不登校を選択した子供に対して、ホームスクーリングという選択肢があります。
日本ではホームスクーリングが学校に通う代わりの教育認定されるなど制度として認められてはいませんが、徐々に認知され始めています。
今回はホームスクーリングの教え方や、やり方にはどのようなものがあるのか?
アメリカでのカリキュラムや教材はどのように確保したり探したりしているのかについて紹介します。
ホームスクーリングの教え方・やり方は?
ホームスクーリングの教え方・やり方にはどのようなものがあるのでしょうか?
ホームスクーリングの教え方・やり方とは?
ホームスクーリングには決まった教え方はなく、さまざまな方法や教材を使います。
キリスト教など宗教に基づいたり、好きな指導方法の考え方や理論から家庭ごとに親が選んでいく必要があります。
理論や学習環境も家庭だけでなく、
- 古典的な教育方法(トリヴィアムやクアドリビアムなど)
- シャーロットメイソン教育
- モンテッソーリ法
- 多重知能理論
- ウォルドルフ教育
など様々あります。
教材も教科書・問題集を用いたり、見習い・実地学習、ネットなどを利用した遠隔教育などがあります。
一つの方法に絞る必要はなく、自分の子供に合ったものを発見し、複数の方法を実践する例も珍しくありません。
カリキュラムや教科書・問題集などはアメリカでは
公共の図書館を利用 | 78% |
ホームスクーリングカタログ、出版社や専門家に問い合わせる | 77% |
本屋で探す | 68% |
ホームスクーリングを提供していない教育出版者に問い合わせる | 60% |
ホームスクーリングの会社 | 50% |
教会、宗教施設 | 37% |
地元の公立学校 | 23% |
という結果になりました。
また、ネットなどの遠隔教育を利用している割合は2003年と古いデータですが41%に達しており、近年ではより高い割合で利用されていると考えられます。
また、アメリカの場合はホームスクーリングが学校教育の代わりとして制度で認められているため、それぞれの州や政府機関が公式にカリキュラムや学校の出席要件を決めていたりします。
インフォーマル・ラーニング
インフォーマル・ラーニングはその名の通り、「非公式な学習」という意味でホームスクーリングの一つの手法として存在します。
伝統的な教える側が主体な教え方ではなく、子供が積極的に参加して創造力を働かせる日常的に取り入れられている学習形式です。
「普通の学習方法ではない」という意味でインフォーマル・ラーニングと呼ばれています。
明確なカリキュラムがあるのではなく、例えば庭に草木を植えることやケーキを焼くこと、パソコンに新しいソフトウェアをインストールする方法について専門家から話を聞くこともインフォーマル・ラーニングに含まれます。
どんなやり方でも構わず、何かスキルを習得することが大切です。
トマトの成長を観察している時に、子供達自身で光合成について学ぶことはできませんが、水と太陽の光が植物の成長には不可欠だということは学べます。
その後の深い学びや研究のための入り口として有効で、アメリカでは今までは州や政府が学校で行われている教育と同じことをホームスクーリングに求めなくなってきたため、「生きるために必要な力」という観点を重視するインフォーマル・ラーニングが注目されています。
国によってもインフォーマル・ラーニングで教えるべき内容や文化は異なってきます。
ペルーの南アメリカの先住民の文化では、子供たちは遊びを通して灌漑や農業の技術を学び、自分の村や社会だけでなく、生き残るために必要な現実的な技術や知識も身につけます。
ヨーロッパでは2つの方法でインフォーマル・ラーニングが行われる傾向にあります。
新しい資料を使った実地体験を行い、自分自身で疑問に思うことをまとめた上で、親や専門家にそれらを質問します。
子供の好奇心旺盛な性質を生かした指導方法と言えます。
ユニットスタディ
ユニットスタディは数学や科学、歴史、芸術、地理などの複数の科目が一つのテーマの中で合わさった形で学習します。
難易度は子供のレベルに合わせて調整できるため、ユニットスタディは何人かの子供に同時に教える時に役立ちます。
オールインワンカリキュラム
オールインワンカリキュラムは学校で使われているカリキュラムや宿題などを使用するため似ています。
学年ごとにまとめられた教材を購入したり、テーマごとに購入します。
テーマごとに購入した場合は必要な教科書や本、テスト、解答集、指導用ガイドが全て含まれて販売されています。
公立学校と同じ教科の指導範囲をカバーしており、学校に戻っていく時にもギャップが少ないという利点があります。
教材を買い揃えないといけないため、費用は高くなりますが親のしなければならない準備は最小限で済み、使いやすいです。
自然学習
自然学習とは子供が自分の興味に基づいて探求し、親が学習に必要な活動や経験を積めるようにサポートしていきます。
教科書にはほとんど頼らないで、多くの時間を子供のための環境を整えたりサポートするために使います。
例えばピアニストになりたいという子供のために、プロのピアニストや天才ピアニストと呼ばれた人たちに会いに行き、どのようなステップを踏んでいく必要があるのかを親が準備して学んでいき、環境を整えて指導をしていきます。
自律学習
自律学習は子供が自分自身で学習環境を整えて責任を持ち学んでいく方法です。
子供が自己意識や将来設計、実用性、議論などを自由に身につけていきます。
子供が自分自身で完全に自律して学習を始めなければならないため、人を選びます。
ただ、親もサポートをすることができ、例えば数学の知識が豊富な人と最初に交流できる機会を設けておくことで子供の学習のスピードを上げて自律して学習できやすくなると言われています。
一般的には数学や英語などの通常の科目の勉強に加えて、子供の興味がある分野について学習する方法として自律学習が取り入れられています。
ホームスクーリングのアメリカのカリキュラムや教材についても
ホームスクーリングのカリキュラムはアメリカではどのようになっているのか?
また、教材はどのように提供されているのかについて詳しく見ていきましょう。
ホームスクーリングのアメリカでのカリキュラムは?
アメリカでは、ホームスクーリングのカリキュラムの要件が州によって違います。
学校に行っているのと同じように卒業資格を得るためにホームスクーリングのカリキュラムや授業計画を提出するように求めている州もあれば、ホームスクーリングがいわゆる私立の学校のように扱っておりカリキュラムを完全に自由としている州(ノースカロライナ州など)もあります。
キリスト教などの宗教団体がカリキュラムを提供しているのを利用することもでき、多くの家庭では色々なカリキュラムを混合させて利用しています。
公立学校がホームスクーリング用のカリキュラムを提供しており、ネットやバーチャルの公立学校で学習するというものもあります。
学習していることは公立学校と同じで、学習環境が学校ではなく家庭になっただけというものです。
ホームスクーリングの教材は?
ホームスクーリング用の教材としては、公立学校が学校図書館、コンピュータ室、課外活動への参加が許可されており、自由に活用しても良いことになっている州があります。
地域によっては親や家庭教師が定期的に教師と面会してカリキュラムの見直しや提案をしたりします。
公立図書館で図書館員に相談することも効果的で、インターネットやデータベースへのアクセス、図書館同士の資料のやりとりなど、ホームスクーリングに必要な資料の調達をサポートしてくれます。
運動に関してはケンタッキー州などは学校に通う子どもとは別に、ホームスクーリングをしている子供達のみの競技の機会を設けていたりします。
フロリダ州などでは、学校に通う子どもたちと一緒に運動をすることが可能であったり、州ごとに異なっています。
まとめ
・ホームスクーリングの教え方・やり方とは?
ホームスクーリングには決まった教え方はなく、さまざまな方法や教材を使います。
・インフォーマル・ラーニング
伝統的な教える側が主体な教え方ではなく、子供が積極的に参加して創造力を働かせる日常的に取り入れられている学習形式です。
・ユニットスタディ
ユニットスタディは数学や科学、歴史、芸術、地理などの複数の科目が一つのテーマの中で合わさった形で学習します。
・オールインワンカリキュラム
オールインワンカリキュラムは学校で使われているカリキュラムや宿題などを使用するため似ています。
・自然学習
自然学習とは子供が自分の興味に基づいて探求し、親が学習に必要な活動や経験を積めるようにサポートしていきます。
・自律学習
自律学習は子供が自分自身で学習環境を整えて責任を持ち学んでいく方法です。
・ホームスクーリングのアメリカでのカリキュラムは?
アメリカでは、ホームスクーリングのカリキュラムの要件が州によって違います。
・ホームスクーリングの教材は?
ホームスクーリング用の教材としては、公立学校が学校図書館、コンピュータ室、課外活動への参加が許可されており、自由に活用しても良いことになっている州があります。
いつもたくさんのコメントありがとうございます。他にも様々な情報がありましたら、またコメント欄に書いてくださるとうれしいです。
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