グーグル検索に効果があると言われるAMP。
今回は、AMPのメリットとデメリットについて紹介します。
また、AMPは不要だと言われる理由や普及率についても解説していきます。
AMPのメリット・デメリットは?
AMPのメリットやデメリットはなんでしょうか?
AMPとは何か?:スマホで高速表示できる
AMPはAccelerated Mobile Pagesの略語です。
Accelerated | 加速した |
Mobile | 携帯通信機器の |
Pages | ページ |
スマホや携帯電話でページを開くときに高速表示させるための方法で、2015年10月から企画が始まりました。
PCやタブレットよりも、今ではほとんどの人が何かインターネットで検索するときにはスマホを使います。
その際に表示速度が遅いと待ち時間が長いことを嫌ってページを閉じられてしまいます。
高速表示させることで、今まで逃していたかもしれない人たちにも自分のページを見てもらえるというものです。
AMPに対応しているページは検索した際に、URLの横などに○にカミナリマーク(⚡︎)が入ったアイコンが表示されるようになっています。(下の画像)
実際に表示してみると、ページ自体が何か普通ではないということはなく、体感として表示速度が速い気がします。
AMP対応したページが高速表示される理由は
- 事前にページ情報が(ページを開かなかったとしても)スマホに送られる
- 記事を読むこと以外に不必要なデータ(広告やアナリティクス分析など)は後回しにされる
ざっくり言うとこの2点です。
AMPのメリット :3つのポイント
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AMPに対応するメリットは大きく3つです。
- ページを高速表示して離脱率を下げられる
- サイト内の回遊率が高まる
- 検索順位が上昇する
それぞれ見ていきましょう。
ページを高速表示して離脱率を下げられる
AMPに対応する最大のメリットは、AMPという名前の通りに高速表示される点です。
AMP対応しているページはそうでないページよりも約1/4の時間でページを表示させることができると言います。
また、高速表示させられるページは検索順位も上位表示されやすいと言われています。
そして、高速表示されないページでは数秒〜十数秒待たなければならないことがあるため、表示されるまで待てない人はページを閉じてしまいます。
AMPに対応したページはほとんど待ち時間がないため、検索した人にページを読んでもらいやすくなります。
SEO対策として効果があると言われています。
グーグル自身も、(AMPが有効と断言してはいませんが)ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用していることを公言しています。
AMPに対応するためには決められたルールに則ったHTMLやCSSの書き方をしなければなりません。
その結果データ量が小さくなることで読み込み時間の短縮が図られます。
データ量は通常の1/10にも縮小されると言います。
ライブドアニュースやハフィントンポストなどはAMPに対応しています。
そうしたAMPに対応したニュースサイトはカルーセル表示(サムネイル付きでトップに表示される)されやすくなります。
下の画像のライブドアニュースがカルーセル表示です。
画像付きであり、検索してすぐに表示されることからたくさんのアクセスを集めやすくなります。
サイト内の回遊率が高まる
表示速度が遅いサイトの場合、気になる内容のリンクが貼られていたとしても押したくなくなります。
AMPに対応して高速表示されているサイトであれば、新たにリンクを押すことにもストレスを感じにくいため、他のページも見て回ってくれる可能性が高まります。
アドセンスやアフィリエイトなども、多くのページを見て回ってもらえ多分だけ収益を上げやすくなります。
また、そもそもAMPに対応したページに表示されるカミナリマーク(⚡︎)の意味を知っている人にとっては、同じ情報を提示してくれているページが並んでいる場合には優先的にAMPに対応したページを訪れる可能性が高まります。
検索順位が上昇する
検索順位を左右する要素として、ページの内容だけでなく表示速度も重要な要素だと言われています。
そのため、グーグルも協力して立ち上げられているAMPに対応することは最も効果的に表示速度を上げられ、検索順位にも大きく影響すると考えられていました。
残念ながらグーグル自身が
- AMPに対応したこと自体が検索順位に影響を与えることはない
- あくまでモバイル検索するとカミナリマーク(⚡︎)が付くだけ
と断言しています。
直接的な効果はなかったとしても、高速化されていることは事実であるため、検索順位に良い影響を与えないことはありません。
AMPのデメリット:5つのポイント
AMPに対応することのデメリットがあります。
- 広告表示されにくくなる
- AMP対応自体が面倒
- AMP対応が失敗する可能性
- AMP対応でデザインが変わってしまう
- 仕様変更に対応しなければならない
それぞれ見ていきましょう。
広告表示されにくくなる
AMPに対応したページでは専用のHTMLやCSSが求められます。
アフィリエイトなどの広告も、AMPに対応している必要があります。
しかし、広告の中にはAMPに対応していないものもあるためAMPページに広告が表示されないという可能性があります。
せっかく高速化したとして多くの人にページを見てもらえたとしても、肝心の広告が表示されないのでは意味がなくなってしまいます。
AMPに対応した広告を選ぶ必要が出てくるため、少なくとも現段階ではストレスが多くなるかもしれません。
AMP対応自体が面倒
「めんどくさい」ことは一番のデメリットです。
めんどくさいポイントは導入までの手間と、導入後の運用上の手間です。
WordPressで作成したサイトであればプラグインを使うことによってAMP用のページの管理をプラグインが行ってくれるため、運用上の手間はさほどありません。
しかしそうでない場合は導入後の運用にあたって、
- 通常のページ
- AMP用のページ
この2つを管理しなければなりません。
AMP対応が失敗する可能性
AMPに対応したページを作るには
- 自分でAMPに対応したHTMLを書く
- WordPressのプラグインを使う
といった選択肢があります。
どちらの場合も作成したページが本当にAMPに対応できているのかを
- Chromeデベロッパーツールのコンソール機能
- サーチコンソールのAccelerated Mobile Pages機能
- Chrome拡張アドオンのAMP Validator
- AMPテストツール
などを使ってチェックする必要があります。
これで何のエラーもでなければ簡単にAMP対応は完了します。
エラーが表示されてしまった際には、一つずつエラーを解消していかなければいけません。
一概にプラグインがあるから大丈夫という訳ではありません。
AMP対応でデザインが変わってしまう
AMPに対応するには指定されたルールに則ったHTMLやCSSでなければなりません。
もしかすると、今サイトで使っているタグが使用禁止になっているものかもしれません。
他にも、現段階ではJavaScriptが使用できないため、「トップに戻るボタン」であったり、「メニューの開閉をアニメ化」するといった機能が使えません。
レイアウトが崩れたりデザインが変わってしまう可能性があります。
エラーがでなかったとしても、安易にAMPに対応しないほうが良いかもしれません。
仕様変更に対応しなければならない
AMPは発展途上な技術であるため、定期的に仕様変更がなされます。
もちろんこれはメリットでもありますが、仕様変更に合わせて対応していかなければAMPに対応したページとして表示してもらえなくなります。
仕様変更情報に気をつけつつ、新しいエラーが出ていないかをチェックしておく必要があります。
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AMPが不要な理由や普及率は?
AMPが不要だという理由は何でしょうか?
また、AMPの普及率はどれくらいなのでしょうか?
AMPが不要な理由:5つのポイント
AMPに対応しているページもあれば、個人のブログなどではあまり対応している人が多くないように感じられます。
AMPが不要だと判断される理由は次のようなものがあります。
- AMPに対応しているページが少ない気がする
- デザインが崩れるから
- すべてのサイトに効果がある訳ではない
- 導入と管理がめんどくさい
- そこまで検索順位に影響しない
それぞれ見ていきましょう。
AMPに対応しているページが少ない気がする
AMPに対応するためには、プラグインがあったとしても多少なりの知識が必要になります。
たとえ知識があったとしても、周りがやっていないことをやりたがらないのが日本人です。
ニュースサイトなどの場合は
- 毎日新聞
- 朝日新聞
- 産経ニュース
- SankeiBiz
- 日刊スポーツ
- ライブドアニュース
- マイナビニュース
- 映画.com
- zakzak
- BLOGOS
といったサイトがAMPに対応しています。
ただし、個人ブログで対応している人は珍しいため、周りがしていないなら自分もしなくても良いだろうという判断をしやすい傾向があります。
デザインが崩れるから
AMPに対応するためには厳しいルールが課されたHTMLやCSSを記述しなければなりません。
使えないタグやJavaScriptも今のところは使えません。
その結果、今のサイトのデザインをそのままAMPに対応したページで再現できない可能性が高くなります。
すべてのサイトに効果がある訳ではない
AMPに対応したページの効果はすべてのページで発揮される訳ではないとグーグル自身も断言しています。
ニュースやレシピ、レビュー、ブログなどの誰もが共通した一つのページを見るサイトには効果があります。
しかし、マップやメール、SNSなどの個人的であったりレスポンスのあるサイトには向きません。
さらにブログであっても、カルーセル表示などを含めたメリットを活かすためには画像が多用されていたりする必要があります。
わりと簡素なページで構成している場合には導入しても高速化をあまり体感できない可能性があります。
導入と管理がめんどくさい
AMPに対応するためには導入、導入後の運用管理の手間がかかります。
たとえプラグインを使ったとしてもエラーが全く出ない保証はありません。
エラーが出たときにも対応することができる時間、知識が不可欠です。
そこまで検索順位に影響しない
AMPに対応する最大のメリット・目的は検索順位にあると言えます。
高速化として効果があるとはいえ、AMPに対応したこと自体が検索順位に良い影響を与えることはありません。
もちろん、検索順位の判断基準としてAMP対応の有無が大きな意味を持つようになる可能性はあります。
少なくとも現時点ではAMPに対応することが直接的な影響を与えることはありません。
AMPの普及率は?:毎週400万ページが追加されている
AMPの普及率をグーグルは公表していません。
digital22によると2015年のAMP開始以来、全世界で数千万のドメインがAMPに対応した数十億のページを作成したと言います。
日本ではあまりAMPに好意的な意見は少なく、どちらかと言えば否定的な意見が多いように感じられます。
海外では124人のAMPに対応したサイトを持つ人々を対象に行った調査では、AMPは「非常に重要」または「重要」と答えた人が51%だったと言います。
世界的にもニュースやテクノロジー系のサイトでAMPは普及しており、毎週400万ページ以上のAMPに対応したページが追加されています。
「全世界で毎週400万ページのAMPに対応したページ」というのを多いと見るか、少ないと見るべきかによって普及率の捉え方は変わります。
少なくとも日本では普及率は決して高いとは言えなく、世界的にも日本と同じようにニュースサイトを中心にAMPに対応している状況だと言えます。
まとめ
・AMPとは何か?
スマホや携帯電話でページを開くときに高速表示させるための方法で、2015年10月から企画が始まりました。
・AMPのメリット
- ページを高速表示して離脱率を下げられる
- サイト内の回遊率が高まる
- 検索順位が上昇する
・AMPのデメリット
- 広告表示されにくくなる
- AMP対応自体が面倒
- AMP対応が失敗する可能性
- AMP対応でデザインが変わってしまう
- 仕様変更に対応しなければならない
・AMPが不要な理由
- AMPに対応しているページが少ない気がする
- デザインが崩れるから
- すべてのサイトに効果がある訳ではない
- 導入と管理がめんどくさい
- そこまで検索順位に影響しない
・AMPの普及率は?:毎週400万ページが追加されている
世界的にもニュースやテクノロジー系のサイトでAMPは普及しており、毎週400万ページ以上のAMPに対応したページが追加されています。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。