韓国の徴用工訴訟問題をめぐって日本と韓国の交渉がうまく進まない状態にあります。
今回は徴用工訴訟問題の流れはどういったものだったのか?をまとめるとともに、
新たな火種となっている韓国の現金化によってどのような影響や実害が現れるのか?
国際法違反と主張しているのはどういったことなのかをわかりやすく解説します。
徴用工訴訟問題まとめ!
徴用工訴訟問題についてできる限りわかりやすくまとめてみましょう。
徴用工とは何か?
そもそも、「徴用工」とは何かという点ですが、
「徴」は徴兵制などと同じく「強制的に〜」といった意味合いです。
なので、「徴用工」とは「強制的に工業に用いられた人」といった意味になり、要するに強制労働者を指します。
徴用工訴訟問題とは何かわかりやすく解説
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第2次世界大戦のときに朝鮮や中国は日本の統治下にありました。
そこには日本の企業が進出しており、労働力を日本国内から運んでくるよりも現地の朝鮮人や中国人から募集したほうが手っ取り早いので、労働力を募集したり徴用工・強制的に労働させました。
このときに日本企業で奴隷のように扱われたことが問題となり、何がしかの補償がなされるべきとされました。
かつて韓国政府と日本政府の間で国同士で徴用工など、第2次世界のときに日本が韓国に対して犯した罪は1965年に「日韓請求権協定」を結び、補償をして解決済みでした。
このときに元労働者一人一人ではなく、韓国政府が代表して日本と交渉にあたり補償をして解決したものと韓国政府も日本政府も納得していました。
しかし2005年ごろから慰安婦問題などは「日韓請求権協定」の対象外だと韓国政府が主張するようになります。
徴用工に関しても「国と国同士では解決したかもしれないが、元労働者や遺族たち一人一人が補償請求することは認めてないもーん!」と言って元労働者や遺族たちによって日本企業を相手取った訴訟が起こされ、韓国の裁判所も「日韓請求権協定」を無視して元労働者や遺族たちの主張を受け入れ、日本企業の損害賠償を命じました。
「徴用工訴訟問題」と言われる理由は、協定を作り同意していたにも関わらず突如、協定をなかったものにして訴訟が行われ、裁判所も主張を受け入れ賠償命令を出し、韓国政府も「そもそもは日本が悪い!」と言って開き直りだしたためです。
徴用工訴訟問題の経緯は?
徴用工訴訟問題の経緯をまとめてみましょう。
第2次世界大戦で日本の統治下となっていた韓国や朝鮮で、日本企業に強制労働を強いられていた人たちがいました。 | |
1965年 | 「日韓請求権協定」を結び、第2次世界大戦中に行われた韓国に対する日本からの補償と国交開始・経済協力が決定。 この時、補償として3億ドル(300億円)が支払われる。 (他に有償2億ドル、民間融資3億ドル) 韓国は補償金でインフラ整備を開始。 |
1965年の日韓請求権協定で第2次世界大戦の日韓関係の問題は解決されたと両国は納得。 ただし、韓国政府は積極的に国民に周知しなかったため、国民の多くは「日本が補償をしない最低の国」という意識が続き、加熱していく。 |
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2005年 | 韓国政府が慰安婦や韓国人原爆被害者などは日韓請求権協定の対象外と主張を始める。 韓国議会で日韓請求権協定を破棄し、被害者個人の賠償や謝罪要求を韓国政府に要求。 |
2009年 | 議会の要求に対し、韓国政府は日本から無償で受け取った3億ドルに個人の賠償も含まれているため、補償請求はできないと表明 |
2012年 | 韓国の最高裁判所・大法院が個人の日本企業に対する賠償請求を認める。 |
2013年 | 韓国の最高裁判所・大法院の判断を受け、元労働者や遺族が日本企業(新日鉄住金、三菱重工業など)に対して損害賠償請求。 |
2015年 | 韓国憲法裁判所が「日韓請求権協定は違憲」の訴えを却下。 ただし、賠償請求にも影響しないことを主張。 |
2016年 | 中国人による損害賠償請求訴訟で三菱マテリアルが約64億円の賠償と謝罪を行う。 ソウル中央地方裁判所は約7億円の支払いを日本企業に命じる判決を出す。 |
2018年 | 韓国の最高裁判所・大法院が約4億円の支払いを日本企業に命じる判決を出す。 最高裁判所の判決を受けて、個人訴訟を起こす人が多発。 また、韓国政府に対しても3億ドルの補償金を受け取った罪があるとして集団訴訟を起こす。 |
根本的には、韓国政府が国民の理解を得られるか・説得できるかに自信がなかったために「日韓請求権協定」のことをひた隠しにして補償金3億円を元労働者に支払わなかったことにあります。
大統領が毒殺や投獄などをされるのが当たり前な国で、国民感情が憲法や法律よりも優先されるという特殊な国です。
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徴用工訴訟問題の韓国の現金化をわかりやすく解説
徴用工訴訟問題で、韓国が現金化を行うという話が出ています。
一体どういうことなのか?わかりやすく解説していきましょう。
徴用工訴訟問題の韓国の現金化とは?
韓国の最高裁判所・大法院が日本企業(三菱重工業など)に対して賠償を命じる判決を出しました。
2019年7月16日に韓国国内の三菱重工業の資産をすでに差し押さえしており、それらの売却命令を裁判所に申請して現金化が行われる見込みとなりました。
三菱重工業が判決を受けて協議に参加するよう求められていましたが、これを無視したために無理やり賠償金を捻出させようという魂胆です。
「資産」として現金化の対象になっているものは商標権2件と特許権6件で総額7300万円と言われています。
この他にも日本製鉄、不二越もすでに資産が差し押さえられており、現地企業との合弁会社の株式約1億円相当があります。
徴用工訴訟問題の韓国の現金化の実害・影響は?
商標権や特許権を現金化するとどのようなことが行われるのか?
具体的には三菱重工業の場合は、「三菱重工業(MHI)」や「三菱重工業グループ(MHI Gtoup)」といった会社のロゴやガスタービン関連の特許が対象となるため、韓国国内でロゴマークが使えなくなり、発電所にガスタービンを納入する際に影響が出ると言われています。
特許権を現金化ということなので、実質的には日本企業が持っていた特許が無効となると言えそうです。
本来支払われていた使用料がなくなり、特許を日本企業ではなく韓国企業が持つことができる可能性があります。
もし現金化が行われれば、日本企業への「実害」があることは間違い無いでしょう。
徴用工訴訟問題の韓国・国際法違反をわかりやすく解説!
徴用工訴訟問題をめぐって、韓国が国際法違反だと主張しています。
同じく日本も国際法違反だと応戦しています。
いったい日本と韓国はそれぞれ、どのポイントが国際法違反だと言っているのでしょうか?
日本が徴用工訴訟問題を国際法違反と主張する理由
ざっくりと言い切ると、日本は条約のあり方について韓国は国際法違反だと主張しています。
国と国で結んだルールは、ねじ曲げられたり破棄されたら困ります。
すでに3億円を支払い、40年以上も「これで解決した」と認めておきながらルールを破棄して賠償を求めるのは国としておかしいだろう?というのが日本側の主張です。
国と国とのルールを簡単にねじ曲げたり破棄する国は、これから他の国も条約や協定を結ぼうなどとは思えません、いつ裏切られてもおかしくないためです。
韓国が徴用工訴訟問題を国際法違反と主張する理由
韓国が日本に対して国際法違反だと主張しているのは、憲法や法律などではなく、「気持ち」です。
「ルールやお金を一回支払ったからと言って、被害者の心が癒えると思ってるのか?」という主張です。
分からなくはありませんし、この声を無視するのは日本が非道な国だと見える側面があるため、日本も対応に困っています。
しかしこの理屈を通せば、被害者が満足しないと言い続ければいくらでも金を貪り続けられてしまいます。
「今は満足したけど、お金が無くなったらまた要求すればいい」環境が確立されます。
まとめ
・徴用工とは何か?
「徴用工」とは「強制的に工業に用いられた人」といった意味になり、要するに強制労働者を指します。
・徴用工訴訟問題とは何かわかりやすく解説
協定を作り同意していたにも関わらず突如、協定をなかったものにして訴訟が行われ、裁判所も主張を受け入れ賠償命令を出し、韓国政府も「そもそもは日本が悪い!」と言って開き直りだしたためです。
・徴用工訴訟問題の経緯は?
韓国政府が国民の理解を得られるか・説得できるかに自信がなかったために「日韓請求権協定」のことをひた隠しにして補償金3億円を元労働者に支払わなかったことにあります。
・徴用工訴訟問題の韓国の現金化とは?
三菱重工業が判決を受けて協議に参加するよう求められていましたが、これを無視したために無理やり賠償金を捻出させようという魂胆です。
・徴用工訴訟問題の韓国の現金化の実害・影響は?
三菱重工業の場合は、「三菱重工業(MHI)」や「三菱重工業グループ(MHI Gtoup)」といった会社のロゴやガスタービン関連の特許が対象となるため、韓国国内でロゴマークが使えなくなり、発電所にガスタービンを納入する際に影響が出ると言われています。
・日本が徴用工訴訟問題を国際法違反と主張する理由
ざっくりと言い切ると、日本は条約のあり方について韓国は国際法違反だと主張しています。
・韓国が徴用工訴訟問題を国際法違反と主張する理由
韓国が日本に対して国際法違反だと主張しているのは、憲法や法律などではなく、「気持ち」です。
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