映画「ドクター・ストレンジ」には予告編映像とエンディングテーマ曲以外に劇中の使用楽曲が4曲存在します。
今回はそれら4曲が使用されたシーンごとに、その理由を歌詞や意味から考察していきたいと思います。
映画「ドクター・ストレンジ」の劇中音楽・主題歌まとめ!
映画「ドクター・ストレンジ」には主題歌は存在しませんが、予告映像用のテーマソングといえる楽曲と映画本編のエンディングテーマ曲があります。
また、作品のストーリーと深く関わる劇中音楽が4曲使用されています。
予告編映像のバックに流れているインストゥルメントは
「Dystopia – Hi-Finesse」
映画本編のエンディングテーマ曲は
「The Master of the Mystic End Credits」
劇中音楽が次の4曲です。
アース・ウィンド&ファイアー「Shining Star」
チャック・マンジョーネ「Feel So Good」
ピンク・フロイド「Interstellar Overdrive 」
ビヨンセ「Single Ladies(Put a Ring On It)」
以上の6曲になります。
それでは、6曲それぞれの使われている場面に沿ってその意味やストーリーとのつながりについてご紹介したいと思います。
映画「ドクター・ストレンジ」の予告編やエンディングテーマ曲は?
まずは予告編映像で使用されている楽曲と映画本編のエンディングテーマ曲についてご紹介します。
こちらの予告編映像でバックに流れているインストゥルメントが「Dystopia – Hi-Finesse」です。
タイトルのDystopiaとはユートピアの対義語にあたります。
理想郷の反対なので、崩壊した世界といった意味合いですが、映画「ドクター・ストレンジ」には暗黒次元というものが登場するので、その関連を踏まえると「暗黒郷」の訳をあてはめるのが一番でしょう。
そしてエンディングテーマ曲はこちらの「The Master of the Mystic End Credits」。
もはやタイトルはそのままですね。こちらもバンドとのタイアップのようなことはなく、インストゥルメントで世界観をそのまま落とし込んだ曲です。
スパイダーマンなどはメジャーなアーティストの楽曲が使用されることがありますが、主人公のドクター・ストレンジの年齢的にもアダルトな雰囲気を醸し出すためにもインストゥルメントを採用しているのでしょう。
映画「ドクター・ストレンジ」の使用楽曲の歌詞やストーリーとのつながりや意味は?
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それでは、映画「ドクター・ストレンジ」の劇中で使用されている楽曲ごとに、そのシーンと理由や歌詞が意味することについて考察していきましょう。
アース・ウィンド&ファイアー「Shining Star」
冒頭の伏線でもあるカエシリウスとエンシェントの戦闘が終わり、一気に場面転換してドクター・ストレンジの手術シーンにて使用されています。
心地よくゆるいトーンのギターリフからはじまるこの曲に合わせてドクター・ストレンジの手が映し出されていきます。
1番Aメロの途中で「難問タイムだ」と言い、選曲係をしている手術助手に曲の変更を求めます。
手術シーンで曲を流れるといっても、クラシックのイメージがあるのでポップスをかけて足でリズムを刻みながら手術をする医師というのは、これだけで「この人は相当偏屈だ」ということが一瞬で観客に伝わります。
Yeah, hey, when you wish upon a star
Dreams will take you very far, yeah
When you wish upon a dream
曲変更を求めてしまうので、ここまでしか流されません。
単純にセリフの都合がここで切ることだったとも考えられますが・・・。
Life ain’t always what it seems, oh yeah
続く歌詞はこちら。
意味としては「人生は見えているものとは違うものになるものさ」といったところでしょうか。
その後のドクター・ストレンジが両腕が使えなくなっても自分の地位に固執して再就職できずにいたり、恋人に別れを告げられたりするところからも、彼自身がこの変化を受け入れる歌詞に対して嫌悪感を抱いているとも言えます。
チャック・マンジョーネ「Feel So Good」
「難問タイムだ」と手術助手のビリーに言った後に、ビリーが流した曲がチャック・マンジョーネ「Feel So Good」。
手術をしながら曲当てクイズに興じています。
発売年の情報が助手のビリーと食い違うことに目くじらを立てるドクター・ストレンジはもう偏屈どころでは済まないプライドの塊といっていいでしょう。
外には手術の様子を見学する多くの医師たちがいる中でこの様子ですから、手術の腕には自信はあるけれど人としては・・・という典型的なキャラクターですね。
そして助手に調べなおさせた結果、自身が正しいと分かれば「Oh, Feel So Good!」。
嫌な奴を印象付けるのに効果を発揮しています。
この曲には歌詞がありません。
ピンク・フロイド「Interstellar Overdrive 」
一連の手術シーンのあと、ヒロインのクリスティーン・パーマーを学会に誘いだすことに成功し、意気揚々と学会の会場へと愛車に乗って向かうシーンで流れます。
「Interstellar Overdrive」の日本語訳版は「星空のドライブ」。
星と星の間を猛スピードで走行するということにイメージとしては訳せるのですが、「星と星」とは何を指していて、何のためにドクター・ストレンジは猛スピードで運転していたのでしょうか。
学会へ行く前、そして学会に行った先に待っているものはヒロインのクリスティーン。
自信家で傲慢な彼にとって、学会で発表する自分(自分たち)というのはこれ以上ない恋人へのアピールなのでしょう。
それが歯車を狂わせるということをピンク・フロイドの「Interstellar Overdrive」のサイケデリック・ロックの狂った世界観が物語っています。
そしてドクター・ストレンジは事故により両腕を失ってしまいます。
とはいえ、直前まで「この患者を執刀すると俺の経歴に傷がつくからやらない」などと言っているので、あまり同情心は生まれませんね・・・。
ビヨンセ「Single Ladies(Put a Ring On It)」
4曲目は物語中盤。
ドクター・ストレンジがエンシェントワンに弟子入りをして道着の色も赤色に変わった頃。
図書室の司書であるウォンがドクター・ストレンジからすすめられて、この曲をイヤホンで聴いているシーンです。
目的としては、司書のウォンの注意を逸らして禁止されている本を盗み出して閲覧するために曲を聴かせています。
’Cause if you liked it then you should have put a ring on it
If you liked it then you should have put a ring on it
Don’t be mad once you see that he want it
If you liked it then you should have put a ring on it
イヤホンから漏れ聴こえるのはサビの部分ですが、歌詞がストーリーとリンクしているというよりは、仏頂面のウォンがビヨンセを聴いているというシュールな笑いだと受け取るべきシーンでしょう。
一応歌詞の関連としては、ドクター・ストレンジが「スリング・リング」を使って本を盗み出しているシーンでもあることから、
Don’t be mad once you see that he want it
の部分は特にドクター・ストレンジからウォンに対する弁明のような意味合いで「もしドクター・ストレンジが本を盗んでいるところに気がついちゃっても怒らないでね!」みたいな意味合いの選曲といえそうです。
いずれにせよこの曲はシュールな笑いとして利用されています。
まとめ
今回は映画「ドクター・ストレンジ」の予告編映像やエンディングテーマ曲にの紹介や、本編で使用されている4つの曲のシーンとその理由や歌詞の意味について考察してきました。
衣装に込められた意味や理由があったことから、使用楽曲にも何か深い理由があるのではないか?と思っていましたが、曲に関してはストレートに捉えてしまって良さそうです。
また、新しい発見ができるよう何度も鑑賞したいと思います。
ご拝読いただきありがとうございました。