映画「ドクター・ストレンジ」にはいくつかジョークが散りばめられています。
その中のひとつのモルドがドクター・ストレンジをカマー・タージに招き入れ、一枚の紙を渡すシーンがあります。
紙に書かれていた「Shamballa」とはどういう意味なのか?ご紹介します。
カマー・タージのWiFiパスワードの意味や理由は?
映画「ドクター・ストレンジ」で両腕の治療法を求めてカマー・タージまでやってきたドクター・ストレンジですが、エンシェントワン から弟子入りを断られてしまい、扉の前で途方に暮れていました。
それを見かねたモルドがエンシェントワンを説得し、ドクター・ストレンジはカマー・タージに入り弟子入りすることが叶います。
ドクター・ストレンジを部屋に案内したモルドは「休め、瞑想しろ」と伝え、ドクター・ストレンジに一枚の紙を渡します。
Wait so…Shamballa’s Wifi is named Shamballa? No password? Man, this @DrStrange universe is really weird. pic.twitter.com/o4zFf36lEe
— Drew Grant (@videodrew) 2016年7月25日
そこに書かれていたのは「shamballa」という見慣れない言葉。
何のことか理解できなかったドクター・ストレンジはモルドに「マントラ(真言)か?」と聞き返すと、「WiFiのパスだ、未開人じゃないぞ」と答えます。
マントラ(真言)とモルドの渡した紙の意味は?
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カマー・タージはエベレスト(ヒマラヤ)にほど近いネパールのカトマンズの奥地にあります。
そんなところでもWiFiが使えてインターネットにアクセスできることを自虐的に皮肉って「未開人じゃないぞ」とモルドは答えています。
ひとつの意味はそのままWiFiのパスワードを書いた紙をドクター・ストレンジに渡し、そのパスワードが「shamballa」という言葉だったということです。
ドクター・ストレンジが紙を渡されて「マントラ(真言)か?」と聞いています。
マントラ(真言)とはインドにおいて瞑想をする際に雑念をかき消すために唱える呪文のようなものです。
直前にモルドが「瞑想しろ」と言っているため、渡された紙に書かれたマントラ(真言)を唱えながら瞑想するのか?とドクター・ストレンジは考えたのでしょう。
ちなみに、マントラ(真言)を唱えることで気持ちが静まったり、生命力や自然治癒力が向上すると言われています。
パスワードのshamballa (シャンバラ)の意味は?
WiFiのパスワードというそのままの意味だけでなく、shamballa (シャンバラ)という言葉自体が表す意味が2つあります。
ひとつはshamballa (シャンバラ)はこの他にもシャングリラと呼ばれたりするインドのヒンドゥー教やチベット仏教における理想郷を表します。
shamballa (シャンバラ)はエベレスト(ヒマラヤ)山中のどこかにあるとされており、カマー・タージの元ネタになったものです。
もうひとつはドクター・ストレンジには原作コミックがあり、その第一冊目のタイトルが「DOCTOR STRANGE INTO SHAMBALLA」なのです。
マーベルの映画作品に初登場となった映画「ドクター・ストレンジ」と、原作コミックシリーズに初登場となった作品のタイトルを関連づけているといえます。
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原作コミック「INTO SHAMBALLA」のストーリーは?
パスワードのshamballa(シャンバラ)の元ネタとなった原作コミック「DOCTOR STRANGE INTO SHAMBALLA」はJ.M. DeMatteis (原案)、Dan Green (作画)によって制作されました。
ドクター・ストレンジのキャラクターは基本的に映画「ドクター・ストレンジ」と同じです。
主人公であるドクター・ストレンジが交通事故によって両腕に障害を負い、医師としてのキャリアを閉ざされます。
その後、資産を売り払い治療法をさまざま試してみますが科学的な方法では治療できず廃人と化します。
そして治療法を探す長い旅の末にチベットのカマー・タージへとたどり着き、エンシェントワンの元で修行をすることになります。
カマー・タージの主となり、神秘的な脅威を戦い続けたドクター・ストレンジですが、エンシェントワンの教えに疑いを感じ始め、カマー・タージを去ります。
a reminder there is no other graphic novel closer to fine art than the iconic #DoctorStrange work #IntoShamballa; by @JMDeMatteis & dan green… pic.twitter.com/EuKjsSMZ98
— duskybatfishgirl (@duskybatfishgrl) 2019年5月12日
物語はドクター・ストレンジがエンシェントワンの命日にカマー・タージを訪れるところから始まります。
カマー・タージにはエンシェントワンの身の回りの世話をしていたハミールがおり、ドクター・ストレンジは彼からエンシェントワンの最後の贈り物としてパズルボックスを渡されます。
パズルボックスを開けるために魔法を試したり物理的に開けようとしてみたりしますが、全く開く気配を見せない箱にしびれを切らしたドクター・ストレンジは突然shamballa (シャンバラ)へと入ってしまいます。
shamballa (シャンバラ)の中で、シャンバラの支配者と遭遇したドクター・ストレンジは支配者から取引を持ちかけられます。
ドクター・ストレンジが3つの複雑な呪文によって地球上の3/4を犠牲にすれば、その先の未来の人類の進化と人類に黄金時代が訪れることを約束するというものでした。
ドクター・ストレンジはどういった選択をするのか・・・、といったストーリーです。
構図はことなりますが、どことなく映画「ドクター・ストレンジ」のラストのドルマムゥとのシーンを思い出してしまいます。
ドルマムゥに対してドクター・ストレンジが取引をもちかける構図とちょうど逆になっているあたりは、映画「ドクター・ストレンジ」のストーリーに大きく「INTO SHAMBALLA」が関係していそうです。
まとめ
さて、今回は映画「ドクター・ストレンジ」のWiFiパスワードのshamballaの意味や理由についてご紹介しました。
また、原作コミックの「DOCTOR STRANGE INTO SHAMBALLA」へのリスペクトとしてパスワードに使用されているというところだけでなく、いったい原作コミックのストーリーはどういった内容なのか?というところまで踏み込んでみました。
いかがだったでしょうか?
調べれば調べるほどしっかりと作り込まれていたり、映画「ドクター・ストレンジ」と関連する内容であったりするので何度も楽しむことができる作品です。
ご拝読いただきありがとうございました。