場価格が下がり、300円、200円、100円・・・となったときにそうした人たちの生活に与える影響は相当なものと言えます。
人毛ウィッグとして使えない髪も他のことに利用・転売されるのだから社会貢献できていると思い込むことは危険かもしれません。
ヘアドネーションの形は寄付金もある
カットしたら捨てるだけの髪に価値が生まれて、誰かがそんなもので喜んでくれるなら・・・と思うかもしれませんが、このようにヘアドネーションのその後の影響に目を向ける必要があります。
ヘアドネーションに賛同する方法は、あなたの髪を寄付するだけではなく団体の活動に必要な資金援助としての寄付金もあります。
また、市場価格を下げないであなたの髪を活かす方法としては、自分自身でネットオークションや通販サイトであなたがカットした髪を売りに出すことです。
そうして手に入れたお金をヘアドネーションを行っている信頼できる団体に寄付金として送ることもできます。
まとめ
・ヘアドネーションとは?
ヘアドネーションはその名の通り、髪を寄付することを指します。
日本でも特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charityが2009年から同様の活動を開始し、他に特定非営利活動法人HERO、株式会社グローウィングの「つな髪プロジェクト」が認知されています。
・ヘアドネーションは意味ないし気持ち悪い?
人毛のウィッグに意味がないかという点に関しては、少なくとも需要はあるため意味があると言えます。
しかしヘアドネーションをすること自体に意味があるかと言えば、「ヘアドネーションをした=人毛ウィッグとして活用される」とはいきません。
・ヘアドネーションの寄付された髪が余っている?
できる限り寄付された髪が無駄にならないような使い道を団体の多くは模索していますが、今では1日に150〜200通も集まっているのにそれらが十分に活かされて人毛ウィッグを欲している人の手に届いていない背景には選別が追いついていないことが要因として挙げられます。
・ヘアドネーションの寄付された髪はその後どうなった?
十分にケアされた髪をヘアドネーションをしようと思った時に、どこまで責任をもって取り組んだのかは重要です。
・ヘアドネーションの詐欺団体ではないか?
アメリカやヨーロッパ、アジアの国でもヘアドネーションに取り組んでいる団体と見せかけて集めた髪を売り捌いているマフィアが摘発された例があります。
・ヘアドネーション団体の寄付金額や使途は?
ヘアドネーションをしているという自己満足のためではなく、髪を失った子供たちなどのためにヘアドネーションをしているのであれば、本当に信頼できる団体なのかを事業報告書などから確認しておくことも必要です。
・ヘアドネーションが貧困国に与えるデメリットは?
市場価格よりも低い値段で売り買いされる髪が、多量であれば市場価格を下げることになります。
発展途上国の最貧困地域では、自分達の髪の売り上げに頼っている人たちがいます。
・ヘアドネーションの形は寄付金もある
市場価格を下げないであなたの髪を活かす方法としては、自分自身でネットオークションや通販サイトであなたがカットした髪を売りに出して手に入れたお金をヘアドネーションを行っている信頼できる団体に寄付金として送ることもできます。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。