映画「ドクター・ストレンジ」に出てくるヴィラン・悪役であるカエシリウス。
目の周りの隈のようなものと、悪役ながらもどこか悲しい存在感を醸し出すカエシリウス。
どうして彼は闇堕ちしてしまったのか?なぜ敵対してドルマムゥに世界を託すことにしたのか?
今回は、その理由や経緯についてご紹介します。
カエシリウスを演じたマッツ・ミケルセンって誰?
映画「ドクター・ストレンジ」のヴィラン・悪役でありながら、ドルマムゥに使役される立場であり、どこか憎めないキャラクター。
そんなカエシリウスを演じたのはマッツ・ミケルセンというデンマーク出身の俳優だそうです。
マッツ・ミケルセンのプロフィールを表にまとめてみました。
本名:マッツ・ディットマン・ミケルセン Mads Dittman Mikkelsen |
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生年月日:1965年11月22日(53歳) | |
出身地:コペンハーゲン・デンマーク | |
身長:183cm | |
受賞歴:カンヌ国際映画祭男優賞(2012) デンマーク・ダネブロー騎士勲章(2010)など |
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その他:カンヌ国際映画祭審査員 |
エンシェントワンを演じたティルダ・スウィントンもそうですが、マッツ・ミケルセンも華やかな経歴の持ち主です。
日本でも知られている彼の出演作としては、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016)」のゲイレン・アーソ役です。
主人公であるヒロインのジン・アーソの父親役です。
この他には、映画版ではなく2013〜2015年に放送されたドラマ版の「ハンニバル」のレクター博士ことハンニバル・レクターを演じています。
映画好きでない限りは、あまりマッツ・ミケルセンの出演作を聞いてもわからないかもしれません。
カエシリウスはカマー・タージでどんな弟子だったのか?
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映画「ドクター・ストレンジ」の中盤、ドクター・ストレンジがモルドと稽古をしている場面でカエシリウスの経歴が少しだけ明かされています。
愛するものを失いここへやってきた
生きる意味を魔術に探し求めた
ドクター・ストレンジやパングボーンとは異なり、治療のためではなく恋人や妻の蘇生のため、あるいは霊体であっても再会する技術を求めてやってきたと言えます。
そんなカエシリウスはドクター・ストレンジと同じく優秀であり、勉強熱心であったためエンシェントワンの言葉の嘘に気づいてしまったのでしょう。
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原作から分かるカエシリウスの目と闇堕ちした理由
原作から分かるカエシリウスの目と闇堕ちした理由は何でしょうか?
原作コミックのカエシリウスが失った愛するものとは?
カエシリウスには「アドリア」という妻がおり、コペンハーゲンで幸せな生活を過ごしていました。
カエシリウスには息子がいましたが、不慮の事故で亡くしてしまっていました。
その苦痛が癒えない間に、妻のアドリアが運河沿いを散歩中に倒れてしまいます。
カエシリウスは今度こそ失うまいと必死に努力をしますが、残念ながら妻のアドリアを脳動脈瘤によって亡くしてしまいます。
絶望の淵に立たされたカエシリウスは妻と息子の死を理解する方法を探します。
そんな折、モルドがカエシリウスをカマー・タージに案内し、エンシェントワンの元へ連れて行きます。
エンシェントワンはカエシリウスが弟子入りして、修行を積めば必ず2人の死を理解できることを約束します。
なぜモルドとカエシリウスが出会うことになったのか?が疑問に残りますが、どうやら妻のアドリアは魔術師で、モルドとの弟弟子だったようです。
なんとも数奇な運命ですね・・・。
カエシリウスがエンシェントワンを裏切った理由
カエシリウスは20年以上にわたり、エンシェントワンのために与えられた使命を果たし、精神的な世界の均衡を保つために尽力してきました。
しかし、エンシェントワンは全くカエシリウスに対して、妻と息子の死の納得に足る理由を与えるわけでもなく、2人を蘇生する方法を見つけ出してくれるわけでもありませんでした。
そうした怒りが積み重なり「ゼロッツ」を結成し、エンシェントワンは自分たちには教えない秘密を隠し持っているのではないか?と疑い始めます。
カエシリウスがドルマムゥに仕えた理由
映画「ドクター・ストレンジ」においても、ドクター・ストレンジに拘束された際に語っている通りで、カエシリウスとゼロッツは時間という概念の存在しない不死の世界として「暗黒次元」の存在を知ります。
そしてエンシェントワンが暗黒次元からその長大なエネルギーを得ていながら、弟子たちには暗黒次元を悪だと教えていることに絶望します。
そこで、ドルマムゥの真意よりはカエシリウス自身の私怨を優先する形で、暗黒次元の支配者であるドルマムゥを地球に呼び出す方法と、暗黒次元を地球に召喚する方法を知り、エンシェントワンたちと完全に対立することになります。
カエシリウスの目が隈取りのような模様の理由や意味は?
映画「ドクター・ストレンジ」の冒頭、カリオストロの書をマスター・オブ・ミスティック・アーツから盗み出しているときにはカエシリウスの顔や目には何も現れていませんでした。
カエシリウスの顔や目に隈取のような模様が現れ、額に印が現れるのは中盤でドルマムゥと契約をして以降です。
この目の周りの隈取りのような模様は、暗黒次元からエネルギーを取り出したものに現れるのではなく、ドルマムゥの従者・奴隷として力を得るために契約をしたものに現れるものです。
エンシェントワンも暗黒次元のエネルギーを利用して長寿になっていますが、ドルマムゥの従者・奴隷として使えている訳ではないので、額に赤い印はありますが目の周りに隈取りのような模様は現れません。
この目の周りの模様がある者には、ドルマムゥが力を与えることでミラー次元でなくても空間や物質を操り建物を変形したり倒壊させたりすることができるようになります。
その力の見返りとして、肉体や精神はドルマムゥの所有物となります。
ドルマムゥが不要だと思えば命を奪われたりしてしまうようになります。
カエシリウスの最後やその後は?
ドクター・ストレンジがドルマムゥに対して取引をもちかけ、最終的にドルマムゥは永遠のループから抜け出すために取引を受け入れます。
取引の内容はゼロッツたちを連れて地球を去り、2度と地球に干渉しないこと。
その結果、カエシリウスやゼロッツたちは自分たちが開いた暗黒次元のポータルへと吸い込まれていきます。
暗黒次元は時間の概念も倫理も何も存在しない世界であり、ポータルへと吸い込まれるにあたり体が崩壊していったカエシリウスたちには相当の肉体的な苦痛が伴っているでしょう。
しかし時間の概念がないため、カエシリウスたちは永遠の苦しみを味わい続けることになります。
まとめ
さて、今回は映画「ドクター・ストレンジ」のヴィラン・悪役であるカエシリウスについてご紹介してきました。
カエシリウスには最愛の妻や息子がおり、努力もむなしく2人の命を奪われて絶望した一人の男の最期を思うと、なんとも悲しくなります。
しかし、なぜエンシェントワンはカエシリウスに2人の死の納得できるような理由を教えるわけでも、蘇生方法を教えるわけでもなかったのでしょうか?
おそらくは、エンシェントは犠牲のない本当にカエシリウスを救えるような蘇生法など存在せず、どれだけ言葉を並べても2人の死を納得できる理由など存在しないことを分かっていたのでしょう。
だからこそ任務を与え続け、新しい生きるための意味を気づかせたかったのかもしれません。
ご拝読いただきありがとうございました。